第四話 契約!〔黒の武者〕
さて、ギルドに登録も済んだし最初期の召喚獣を手に入れようとしますか!
召喚術は〔精霊族〕や〔魔獣〕〔聖獣〕〔神獣〕と契約して、力を貸して貰うらしい。力の貸方、契約方法は個体で違うらしいね。術士系ではまだマシな方らしいけれど。
最初期の召喚獣は〔黒の武者〕〔白の武者〕〔黒の騎士〕〔白の騎士〕と言うらしい。武者か騎士、違う色同士しか契約で出来ないようだね。
例えば〔黒の武者〕と契約したら〔黒の騎士〕〔白の騎士〕とは契約が出来ないし、逆に〔黒の騎士〕と契約したら〔黒の武者〕〔白の武者〕とは契約が出来ないそうだ。
また、〔黒の武者〕〔白の武者〕〔黒の騎士〕〔白の騎士〕は自力で最初から最後まで倒さなければ、契約出来ないらしい。おい、術士だぞ?死ぬぞこら。
〔精霊族〕は自分の属性や縁にゆかりのある場所に出現する。その中でも〔黒の武者〕〔白の武者〕〔黒の騎士〕〔白の騎士〕の〔精霊族:武具系付喪神〕は戦場跡に出現するらしいね。
この〔和国首都:瑞穂〕から一番近いのは〔血河原〕と言う戦場跡だねぇ。
早速行ってみるか。
一面赤褐色。そんな言葉しか浮かばないな、しかも所々に赤褐色の川や池あるし。まぁ、血河って付いてる時点で当たり前か。うぇぇ。此処でどんな戦闘や戦争が在ったかは、想像出来ないな。想像力が乏しいだけかもしれないけど・・・
ん、あれが〔黒の武者〕か遠くで見えにくい。姿は・・・全身黒いしか分からないな。身長は結構デカそう。見える範囲での武器は槍と太刀?・・・かな?強そう。
やべぇ、倒せるか分からない。だけど、挑戦って大事だよね。じいちゃんに習った剣術、今でも使えますよう・・・に!
武器は槍、太刀、脇差か。だけど・・・太刀は竹光だし、槍も脇差も鈍刀、剣術も拙いから、簡単に捌ける。此れ契約する意味・・・ある?
ま、まあ戦術を広げるのもあ、あるし?あった方が良いと思う・・・多分だけど。せっかく召喚術士選んだんだし?試す価値はあると思う・・・よ?
良い所は・・・あるよ?膂力とか速度とか耐久力とかね?
「はぁーーーーっ!」
うし、あと一歩で倒せそう。
パリンッ!
[鴉狐のレベルが5上がりました]
ガラスの割れる音がし、青い粒子となって消えたな。レベルが5上がるなんて結構な格上だったんだな。たぶん、これで契約出来る筈。出来なかったら泣ける。確か、契約の仕方は・・・
「【召喚術・契約:契約の刻印】」
「契約〔黒の武者〕」
よし!出来たな。さて、早速召喚してみましょうか・・・ええと、確か[ステータス]のスキル:〈召喚術〉をタップすれば良いんだったけな?
お、出てきた。
〈召喚術〉
契約召喚獣
〔黒の武者〕
これの、〔黒の武者〕の部分をタップすれば良いんだったけかな?
あり?何か、〔黒の武者〕のステータス画面が出てきたぞ?此処から如何すれば良いんだ?まぁ色々調べてみるか。
調べて解った事は、召喚するには鍵言葉を必ず唱えなければならない事、また、召喚するには相応の魔力を使う事。〔黒の武者〕の場合5だね。
召喚獣にも経験値やレベルが在って成長が出来ることだね。今現在ではこんなもんか、使いこなしていくうちに何かしら分かるだろう。
後、召喚するには発動工程があって、出現位置の指定、召喚獣の選択、魔力の消費、召喚術を完全に発動するために鍵言葉を唱えることだね。又、意思の無い〔下級付喪神〕は、戦闘中に行動の指示を頭の中でしなきゃいけない、面倒な。
まぁ趣味関連には、頭の回転が速すぎると定評だからな。頑張ろう。
では、早速召喚してみるか。
出現位置は自分の隣、召喚獣の選択は〔黒の武者〕、魔力を5消費して召喚っと。
「【召喚術・召喚:黒武者】」
行動の指示は、待機で良いか。
おお、デカい。私より圧倒的に。まぁそうだよね。近くで姿を見ると、全身黒い甲冑姿の鬼面武士だな。しかも、目が在る筈の場所には赤い光が在って、地味に怖いな。
指示出しながら戦闘出来るかな?これから〔白の武者〕と契約しようと思うんだけど。
・・・机上の空論になるから、此処であれこれ考えるのはよそうか。実戦に勝る経験は無いって言うしな。行くか!