第三十八話 焼き討ちじゃ!
「そう言えば鴉狐さん」
「ん?何か?」
「髪型が何でそんなに、事ある事に変わってるんですか?」
「ルバリアさんが何時の間にかやっている」
髪がふわって舞ったと思ったら、変わってるんだよね。次は気を付けてみようかね。
「あ、はい(察し)」
「気づかないうちに髪型が変わってるからさ、本当何でだろ。ファヴ達も言ってるし」
「・・・(ルバリアさんが凄いのか鴉狐さんが唯単に、気付いていないだけなのか)」
「俺はハーフアップが好きだな!」
「いえ、聞いて無いです(髪型がまた変わった)」
何で今聞いたんだろうねぇ?
「そーい!」
少ししか飛ばなかった、解せぬ。今度は触手使って飛ばしたろ。
「何で投げ飛ばされたんだよ!」
「何でかって?そらぁまた、変な行動をしようとしたからに決まってるだろ!」
「理不尽!」
はっ!何とでも言え!
「いえ、そこまで理不尽では無いかと」
「私もそう思うわぁ。ぶっしーちゃん、貴方が軽率な行動をすると周りが迷惑するのよぉ?しかも私達が尻拭いをしなきゃいけなしねぇ」
「面目無いです。スミマセンでした、だからその筋肉隆々な腕を下げて下さいお願いします。何でもしますから」
「え?今何でもって「お前にだけは言って無い」えー」
何を此奴がやらかしそうだったかって?獣道に進みそうになったからネ!しかも街道から大分それた。
あるぇ?東雲さーん。何処を進んでるのかなぁ?俺には周りが森にしか見えないのですが、これは。
「東雲、今何処を進んでいると思っている?俺には町の裏道に見えるのだが?」
『先程まで進んでいた街道だが?』
「俺は、鬱蒼と茂った森の中に辛うじて見える獣道だな」
「キューン」
殴られて伸びてやがるね。このまま寝てるのではなかろうか。
「私にはSFに出てくる研究所の廊下ですね」
「私にはぁ、ファッションショーの会場前の大通りに見えるわぁ」
しかも、何で皆の見えているのが具体的で全部違うの?若しかして幻覚?ヘイ!HARA!知らない?
現代の幻覚も見えてるし。中世の世界が舞台だよね?
「フム、幻覚の様だな。魔術でもスキルで生成されてもいない、花粉か細菌による幻覚症状だ。見る者によって変わる幻覚か、面白いサンプルを取りに行く」
「おいまて、馬車から出ると見失うぞ?」
「フム、それもそうか。私は薄暗い洞窟の中に見えたな」
此奴の頭の中に何が詰まってるのか、見たいよ。知的好奇心の塊め。
「あれが原因ですね」
あの樹か草か何か分からい物が?
「フム、確かにあそこから生えている花から花粉が見えるな」
あ、確かに赤とか紫色の花が生えてるね。
「はい、あれは幻妖華と言う草ですね。しかも魔物化もしているようです」
「魔獣化は年月と力が足りて無いようだな」
へーあの樹を倒せば万事解決かね?
「倒しゃ良いのか?」
「いえ、倒そうとしても花粉が舞うだけですし、回復速度が速いようです。ですので、鴉狐さんに契約をして貰うのが一番早いと思われますね。戦力増強にも繋がりますし」
「そうなのかー「分かって無さそうだな」完全に理解したわ!」
してなさそーな顔してるな。
「試してみて出来なかったら如何なる?」
「その時は焼き討ちですね」
「え?何?」
「焼き討ちですよ」
さいで。焼いた方が速くない?あー水分があるのか。
『焼き討ちじゃあ!』
え?契約を試みた結果?見ての通り燃えてますが?契約をしようと思ったけど、成功しなくて攻撃を食らったから、不知火(人型)を叩き起こして燃やしました。
「汚ねぇ花火だなぁ!」
何時の間に起きたし。
「打ち上がってませんよね」
「雰囲気がさ、あるじゃん?「分かるけども」だろう!」
分かりたくも無いけどナ!
「幻覚も解けた事ですし、進みましょうか」
本当だ、街道で立ち往生していただけかぁ。東雲が結構移動してるように見えたんだけど、グルグル回ってただけかねぇ?
「東雲、なるべく速めでお願い」
『心得た』
さっさと進んで、ここで遅れた分を取り戻すとしますかね。いざ次の国へ!
「おー名前を忘れた、〔和国〕と〔帝国〕の間に在った中世の国に似てるー」
確かにねぇ。特徴があそこより少ない気がする。完全な内陸国だし、特産品も無いらしいしね。まだあの国は海岸が有ったから、新鮮な魚介類が在ったからねぇ。
特産品ね、強いて言うなら山菜とかかな?まぁ美味しいは正義である。健康に良いなら尚良し
「確かぁ少数民族が居るらしいわよぉ。未開の山奥の奥にぃ」
へー民族料理とかも良いよね。
「山奥に行くには時間を大幅に使ってしまうので、好ましくはありませんね」
「フム、先を急いだ方が良いのではないか?主殿?」
『主よ、私は悪路は行けますが馬車の方が持ちませんぞ』
あれ?顔に出てた?
「ウム、涎が垂れているぞ?」
おっとこりゃあ失敬。
「んー物資の補給したら、先を急ぐ?」
「賛せー」
「民族衣装は見てみたいけどぉ、送り届けるのが先だしねぇ。途中に在るなら兎も角ねぇ」
「そろそろ、竜の国の素材が見たくなってきましたしね」
「ウム、右に同じく」
『では、急ぐぞ』