第四十五話 くぁwせdrftgyふじこlp!本当何やってるんですか(呆)
「これから教える模造召喚魔術書の召喚術式について教えてなかったね。模造魔術書自体は複雑且つ強力な魔術書を単純化し、複製したものよ。元々模造魔術書は元の魔術書が複製出来ないから作っただけだし。模造魔術書を呼ぶ時は、魔力で形創らなければいけないから、そこが留意点よ」
「私ー今手空いてるー?」
あれ?レオナさんと同じ人が居るぞ?姉妹かね。
「今空いてないから。夜はアオナガの驕りだからねー。念話を改良しようかしら」
「分かったー」
「え?今の誰です?」
「私だけど?ああ、不思議に思ったのか。魔術的な複製よ?複製の魔術を深めれば深めるほど出来るようになるからね」
成程?サッパリ分からん!
「さあ、続きを話すよ。その模造した魔術書を瞬時に手元に呼び寄せる術式よ。今回呼び寄せる模造魔術書はソロモンの小さな鍵。七十二柱の悪魔の書や十二柱の天使と七十二柱の悪魔の書、十二柱の星霊の書、大星霊の書、祈りの書の五部を合わせた大魔術書の模造書よ。元の魔術書は五部がこの本と同じ大きさに纏められた、空間魔術併用の魔導具になってさえいる本よ。はい、魔術本。一頁づつ読んだ方が良いよ?一頁読んだだけでも頭痛する人が居るようだし」
「あ、はいー」
うお。確かに一頁だけで、かなりの情報量があって頭の中がパンクしそう。この魔術本、何処ぞやの国語辞典も吃驚の分厚さなんですけど!?
「じゃあ、終わるまで席外すから」
「分かりましたー」
さっきの人の所に行くのかね?
●◆●視点変更●◆●
研究所の一室に若く見える男女の姿が見えた。
「さてと、念話を使ってまで私を呼び出した理由は何よ。アオナガ?」
「来訪者の相手をしているのは知っているだろう?その時に君の使い魔が飛んでいるのを本体が見ていてね。並列思考は得意では無いんだ。感覚共有ぐらいしか共有出来ないからね」
少し苦笑いをしながらアオナガの分身は答えた。
「それについては知っているよ?使い魔は王に報告しようと思ってね。浸食欠陥怪物獣型が創命工場から召喚された」
アオナガの分身は眉を顰め、不快感を押し殺しながら呟いた。
「綻びか」
「いや未だだよ。一年位で綻ぶとは思うけど。報告入ってないの?」
「いや来てはいる、兆候も見え始めてはいるさ。唯・・・」
アオナガの分身は何か言いづらそうにしている。
「唯何よ」
「管轄外だからだよ。俺の今の担当は〔聖王国〕の国教〔聖天教〕の暗部が一つ、蒐集機関の遺産撲滅教会の動向把握だけからさ。他の機関に表部隊に関わるのは越権行為だからな」
「なんで撲滅なのよ、蒐集しかしてないじゃないよ。それに何時の間に担当が変わったのよ」
目が呆れを呈しながらレオナは肩を竦めた。
「騙すのに丁度良いかなって。いやーやらかしてさ?変えられたんだ」
「はあ」
「君に呆れられる筋合いは無いと思うんだけどね?」
苦笑いをしながらアオナガの分身は話した。
「良いじゃないよ」
「それもそうか。本家の方には連絡をしたのかい?」
「するわけ無いわよ。神に端から縋っている連中よ。折角あの家から出ていったのに、今更連絡をする筈が有ると思う?嫌な事思い出させないでよ」
レオナが間を置いて紡いだ言葉は、嫌悪感を隠そうともしなかった。
「すまんね。君のお気に入りの子をかまってあげないのかい?」
「おや、もうこんなに時間が過ぎてたの。夜、アオナガの給料で食事するんだけど来る?」
「俺の金でもあるし、分身体は食事はいらんだろう。ほぼ霊体で在りながら食事を取る君の分身体が可笑しいんだよ」
肩を竦めながら、世の無常さを嘆いているようだ。
「ほら、娯楽は必要じゃない?分身体と言えども欲求自体は存在するのだし」
「よく分からないな」
「あばよ!」
「今更だが言葉遣いを改めたらどうだ」
●◆●視点変更●◆●
半分も読み切れないね。如何したらいいのやら。あたまのいいひとおしえてください!
「そんな君に解決方法を教えに来たよ!」
「あ、結構です」
「何でよ!私頭良いよ!」
「何で心を読んでるんですか」
「読心の魔術よ」
ワー魔術ッテ便利ダナー
「便利だよねー。さて、魔術本を読むコツだけど本を読みながら。通常の本と同じ様に文字を読んでみるといい。何文字かは既に読めている筈だからね。読みながら読むと効率が二倍だよHAHAHA!」
それが出来ないから思ってるのにねえ!
「まあ、頑張りなよ」
どや顔がウザい。烏頭と同じぐらいにウザい。
「肩に手を置かないで下さい」
「釣れないよ。美少女が言ってるんだぞ!喜びなよ!」
「俺も美少女ですよ」
「俺っ娘か悪くない。さあ!悪戯をしてやるよ!」
「何言ってるんですか。ちょ、やめ!くぁwせdrftgyふじこlp!」
色んな所触りに来やがったよ!中身おっさんかね!
「良いではないかー良いではないかー。っと冗談はさておき頭軽くなったよね?」
「ぐすん。え?ええ、まあ」
「馬鹿な事やって一旦頭を落ち着かせるのも大切よ。固定観念に囚われ易くなるからね」
ニヤニヤ笑いながら言わなきゃカッコイイけどネ!