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泡沫の白  作者: モノ
1/2

スタート


泡沫とは、儚く消えやすいもの。


幼馴染の彼女はにっこり笑って呟いた。

「私の好きな言葉なの。」


まるで、私のようじゃない?と言うような

彼女の顔を見ると、胸が苦しくなった。



彼女は傷だらけの腕を撫でながら呟く。

「私も君も皆、死んじゃえばいいのに」


半分冗談。いや、ほぼ本音なんだろう。

一人称が僕で、明るい笑顔を振り撒く

俺の好きだった彼女はもうどこにもいない。


全てが、遅い。



「俺にどうして欲しい?…できる限り尽すけど。」



彼女は顔だけこちらを向けて俺を見た。

ここまで戻ってきて欲しいと言えたらどれだけ幸せか。


「でも最後に言わせて。

××がずっと好きだった。きっとこれからも。」


言えるのは今日で最後だ。

シチュエーションも最悪だが、

コレを伝えなければ僕は一生後悔する


彼女は驚いた顔をして、涙を浮かべて笑った。

「もっと早く言ってよ。」


彼女はYESともNOとも言わずに空に体を向けた。


嫌だ。


「君からすれば、今日は最悪な日だね。

ざまぁみろ。でも唯一の友達に会えたのは嬉しかったよ」


「君が喜んでくれるのなら今日は最高な日だね」


そんなキザな台詞を言っても彼女は笑わない。

彼女は空を見ている。



「じゃあ。もう行こうかな」


どこへ?なんて、聞けるわけがなかった。

行かないでなんて、烏滸がましい。



彼女は空を飛んだ。

少なくとも俺にはそう見えた。


鈍い音が響いて、叫び声も聞こえた。




俺は、どこで間違えたのだろう。

正解なんて見当たらなかった。


そこにはムカつく程美しい夕日に染まる空しかなかった。




俺は


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