第五十話 触手はエッチい(白目)
よし、スキルの修練が一段落ついたし、トレントが生え変わったから続きの投斧をやろうか。投げる以外にも複数操作の練習のために〝斧状触手〟を二本、操作してみようかね。
それに、複数の触手を一本の触手として関連付ける方法が出来たから、それの修練も兼ねてね。
「可能性を秘めた子は 我が下にありて【召喚術・召喚:スライム】藍紗、目印付け宜しく」
『・・・』
いやー蠢いている大量の触手ってエッチいよね(白目)。・・・やっちまったよ!調子に乗って操作量を増やし続けてたら、魔力が枯渇に近くなって死にそう。枯渇に近づいたら触手は消えたし、藍紗も強制送還されたけどね。
際限なくやったからさ、現界を見極められて逆に良かったかもしれないね。頭痛に吐き気、目眩、倦怠感が一度に襲ってくる感覚はもう味わいたくないよ。
さて、戻るとしますかね。十二分にトレントは伐採出来たし。え?契約はしないのかって?トレントは魔物だからね仕方が無いね。知恵あるモノじゃないと契約が執行出来んのよ。
森の中を抜けまして召ぶとしますかね。
「我が駆る馬は魔の獣 黄金の心の臓を持つ獣なり【召喚術・召喚:バヤール】東雲宜しくね」
『承知した。して、新しくスライムが来たのだが新しい仲間か?主よ』
「仲良くして。名前は藍紗だよ」
『任された』
「ありがとね。また頼むよ」
『相、分かった。何時でも頼ってくれて構わん』
「召喚の門よ閉じよ【召喚術・送還:バヤール】」
さて、待ち合わせ場所に皆はいるかね。おや?ルクハしか居ないのか。
「鴉さん。終わりましたか?」
「まあね。結構な量を手にいれたし、時間が時間だしさ」
「私の方でも一段落ついたので、休憩をいれていたのですよ。そう言えば〔黒の武者〕と〔白の武者〕の装備は変えられるのでしたっけ?」
「似てるけど少し違うね。能力とか特性を使えるようになって、外観も変えられるようになるだけだよ」
「装備を作ったので変えてもらっても良いですか?」
「良いけど、取り外しは出来ないよ?力として取り込まれるから」
「ええ、データ取りをしたいだけなので。悪いようにはしませんから安心してください」
安心できないねぇ。未遂が有るからね是非もないよネ!。
「召喚するのはどっち?」
「出来れば両方でお願いします」
「はいはいー【召喚術・召喚:黒の武者】【召喚術・召喚:白の武者】」
大丈夫かな本当に。アオナガさんの師匠に預けているのも居るけど、別の意味で不安だよ。
「早いな。召喚魔術の力と言った所か?」
「使ったのは召喚術だけど。そっちは?」
「出来る限りの事はしたさ。ルバリアさんやルクハには及ばんさ」
だろうね。生産職どうしでの繋がりと、ルバリアさんのコミュ力を舐めてはいけないよね。あの人達が本気を出すと思うとかなり怖いんだけど?
建設予定地はここだっけか。〔エルドラド〕に程近い場所だね。建築は建設業者にでも頼むのかね?いや待て、ルバリアさんとルクハの格好がそれぞれの髪色のつなぎだぞ?
え、クラフティングでも始めるの?何時の間にか、預けた〔黒の武者〕と〔白の武者〕も混じっているし。今から始めるの?嘘でしょ。
「鴉さんは集めた木材を出してもらっても構わないですか」
「どうぞ。何処に置けばいいかな?」
「あそこの紐で囲われた場所に。はい、そこです」
結構在ったのね。
「太く長い木材が必要なので、五本ほど伐採してきてもらえませんか?」
「いいけど、場所を知ってるの?」
「はい、トレントの森の深くに上位のトレントが居ますので、それをやって下さい。根本は破壊してはいけませんので。許可は取ってあるのでご心配なく」
マジかー上位種とか不安でしかないんだけど。魔獣クラスのトレントでしょ?手伝える事は無さそうだし、行くとしますか。
「我が駆る馬は魔の獣 黄金の心の臓を持つ獣なり【召喚術・召喚:バヤール】東雲宜しくね」
『先ほどと同じ所か?』
「うん。お願い」
『心得た』
さて、森に着いたのだけど、外観が変わってるんだけど?そこまでの時間過ぎてないよ?
改めて見たら、視界いっぱいの木が全部トレントに変わってるとはこれ如何に。木ってトレントに変わるのね。
まあ、投斧すれば良いだけだから、楽ではあるんだよね。だけど、投斧に他の練習を兼ねると辛くなるけどね。
今回は、前回の失敗を省みて触手の量は抑えようかね。
「可能性を秘めた子は 我が下にありて【召喚術・召喚:スライム】藍紗宜しくね。何回も呼び出して悪いね」
『・・・』
うーん。爽快だね! 投げたら投げただけ倒れていくからね。目印も数本を残して、付いているだけだからね。目印いるかな?
いや、普通の木は残さないといけないから、在った方が良いね。関連付けと長距離投斧の練習で二つ同時にやるのが、難し過ぎるのですが。
やろうと思ったのは俺だけどさ。まあ、こういう練習は楽しいからいいけどネ!ただ、魔力がガンガン減るのが難点だよね。