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龍人な少女の召喚記~一人一人が主役な舞台の世界~  作者: スカイア=ライメト
第三部:建国編 第一章:傍観者足る過去の映像
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第百四話 ま、迷う

「そう。そうなのね。あ、用事が有るんだったわ。鴉ちゃんはそれを飲んだら、戻って練習しておきなさい。習得したら改良版を渡すわ。多分、その内出来てるだろうし」

「あ、有難う御座います」

 急ぎ足で去って行くな。忘れていたって顔ではない。と言う事は、話を続けたくないってことかな?…悲しく感じる。気を取り直そう。先ずは部屋に戻って練習しようか。ここのお茶は美味しかったな。多分紅茶かな?後味がスッキリとしていて、飲み易かった。

 …術式が使えるようになるまでは、不味くはないけど美味しくもない回復薬を大量に摂取しないといけないのか。辛い。

 ベットに寝転がりながらやろうかな。魔力を通して術式を読む。参考呪文は普段から使っている言語だから安心だな。

 肝心の呪文は"内に集めるは中空に漂う力の素 変えては己が使うに能う物"で鍵言葉は【仙人の霞】か。正式名称付きなんだな。魔素変換吸収術式と言う工程をそのまま文字にしただけの代物か。取り敢えず、一度声に出して詠唱してみようか。呪文全部と、鍵言葉はだけのバージョンでな。

「内に集めるは中空に漂う力の素 変えては己が使うに能う物【仙人の霞】」

 ん?確かに回復量自体は少ないけど、消費量が緩やかになった。続けて鍵言葉だけの挑戦だな。

「【仙人の霞】」

 これは…上書きされたか。重複で発動は出来ないし、鍵言葉だけだと回復量が落ちると。でも、常識発動型だから掛け直しは必要ない。そんな内容が裏面に小さく分かり難く書いてあった。…実践は大事だから問題ない!……この敗北感が憎たらしい。

 さて、説明書付きとは分からずにやっていたけど、物には出来たかな。この魔導工業用魔術。これを魔道具にしてもらえれば楽になるかな?変換先の指定をどうやるのか分からないけど、出来たら手間要らずになる。確か、属性魔術で範囲とか座標の指定があるから、それを応用して対象指定に出来ないのだろうか。

 そんな訳でまたもや来ました、我がクランの研究施設に。魔術の組み換えは確か、鋼翼さんが取り扱っていた筈だ。鋼翼さんは詠唱に使う呪文や術式に描かれている魔術言語は、プログラミング言語と同じだから自由に組み換え出来る。だから、同じ効果の魔術を違う言語で詠唱しても問題がない。と提唱してたな。

 このゲームの魔術は作り込まれてて、かなりの恐怖を感じる。…何かしらそう言う系統の学問が出来そうだな。

「おぉ!これは鴉狐さんではあぁりませんかぁ!それで?我らが研究所に何用ですかっ!」

「えっと…呪文を組み替えてほしいです」

「おっと、私に用があるんですね!それで?どのような呪文で、どんな風に変えてほしいのてすかっ!」

「えぇ、はい。魔素変換吸収術式【仙人の霞】を対象指定出来るようにして下さい」

 レオナさんから改良版を貰ってきてからの方が良かったかな?いや、まだ憎く感じるから良いや。このまま会ったら殴るときに力んでしまいそうだ。暫く会わない内にセクハラが激しくなったからな。仕方がない。

「そうですか!少々時間を頂きますが、すぐに終わらせてみせ

ましょう!」

「ありがとうな」

 さて、回復量が減ってきたから飲もう。効果が切れない内に飲むと上書きされるだけだから、切れてから飲まないと意味ないのが面倒だな。重複かせめて効果時間を加算してほしい。 

「トイレとかある?」

「お手洗いですか。そうですね!あちらの方ですっ!」

「済まないな」

「いえいえ、作業を見ているだけでは暇でしょうし!今なら、ルクハがティタン関係の作業をしているので、それを見学してきたらどうですか!因みにティタンは専用区画がありまして、格納庫の近くですっ!」

 それさ、厄介払いしたいだけでは?いや、有り難い申し出だけどな?ここに座っていても、回復薬をただ消費するだけだし。術式も使っているけど、効果は薄いしな。

 専用区画が出来るまであるなんて、成長したんだな。ダンジョンも稼働し始めたからこその成果だろうけどな。資源さえあれば作れる物が多いらしいし。

 そんなこんなでやって参りましたティタン専用区画!ここだけ周りの施設と雰囲気が違う。他は近未来SF風な白い無機質な感じな物と、魔術幻想みないな物だ。だけど、ここだけ暗くて生々しい生活感のある、宇宙開拓時代のSFと言う感じがする。

 無機質な方も好きだけど、選べと言われたらこっちかな。さて、専用区画って言うぐらいだから広い。ルクハの居場所を聞いておけば良かった。せめて、案内板とかないかな?これは確実に迷うのだけど。クソゥ!

「ロ~~リ~~!ロリロリペロペロロリロリペロペロ」

 はっ!この声は、俺にセクハラをしてくるやつ二号だ!な、何故こんなところに。あいつは生物専門の筈ではないのか!それと、BGMを自前で用意するやつがいるか!クソったれ。ここは一時撤退だ。あの白い着ぐるみみたいなのを着て、迫ってくるのはもう嫌だ。

「ロリ~~」

 え?なにあれ。俺も着た事ある強化服こと、首まである全身ピッチリタイツだ。その上に何かしらの武装を所々付けているみたいだけど、意味が分からない。寧ろ分かりたくない。…三十六計逃げるに如かずだな!

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