表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
龍人な少女の召喚記~一人一人が主役な舞台の世界~  作者: スカイア=ライメト
第二部:クラン編 第三章:誰かが描く贄の戦争
83/114

第七十九話 時間経過、はようない?

 よし、術式の書き出しの続きを始めようか。類似する部分は読み方が分からないし、意味も解明出来てないけど見つけ出せたよ。見たことない文字だけど、文字同士の組み合わせに単語の列び順で何とかって感じだけども。いかにあの魔術書と魔術本に使われてる、専用紙の偉大さが分かった気がするよ。少し使わせて貰ったんだけど、初めてでも分ると言うね。

えっと■■と■■、■■■■■ ■■■■、■■■■ ■■、■■、■■■ ■が類似点で、他の単語を省いたこの大まかな六つの塊を、並んでいた順に描いていく…。模写をして読んでみてッ!

「ツッ!すわッれ、るッ」

 ま、魔力が体感で分かる位に減ってる。ど、どうしよう?取り敢えず、破く!

「クッ、ハァハァ」

 と、止まった、かな?今度からセーフティ付きの紙が存在してたら貰っておこう。今みたくうっかりで死んでも、悔やみきれないからね。何時ものは蚊の口に似せた針なのに、さっきのは旧式の注射針みたく痛みを伴いつつ持ってかれたよ。結局、術式は失敗かぁ。単語を並べただけだから、意味が成立していなかったのかな? 

 もう一回やってみようか。魔力の流出を減らしてね。さっきは量が少なくて失敗しなくて良いように、無制限にしていたからさ。頑張って制限設けたら、分かるようになるかな?描き描きっと。ある程度意味は作られてるけど、明確な対象が無いから失敗したのか。共通で対象指定となると…この■■かな?明確ではないけど。

 抜いても変わらないかなぁ?対象に簡易召喚の魔に属す物(わがしもべ)を、代替単語として入れてみて使えたら色々分かるかもね。よし、描き換え完了!さてさて、どんな感じになるかな?成功か。正確な名は分からないけど、この単語が対象指定になるわけだ。二文字の単語があるけど、違うものだね。組み合わせられている文字が違うもの。 

 知っている術式を手当たり次第に入れてみようかな?当てずっぽうだけど、何時か当たる筈。似た物も在るしね。

何処に居るは魔に属す物が一つ 魔力を通して(かえて)(いと)繋ぎ(つむぎ) 今一時契約(じが)為す(ほだす) 我が僕として出れ 【簡易召喚・魔物】から召喚に関する術式を取り出したいから、あり得そうなのは今一時から最後までかな。

 ここから更に削っていけば…。契約と出れが残ると。直ぐ終わったーって、時計見たらゲーム内時間で三時間経っていたと言うね。クッ俺の満腹度と渇水度が危険域に!

「可能性の子よ【召喚術・召喚:スライム】。食堂に連れてってー」

『?』

 おっと、知らなかったか。指で適宜方向示したら分かるやろ。

「あっちー」

『!』

 あ、藍紗が居てくれて助かった。室内で動かせるのは他に〔黒の武者〕と〔白の武者〕、不知火、東雲、白蓮がいるけど、乗るのに不向きなんだよねぇ。東雲は小さく成らないと行けないし、掴まなきゃいけないから!武者達は揺れるし、不知火はそもそも実体が無いし、白蓮は病人以外ノーサンキューだからね。

 その分、藍紗は揺れが少ない、大きさをある程度変えられる、ソファーみたいに寝転がれるからさ。凄く優しいし!良い子だなぁ!お、美味しそうな匂いがするぞぅ!

「あらまぁ。どうしたのかしらぁ?鴉ちゃん」

「ゲージが危険域に。何か頂戴?」

「良いわよぉ。ほら、ここに座ってねぇ。はい、どうぞぉ」

 あ、ありがてぇ!ホッカホカに温まっまってやがる!天使的だぁ!

「嬉しいわぁ。それに、パロネタ出してくるようになったしねぇ」

 なぬぅ!心の声が漏れていやがった!まぁ、このシチューが美味しいのがいけないよネ!藍紗の体ってヒンヤリしているから冷えるのよ。だから、温かいこれは丁度良かったからさ。

ルーを使ってないのにこの完成度、何で作っていたのだろうか。

「リアルではゆっくり作れないからよぅ。あっちで二時間休めば、こっちでは六時間も出来るのよぉ?肉体的疲労を回復しながら、精神衛生を保てるのは素晴らしいとは思わないかしらぁ?」

 精神的疲労はどうしたんですかねぇ?まぁ、こっちを趣味の時間に当てれば、より長く楽しめるのは利点だけどさ。料理とかなら良いけど、ゲーム・アニメ・漫画・ラノベオタクの俺は普通に遊ぶ!だって、コンテンツがそもそも無いから!

 楽しむ以前の問題じゃないから!小説なら少し高めで売ってはいるけど、純文学とか読まないし。面白そうなのがあったら読むけども、基本はラノベな人だから。

「ご馳走さまでした。ありがとね」

「気持ちよりもぉ。手伝いが良いわねぇ?」

…そう来たか!クッそれじゃあ研究が捗らないよ。あ、こんな時に便利な武者達を。

「黒き三の力よ【召喚術・召喚:黒の武者】。白き三の力よ【召喚術・召喚:白の武者】ッ!」

「ありがとうねぇ!」

 クソぅ!嵌められたよ。俺はルバリアさんの掌の上で踊らされていただけかな。これじゃ俺はただの道化か。いや、ルバリアさんが人を上手に操れるからかな?とは言え、武者達が本格的な料理を覚えてくれたら、旅が楽で調理の手間が省けた物になるかも知れないから、win‐winだけども。腑に落ちないのが心残りだよ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ