第三十九話 大分端折られた感ある旅
如何してこうなった?
「おい、黄昏てんじゃねよ。俺も現実から逃げたいよ「え?仮想って気づかなかったの?」いや、知ってるからな?」
ほんとにねー。この国に入って、次の町行くぞー!って夜中に出たら、馬車が急に浮遊感を感じてね、如何した!ってなって外を見たら周りが空なんだよ。地面も無いし、飛行船じゃ無いんだけどなーって現実逃避してたら、不知火とか東雲みたいな念話が聞こえてさ『姫様を返しやがれ!』って怒鳴っててねぇ?一瞬何の事か分からなったけど、王族っぽいのはファヴしかいないのを思い出してさ、把握したよ。竜種が来たんだとね。事情は説明したよ?納得はして貰えたかは分からないけどねぇ。
「何処に連れてかれんだ?」
「多分だけど〔竜国〕だと思うよ?」
「まあそうか」
因みに、このゲームには竜には二種類あって、竜種と龍種だね。基本的に竜・龍種は属性に属しているよ。龍の方は東洋龍の形をして、竜の方は姿形が属性毎に変わってるね。
俺は、基本の四属性かつ最もスタンダートな竜しか知らないよ?火属性は四本脚に竜翼が生えている赤い鱗が生えてるよ。水属性は足が退化していて、首長竜に似ていいるけど、青い鱗が生えているね。風属性は鳥に似ていて、鱗の代わりに強靭な緑色の羽を生やしてるね。土属性は四本脚で翼が生えていないよ、鱗の代わりに硬度の高い鉱物が備わってるね。
何でこんなに詳しいかって?ファヴに教えて貰ったからだヨ!
竜・龍種は上位、中位、下位にランクが分かれてて、下位になるとワイバーンとかが有名らしい。下位竜・龍は畜生並みの知性しか無いらしく、人間から見る猿に等しいらしいよ。だから、偶に食料にするらしい。って馬車を持ち上げてる竜が言ってたよ。しかも、竜・龍種に下位竜・龍の名前を言ったら、侮辱の言葉と受け取り、直ぐに襲いかかって来るってさ。怖いねー
「なあ、その腕の中に居る生き物何?」
「え?お馴染みの東雲だけど?」
浮いてるからネ!仕方が無いよね。後、周りに白蓮がU字状になってて、その中に座ってるよ俺が。冷たくて気持ちが良いけど、硬くて体が痛い。
「縫い包みみたいな大きさのが?」
「スキル使ってるから」
「成程ね」
俺と烏頭以外の人は如何してるかって?ログアウトと寝てるだけですが何か?
「後どれ位で着きますか?」
『二日ぐらいだ。黙っておれ』
「はーい」
竜・龍種の巨体が如何やって飛んでるかって?身体強化と浮遊、飛行、加速の魔術を使ってるらしいよ。この竜何だかんだ言って、結構色々な事教えてくれるから有り難いね。〔竜国〕に着いたら〈召喚術〉について教えてくれるらしい。
因みに、術って種族固有のモノ以外魔力さえ有れば、得意不得意あるけど誰でも使えるらしいね。竜・龍種も種族固有の魔術が有って、竜・龍魔術って言うよ。竜・龍に在りがちな息吹とか咆哮とかは竜・龍魔術で出してるってさ。
後で適正が有るか分からないけど、身体強化と浮遊、飛行、加速とかの様々な種類の魔術を教えてくれるってさ。全員に。
魔術は総称でスキル欄に載ってる〈魔術〉のスキルは属性魔術の事らしいね。まあ体系化されていて、召喚魔術とか神聖魔術とかだね。〈召喚術〉も召喚魔術をスキルにしただけだってよ。
スキルは熟練度を示すだけの表示だってね。まぁ分かり易くてとても良いけどネ!
『着いたぞ。追って指示が有るまでそこの宿で休んでるが良い』
おーここが〔竜国〕の首都だと思われる〔エルドラド〕か。山脈に囲まれた都市だね。宿は石と木を使ってるだけの普通な造りだね、ただ雪国とか山岳地域の造りに近いかな。
此処の都市に見える限り居るのは〔竜人族〕かな?ファヴみたいな見た目だし。但し戦闘好きでは無さそうだけどね。
折角なんだから魔術を教えて貰いましょうか!
『はぁまあ良かろう。〈竜化〉も疲れたしな』
男?いや中性的な顔立ちで分からんぞぅ!
「その疑問に関しては男だと答えておこうか。さて、魔術と言ってもそこまで変わるものじゃない。術式を見て分かり、使えれば良いのだしな。まぁ例外は何処にでもあるがな。では、最近の魔術は詠唱を省く傾向にある、何故か分かるか?」
「戦闘時に使い易くするため?」
「そうだ、詠唱も時には必要だが基本簡略化して省く。魔術は魔力さえ有れば誰でも使えるからだ。例え前衛職でも使えるぞ?少なければ大規模な魔術は使えんがな。だが、小規模でも使い方次第で幾らでも化けるからな」
「よょしゃ!」
何か烏頭が喜んどるで。
「ああ、だが喜んでいるところ悪いが、前衛職には身体強化や加速等の体内完結系魔術しか教えられないぞ?元々魔力自体が低いからな、体外放出系魔術は魔力を多く食らう傾向にあるしな。多種多様な魔術を覚えても使いモノに為らなければ意味が無い。前衛職はあくまでも前衛であり、魔術士や魔術師では無い。魔術使用者と言っても良い位だ」
うずはおちこんでいる!まぁ多分だけど火炎弾みないな派手なモノが使いたかったのかね?
「魔術士と魔術使いの違いは?」
「魔術士とは魔の真理を探究し、至り、その先に魅いられ、さらなる探究をする者達の事だからな。それに対して魔術使いは魔術を唯使う道具としているだけ、探究もしない者達だからだ。そう言う意味では俺も魔術使用者だな」
成程ねー。
Fateはとても良い文明。え?サンタさんしかいませんよ?