第八十話 さあ、速く。これに乗りなさい
抽出した単語に契約系の物は無いから、使えるのは召喚の出れだけかぁ。結構な時間を使って得られたのが、一つと言うね。泣くぞ?この体に相応しい方法だぞ?泣きじゃくる駄々っ子みたいになるかなぁ。時間と体力の浪費しか、しないんだけどね。こう、ストレス発散の為にティタンに乗ろうか否か。でも作業が…。下手な考え休むに似たり!ルクハの所に突撃だー!
「鴉さん。進捗はどうです…か?蠢く触手を使用して、こちらに来ないで頂きたいです。非常に迷惑なので。ティタンですか?現在は改修中なので、動かす事さえ出来ませんが」
あらら、軽くあしらわれたよ。だけどめげない!何か乗りたいから!東雲も良いのだけれど、機械を操る事をしたい訳よ。バイクとかない?
「勿論ありますよ?少々維持費と開発費が嵩み、価値が高くなりましたが。自信作です」
「お、どんな感じ?」
「そうですね。見てからのお楽しみ、と言うことにします。実際口頭説明では、分かり辛いと思いますので」
よっしゃ!生産陣のドッキリが心配な事以外は不安無し?まぁやることが、一線を越えてはいないけど過激だし。中身が基本的に子供の頃みたいな好奇心が旺盛だしね。気になったらトコトンやってみる所がかな?
そこが一番の問題点なのだけども。じ、人体実験の対象にされたりしない?一線を越えるから、多分大丈夫だと思うけども。
「こちらになります。ラフロード対応ツアラー型バイク、ゼロ世代のRTT-00です」
おお!か、カッコいい!…そう言えば俺、免許は持っていなかったような…。れ、練習すればいけるし!壊さないように気を付ければ…いける?
「このバイクは少し、ほんの少しだけ特殊なので、乗り方の説明をします。それに練習にも付き合いますので」
「良かった~!ん?少し特殊ってなに?」
「ええ!少し寄ってください。爆発はしませんし、身に危険があるような代物ではありませんから。このボタンを押しますと、このように変形します」
えぇ、浮いてるんですけど?え、何?これの形がラフロードってことかな?更に変形を開始した、だと!?この形はボートに似ているかな。
「変形、好きすぎやしません?」
「複雑な物は研究のし甲斐があるのですよ。では、説明に入りましょう。最初に見たのは通常形態のロードモード。勿論機体自体がラフロード仕様なので、安心してください。二番目は少し浮くことで、地形影響を受け辛いホバーモード。最後に変形したのは、ホバーで安定し難い水上での使用を目的としたウォーターモード。次に欠点を述べましょうか。機能を詰め込み過ぎたので、一般のバイクよりも大型化してしまいました。これにより、リアルで使用している方は感覚が掴めない様で。かく言う私も、勝手が違い過ぎて断念してしまいました。更に、AIを積めていないので補助機能がありません。つまり、全てを自らで対処しなくてはいけない、マニュアル操作です。昨今のバイクを使用している方には、少し辛い仕様でもあります」
なんてこったい!きつそうだったら、術式の抽出作業を頑張らねば。若しくは、生産陣がAI開発を頑張ってくれると信じよう! 機剣と言う変形機構を持つ剣作れるんだ、技術力結構高くない?まぁ、精密基盤とか作れないし、自動化した大量生産用の工場何てものは未だ未だだけどね。
初期に作られたコンピューターの原型 なら、先人の軌跡もあることだし、作られていそうだけども。そこからAIに至るには、長い道のりが必要そうだなぁ。ボチボチ進めていけば良いかなぁ。出来るだけ早く欲しいけどさ。
「では、説明も終わりましたので、試用運転に行きましょう。コースは用意しておりません。なので、早速ラフロードで運用しましょうか。ええ、不慣れでも私が手伝いますので。さあ、行きましょう!データ採りの為に!」
遂にこいつ、本音を隠さなくなったよ。まぁ、俺も楽しくなれそうだから、別に良いけども。やっぱり関係性って大切だよね。win-winが一番かな!じゃあ、付いて行こうか。傍から見たら誘拐される少女か、補導される子供かな?どちらにせよ、良い印象ではないよねぇ。
「こちらがラフロードコースです」
「え?いや、何にも整備した痕跡すらない荒れ地ですが?ここで走れと?この三流すら烏滸がましい、初心者の俺に?新世代のオートすら乗ったことがないんですが!?勿論、旧世代のマニュアルもだけど」
「落ちつたようでなによりです。さて、そんな感想を漏らす位の土地ですが、屋外用の簡易風洞実験程度には使えますのでご安心を」
…えぇ?初心者のしの字すら掠らないのですが?VR系のゲームでは乗ってなくて、昔のゲーム操作でしかしたことのない俺が?ハハハハハッ!これは異なことを仰る。
「物は試しですよ?何、壊してもここで整備すれば良いのです。私が居ますから、完全に破壊する程度以外でしたら、修理可能ですから」
「言ったな!言質取ったからな!」
「では、どうぞ。早めに始めた方が身のためですよ?息抜きの為に来たのですから、本来の目的を忘れてしまうのは困りますので」




