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龍人な少女の召喚記~一人一人が主役な舞台の世界~  作者: スカイア=ライメト
第三部:建国編 第一章:傍観者足る過去の映像
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第百三話 セ、セクハラですよ!

 うん、大分久し振りになっていたけど、道順を覚えていたな。門番に挨拶をして中に入れてもらおう。

 はて、久し振りたから当然だけど、異様な既視感があるな。…後少しで出てきそうなんだけど、出てこない。…あ、これ映像で見た施設に似ているからか!発電設備もあるようだし、似ていると言うよりも同じなのか?

「あら、鴉ちゃん。こんなとこに来てどしての?」 

「!え、ええと、英霊を召喚出来たので、その報告に来ました」

「そうなの。折角だし、少しお茶していく?何か、相談事があるようだしね」

「有難う御座います。ただ、俺の胸と尻を触りながら言われても、感謝の念が消えましたが」

「こいつは失敬したね!」

「ええ、ですから離して下さい!」

「んー?ここがええんか?ここか?」

「だっから!殴りますよ!?」

「言葉では嫌がっていても、体は正直じゃない!痛っ!師匠に何するのよ!」

「ぜぇ、はぁはぁはぁ。師として尊敬されたいなら、行動で示して下さい!」

 何してくれてんだこの野郎!中身は男でも体は女子だからな!幾ら見た目が同性とは言え、やって良い事と悪い事があるでしょうが!はぁ、疲れた。

「まっ良いわ。こっちに来なさい。生憎、カフェみたいな施設は無いから、私の工房近くの空き部屋になるけど、良いかしら?」

「は、はぁ。俺は別にどこでも良いですけど」

「そ、なら決まりね。早く行きましょ」

 ん?外観だけでなくて、内部の構造も似ている気がする。いや、似ていると最初から思って見ているから、そう感じているだけかもしれないな。よくよく目を凝らせば…同じだ。違和感が多少在るとは言え同じかな。

「さ、着いたわよ。何そこで呆けて突っ立っているのよ。フフフッ!今なら胸をさ、わ、れ、るわ!」

「考え事をしていただけです。あと、くすぐったいので触らないで下さい」

「いったいわね!また師匠を殴ったわ!この往生際が悪い娘め!大人しく私にチョメチョメされなさい!」

 この人本当に横暴だな。もう少し、慎みを持ってほしい。相談事をしに来ている身ではあるけど、それとこれでは話が別だ。強権なんかに屈したりはしてやらないぞ!

「私、性感帯を刺激する魔術を開発したのよ。そ、れ、で!鴉ちゃんの体がどうなってもいいのかなぁ〜?感度三千倍とか目指してみない?」

 もう、本当やだ。何でそんな技術力があるのに、阿呆みたいな事に使ってるんですか。もう少し威厳でもあれば尊敬するのにな。いきなり態度が変わって、圧でも出されたら訝しむけど。

「くっ!殺してやる!」

「はいくっころ頂きましたー!若干意味が違うけど、まぁ良いでしょ。ふぅ、それで?相談事は何かしら?」

「英霊を召喚した結果、魔力消費量が上がりました。アディルさんに周囲の魔素を、効率よく吸収できる術式があると聞きまして。それを教えてもらいに来ました」

「あーあれね。でも、アディルちゃんは重要な事を教え忘れているわ。その術式は魔道具用に作った物だから、鴉ちゃんには合わないのよ。それでも、調整すれば使い物にはなる程度だけど…欲しいのかしら?」

「是非お願いします。このままだと、薬物中毒に成りそうなので」

 良かった。有ると無いとでは、中毒の進行度が違うと思うからな。せめて消費速度の軽減だけでも出来れば良いし。ま、魔力の減りが速くなってきた。飲まねば。

「そこまでの消費量なのね。術式を描いた紙と、参考呪文はこれね。早速使ってみると良いわ。それで?どんな英霊を召喚したのかしら?」

「役割以外分からないのですが、ライダーと言っていました。それと、ビースと呼び掛けてもいました」

「っ!そ、そうなの。…これも因果かしら」

「何か言いましたか?」

「ん?何も言っていないわよ。幻聴が聞こえるなんて可哀相ね」

 えー。酷くないか?絶対何か言ったよな。誤魔化そうとしている気がする。深く突っ込んだら、痛い目に会う気がするからスルーしておこう。その方が懸命かな。

「可哀想とはなんですか。レオナさんの残念な行動を改めてから言ってください。足を俺の股の間に伸ばしているの知っていますからね!ですから止めて下さい!」

「いったいわねぇー。机の下で人の足を蹴るのは行儀が悪わよ!」

「足を引っ込めたら止めます。だからと言って、胸を触ろうとしないで下さい。セクハラでアオナガさんに言いますから!」 

「チッ。仕方ないわね〜。止めてあげるわ」

 何で上から目線なんだ。いや、確かに偉いけど腑に落ちない。でもまぁ、こんな感じの気楽な付き合いの方が嬉しいけどな。せめてセクハラさえ無くしてくれれば文句は無い。寧ろ文句の原因がセクハラなんだけどな。自分の体が女子なせいか、触れられても全く嬉しくない。

「他に話はないの?例えば、召喚する為の触媒になる遺物を手に入れた場所とかね。何かしらの迷宮やらダンジョンを攻略した訳ではないでしょう?」 

「ええと、はい。名前はノイズが入っていて分からないのですが、研究所と言う施設で貰いました。確か、特例事項127とかの条件で」



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