プロローグ 白い夢
新連載始めました。
まだまだ拙い文章ですがどうかよろしくお願いいたします。
時折、夢を見る。
白い夢だ。
周りは一面、白、白、白、ただただ白い風景
それらの白さの正体は今も降り続けている雪だ。
しんしんと降り積もる雪。
周囲は真っ白に彩られ、風の吹く音すらしない。
そんな中、自分以外に人影はなく、
俺はただ一人、雪の上に佇んでいる。
そのあまりに幻想的な光景はどんな画家にも描けないほどに美しく、
自分以外全てが白いその世界はどこか安心感のようなものを覚えた。
だが・・・何故だろう?
夢の中にいる俺は、いつも泣いている。
この真っ白な世界でひたすらに泣き続けている。
この白い世界には、俺を悲しませるものなんて存在しないはずのに。
ーすぐに暴力を振るう父親もー
ー何かあると癇癪をおこす母親もー
ー自らの憂さ晴らしのためにいじめてくるクラスメイトもー
ーいかにもな理想論をかざしてくる生徒会長もー
ー人の話を聞かない親友もー
そして···················
·····何かと俺のことを気にかけてくる、あの幼馴染みも·····
この真っ白な、俺と雪以外なに一つとして存在しない、この世界は俺の理想の世界のはずだ。
誰にも縛られず、誰と関わる必要もない、そんな世界を俺は望んでいたはずだ。
だが、いくらそう思おうとも夢の中の俺は泣き止まない。