第三十六話 ヒーラーが居るぞぅ!
〝霹靂〟の修練から始めようか。先ずは、単に落としてみる。自分を中心に座標を脳内展開し、視覚と合わせる。Z方向に十メートル、Y方向に十メートル、範囲はニメートル。魔力を5消費、発動。・・・先ずは成功だね、次に・・・・・・・・・成功、次に座標の全工程を飛ばす、成功。
段々と試行錯誤しながら慣れてきて、今は座標指定の工程を全部飛ばす事が出来たね。後は追々、戦闘時に使ってみる位かな。使い勝手は予想とちがって良さそうな印象だね。
次は・・・
「おーっす。戻ったよー」
「お帰り、如何だったん?」
「・・・ん、そこまで」
あー満足出来なかったんだね。
「此の位の魔物で十分かしらねぇ。あ!鴉ちゃん」
「ん?」
「魔獣を見かけたんだけど行かないかしらぁ?」
マジでか!
「答えはもう決まっている!行くとも!」
「そうでなくっちゃ!」
新しい召喚獣を増やしてみせる!
「どんな感じの魔獣だった?」
「鳥だったな「お前の事か?」いや、俺植物だし(名前的に)」
「今度から鳥頭で良い?」
「人の話聞いてた?!「いや聞いて無いヨ?」怪しい」
「ぶっしーちゃん、茶色の蛇よぉ?」
「やっぱりお前の事じゃねえか」
「じゃあ、ルバリアさんと行ってくるから皆は?」
「んー休憩してる」
「・・・行く」
「食事の準備を始めますね」
「手伝うの~」
「私もー」
約一名話を聞いて無いな、思索の海に潜ってるねぇ。この感じだと。
「ルバリアさん、魔獣はどんな感じだったの?」
「えーとねぇ。茶色い蛇で大きさは二メートルも在りそうだったわぁ」
それだけだと、無毒か毒蛇かさえ分からないね。
「その事しか分からなかったわぁ」
心を読んだかな?
「いや、有難う。中々魔獣とは出会え無いからなぁ」
魔物と魔獣の見分け方?同じ種族を無差別に襲うか襲わないかの違いだよ?
「早速行く?」
「早く行った方が良いと思うしねぇ」
お、あれか。確かに他の生き物がいても、むやみやたらに襲って無いね。クスシヘビに似てるかな?何で分かるのかって?w〇kiに載ってたから。
『ん?君たちは何者かね?片方はつい最近森に入った者に見受けられるが?』
この距離で分かるとかあれか、ピット器官かな?
『交戦の意思は無いようだが何故このような場所に?(敵意、殺意、害意も抱いていないか、何者だ?)』
「彼女は俺の付き添い人で、俺は〔召喚術士〕として貴方に契約をしてもらう為に来ました」
『ふむ、左様か。私は若輩者、数年前に魔たる獣に進み化けた新参も良い所だが?』
「俺は出会いを大切にしたい。例え貴方が若輩たる者であろうとも」
『奇妙な者も居たものだ。普通は古参と契約すると思うのだがな。まあ良い、付いて来い群れに案内をしよう、そこで契約をすると良い』
言外に俺とは契約しないって言ってるよね?
「有難う」
『着いたぞ。群れの名は無いが、アスクレピオスの蛇の群れとでも呼んでくれ。ああ、私が君にオススメの奴がいる。合ってみてはどうだ?紹介するぞ?』
ん?アスクレピオス?何だったっけかなーんー思い出せないな。
あれか?他の蛇に合わせたく無いのかね?群れと言っても、他の蛇なんて見えないし。
『此奴だ』
「ん?なんだこいつ等。人族に化けた巨いなる人族と龍に化けられない龍の人族か。何の用だ?」
白い髪、赤い目。アルビノに見られる特徴だね。だけど、この白衣の似合いそうな人は人間か?
「フム、人間と思ったか。そう思うても仕方が無い。今話している個体は唯の分身体だ、本体は其処に居る。何故連れてきた?」
『私と契約したいと言ってきたが、生憎契約するつもりは無かったものでな』
へー連れてきてくれた蛇より少し大きい位の白い蛇ね。アルビノ個体らしく、目は赤いねだから穴の中に居るのかな?
「契約と言ったな、〈召喚術士〉か。つまり俺が求めていたものだな?」
『多分そうだろうな』
「そうか。ならば彼方側も俺も望んでいると・・・フム、契約をしようではないか」
お、契約してくれるっぽいね。
「【召喚術・契約:契約の刻印】」
では早速ステータスの方を
[ステータス]
名前:名無し
種族:魔獣・アスクレピオスの蛇 基礎Le:20
スキル:〈神聖術:4〉〈医療:2〉〈薬学:3〉〈薬毒液:4〉〈魔力強化:2〉〈知力強化:2〉
固有スキル:《分身体:2》《アルビノ:8》
種族スキル:《アスクレピオスの杖》《ヒュギエイアの杯》
・〈神聖術〉回復を主に使う術の事。別にレベルが上がっても新しい術は覚えない
・〈医療〉外科内科問わず、科学的な根拠を元に体系化されたもの
・〈薬学〉薬に特化したもの。薬も過ぎれば毒となる
・〈薬毒液〉薬にも毒にもなる液体を生成する事が出来る
・《分身体》魔力を消費し、自らの分身体を作れるようになる。姿は変えられる事が出来る。レベルが高い程本体と同じ強さになる
・《アルビノ》視界悪化、日光脆弱の付与
・《アスクレピオスの杖》疑似アスクレピオスの杖を召喚し、回復量や回復速度を上げ、周囲の滅菌を行う
・《ヒュギエイアの杯》疑似ヒュギエイアの杯を召喚し、薬や毒の効果を上げ、周囲の滅菌を行う
やったネ!ヒーラーが来たよ。