第六十九話 作戦会議
久しぶりの迷宮以外の景色だね。いやー疲れた疲れた。まさかここまで鬼畜難易度だったとは。〔竜国〕で色々と学んでなければクリアすら出来なかった気がするけどね?鋼鉄の船って他の国で見たことすら無いんだけど気のせい?
「皆、会議室に集まってくれ」
通称が円卓の間じゃなかったっけ?それでいいのか。まぁ、かの騎士たちに比類するような実力は無いから別に良いけどね。
「早速なんだが、拠点の位置を移動したいと思う。理由としては今後、活動を大きくするために〔竜国〕ではこれ以上の土地は借りられないからだ。それに規模としてはいずれ町に発展させたいとも思っている。アオナガさんに聞いたところ、一様存在する国際法では土地を開拓した者にその土地での権利が与えられるそうだ。加えて未開拓地は未だある。しかし大抵は強力な魔物、つまりは聖獣や最悪には神獣の領域になってしまう。俺の考えている規模によっては人員も足りなくなるため、各々が役割を決めて行動したいのだが…」
「賛成かな」
「良いと思うわぁ。目標決めて行動した方が良いしねぇ」
「賛成の者は挙手を。反対するものは意見を」
「一つ質問だ。良いか?」
「勿論です」
「貴様は何を目指している?最早それではクランと言う範囲を越えている」
「俺は聞いたのですよ。英雄に」
「ほう、して内容は何じゃ?教えてくれるかのぅ?」
「爺、黙ってくれやらん?」
「うっさい女狐!儂も被せた質問ぐらい良いじゃろうて」
「話ん腰を折ってかんにんなぁ」
「ぬぬぬっ!」
「彼は自らが王と名乗った。それにある国の始まり血であるとも。この世界の神は彼に言ったそうだ。己で動いた者に権利があると。そして俺にアドバイスしてくれたんだ。国を造るのは面白いと最高に楽しく、成功した暁には相応の…」
「ふむ。そうか、貴様は国を造ると言う。だが、国とは民が居なければならないものだ。そして、命を背負うものだぞ?覚悟は出来ているのか?」
「とっくに。成し得ないことをするのが醍醐味でしょう?アオナガさん?」
あるぇ?いつの間に居たの?気付かなかったんだけど。気配を消すの上手過ぎやしませんかね?レオナさんは居ないみたい。
「フッそれでこそだ。良く吠えた、実に面白い。ある程度口を聞いても良いが、望まぬのだろう?」
「それでは俺の覚悟が無駄になりますから」
「そうか。貴様に 不運が訪れんことを願うよ」
「?ありがとうごさいます」
アオナガさんの行動がよく分かんないね?それに普通は幸運を祈るとかじゃない?まっ気にしても仕方ないか。それよりも今後の方針を決めないと。
「今回は二班に別れる。一つ目は開拓班、二つ目は奴隷売買だ」
おっと。回りが気色ばんだよ!?い、一部に濃密な殺気が…!何か空間が歪んでるんだけど。見た事あるなぁ?何だっけか…陽炎かな。
「買うだけかしらぁ?それともぉ…奴隷狩りか?」
怒気と殺気の濃度が上がって歪み度合いが高まったぞぅ!?え?俺はどうなんだって?盗賊からやればいいじゃない。人数は少ないかも知れないけど、資金と物資が手に入って一石二鳥だからね。
「いえ?勿論商売の方ですよ?あぁ、それに鴉が盗賊を襲って奴隷を得たとか」
矛先がこっちに来たぁ!?酷くないかい!犠牲は一人で十分だと思うなぁ!さ、殺気が怖すぎる。…あぁ、ちびりそう。
「ああ、ファヴちゃん達のことねぇ。別に疚しいことしてないでしょ?」
冷静なルバリアさんが居て助かったっ!和らいだぁ。はぁこわ。濃厚な殺意が向けられると軽く死ねそう。
「初期の頃金欠で盗賊を襲おう!と思って行ったら、この国まで連れていく依頼を受けまして」
「ほーん」
絶対信じてない声音だよね?本当だから、嘘じゃないから!…必死に弁明を重ねていく毎に疑惑が増していくこの感覚…理不尽!
「鴉ちゃんの言ったことは本当よぉ。私が証明するわぁ」
え?何?俺、そんなに信用ないの?酷くないかい!?ルバリアさんの一声で解決とかないわぁ。ネカマしている時点であれなのか?
「話を戻すが、買い付け先は〔聖国〕の予定だ。理由としては、国自体が衰退の一途を辿っているので安いこと。それに加え攻略組がキナ臭いと情報を上げていること、何やら運営が戦争系のイベントを出すと言う情報が解析班の方から出ているためだ」
「人命救助ってことか」
「まあ、その側面はある。無論、人員確保が優先的だが。次に開拓の中心地は地図のこの辺り。大きな湖がある一帯を予定している」
「ひ、広いのです!こんなの無茶なのですよ!それに労働力の住まいはどうするのです!」
「それにも考えはある。鴉狐、精霊の武具を換装させるさせることは可能か?」
「ん?勿論だけど…。ああ!成程。斧とか鶴嘴にでもするつもり?だったら上質なやつが良いかな。良い物であればあるほど強化されていくからね。それに特性も与えられるかもしれないから「少し止まれ」おっとごめんね」
えーもっと喋りたかったのになぁ。何かを見つけるのって楽しいよね?これが研究者魂かな。レオナさんの説明したがりが分かった気がする。
「という訳で拡げることに関しては問題ない。ネクロと生産陣、家を作れるか?」
「…ん。問題無い。プレハブ工法に近い形が効率が良いけど」
「こちらも同じです。ダンジョン探索では早急性が重要視されていたので、あのような形として出しましたが…生産コストとしては悪過ぎて涙と笑いが出るほどですね。つまり報酬や覚悟が無ければ倒産覚悟の赤字とだけ」
「と言うわけだ。そして俺にも切り札位はある。この結晶を見てくれ」
おお、赤にも青にも見えるけど決して紫にはならない、不思議と透明で硬く堅い金属みたいだね。これが何か切り札?に関係あるのかな。
「これはダンジョンコア、迷宮の心臓であり脳味噌でもある中核だ。何が言いたいのか、あのイベント迷宮を再現出来る可能性が存在する」
「成程、合点がいきました。最悪の場合これを使って素材を狩ると言うことですね?」
「ああ、既に攻略情報が上がっていてな。プレイヤーの四分の一程は所持しているそうだ。未だ詳細な情報は出回っていないが、もしあそこが再現できるのならば頼もしい事この上ないだろう?」
来週からリメイクの投稿を始めます。この小説とは別枠で。その期間中はこちらの小説の投稿は止めそうかも。




