第八十六話 救援に駆け付けよう
「八咫、千里眼を使ってくれ。今度も指揮官級の敵を狙撃してほしい。ドローン展開、サーチャー起動」
「了解っと」
「あ、俺も出るけど良い?」
「鴉ちゃんが全魔力の半分を、注ぎ込んでくれるなら良いのですよ?」
それさ、俺をここに縛り付ける気だよね?五割持ってかれたら、戦闘する気には成らないし。だがしかし!俺は〔龍人族〕で術士だ。最近は魔力量も回と復速度が、指数関数まではいかないけど増えているし。順調な右肩上がりの鰻登り。
まぁ、回復速度が上がったとは言え、魔力量が多いから全快するまで時間は掛かる。少し休憩すればいい話だしな。魔力がかなり減るだろうけど、直接戦闘をしたい。魔力量を増やしたいんだよな。暇だし、ステータスの確認でもしておこうか。久し振りに見るな。
[ステータス]
名前:鴉狐
種族:龍人族 基礎Le:67
職業:召喚術士 職業Le:53
所属国:竜国(仮)
所持金:四百八十万セル
残P:20
HP:40/40 MP:910/1820
体力:8 筋力:8 敏捷:8
魔力:364(強化値合計:312) 知力:49 器用:47
残P:20
満腹度:73%
渇水度:40%
スキル:〈召喚術:10(一時停止)〉〈生活術:10(一時停止)〉〈刀術:8〉〈身体狂化:6〉〈思考狂化:7〉〈思考強化:8〉〈視覚強化:Max〉〈遠見:6〉〈魔力強化:7〉〈雷耐性:6〉〈麻痺耐性:6〉
装備・武器:【丈夫な刀】【雷切】【触媒短刀】
・防具:【白の狩衣・スカートカスタム】【黒タイツ】【部分型武者鎧・魔術動作補助・試作型】【影蝕の鎧】
今に思えば結構上がったな。…この鎧、こんなに長い名前だったのか?もう少し何とかしてほしい。それにしても、術スキルの一時停止は何だ?
・一時停止:現在は成長する事が出来ない。しかし、切っ掛けがあるのならば、また成長を始めるだろう。
切っ掛けか。新しい術、魔術でも良いのか?を覚えれば、始まると思う。多分だけど。ポイントは、何時もと同じ振り分けで良いか。
HP:40/40 MP:1300/2100
体力:8 筋力:8 敏捷:8
魔力:420(強化値合計:360) 知力:55 器用:53
残P:0
大分増えたな。特にMPの部分がさ。順調にいけば魔力量に関わる問題は、大分解消するかな?多量消費する魔術自体、習ってないし。あるとすれば、条件が満たされていない英霊召喚か。他の大規模な奴は使いどころがないしな。
もう少し休憩したら出撃をしよう。二千あれば足りる足りる。…多分。寧ろ足らしてやらぁ!
●◆●視点変更●◆●
「参る」
「待ってちょうだい。前衛だから大丈夫だろうけど、少しは待つことを覚えたらどうかしらぁ?先鋒は貴女で良いわぁ。私たちが合わせるからねぇ」
静鈴とルバリアさんはハッチを飛び出て駆ける。静鈴は借りパクしたバイクで。ルバリアさんは巨大人となるが、身体強化の魔術を使いバイクより少し遅れて。
他の面々はそれぞれが用いる最速の方法でだ。例えばネクロならば、ゴーレムを馬状に変形をさせている。八塩桜と八雲都自前の移動手段を持ち合わせてはいない。が、いがみ合いつつもバイクとサイドカーを出し乗った。
「うちが運転しはる!」
「お主は黙っとれ!お主が運転すると、危なっかしいたらありゃしないは!」
「うちが運転しはるから!」
「じゃからお主は黙っとれ!命が幾つ有っても足りんはボケ!」
「ボケとはなんよ!ボケとしゃべる方がボケや!こんクソジジイ!」
「クソババア!」
言い合い自体は収まっていないどころか、加熱しているが。手は出し会わないと決めているらしく、問題は無さそうだ。
「我が駆る馬は魔の獣 黄金の心の臓を持つ獣なり【召喚術・召喚:バヤール】っ!東雲、頼んだよ!」
『承知した』
彼らの上を跳び越し、鴉狐が乗る東雲が駆ける。前方では既に戦闘が始まっている。後方三人は大分出遅れた形となった。
「諸行は見ていられない…武人としての尊厳は送らない。来て、鈴鳴」
アイテムボックスを使った訳でもなしに、何処からとともなく刀が手の中に現れる。これと言った特徴が、鈴が柄に付いているだけの武器だ。
「散る花弁のごとき有り様ながら 向かうに魅せ果たす 鋼華静流花式・散華鈴鳴―――椿」
自らの魔術と剣術を用いた技が放たれた。刀を納めると鈴が鳴り、周りを囲んでいた敵の首が綺麗に落ちる。まるで、真っ赤に咲く椿が落ちたように。
「散る花弁のごとき有り様ながら 向かうに魅せ果たす 鋼華静流花式・散華鈴鳴―――鈴蘭」
それは椿の技と違う結果を敵にもたらした。人に依って様々だが、嘔吐や頭痛にめまい、血圧低下、心臓麻痺が起こっているようで動けない。処置が出来なかったのなら、いずれ死んでしまうだろう。静鈴はこの二つの技を使い、敵の数を減らしていく。
他方、ルバリアさんはその巨体で敵を薙ぎ倒しながら進む。敵にはジャイアントキラーや同じ大きさ者がいなければ、ただただ草を踏み歩く気軽さで刈られる。遠くから攻撃しようにも、身体強化の魔術や専用の装備で防がれるだけ。未だ、ブレスやら熱線を放つ事が出来ないため、対策は立てられるだろう。しかし、混乱している敵には無理な話かもしれない。




