第一話 かなり長いプロローグ
初めての方は初めまして、そうでない方はお久しぶりです。
毎回毎回、途中からどう繋げていか分からなくなりますが、今回は完結まで書きたいと思っている今日この頃です。
不定期投稿に為りますが、どうぞよろしくお願いします。
又、誤字脱字や改善して欲しい所があったら、教えて下さい。
プレイヤーネームやNPC、アイテム名等ののアイディアがありましたら、ドシドシお寄越し下さい。
「おっ当たったか!」
俺こと目黒涼は、今さっき届いた通販の箱を見て喜んだ。
品名〔Each One of The Stage Online〕
中に一緒に封入されていた紙を見たけど、業務って感じの硬い口調でおめでとう、とかの定型文しか書いていなくって、読むのを諦めたよ。
VRが注目されてからはや数十年。
最近に為ってようやく実用化されてきた、VRゲーム機の中では国内産初とされるVRMMORPGで、世界中から注目されているタイトルらしい。
まぁ友人に聞いただけだけどね。
〔Each One of The Stage Online〕。通称、ESO。
数少ない友人の中でも、ゲーム好きが「抽選しろしろ」と、仕事中にも関わらず、しかも上司にばれないようにしながら、周りをうろちょろしながら、言ってきたのはウザかったけどね。・・・はぁ。
だけど、心の中のガチムチ系悪魔が「心に潤いを求めるために抽選するんだ!」って言う感じの天使の福音みたいな事叫びながら、優男系天使をブッ飛ばしていた。真面目と書いてガチって言うぐらいには、悪魔が天使に見えた。
異世界や魔法を題材にしたゲームは海外にもいくつかあったけど、世界観と世界の広さは類を見ない程らしい。by友人
またPVを見てみたが、グラフィクが綺麗すぎて泣けた。今世一番の涙を流したかも知れない。ほんとだよ?
まぁこのタイトルの謳い文句は「もう一つの世界」だもんね。
1,2週間前にβテストがあったらしいけど、殆ど踏破されなかったらしい。と友人がドヤ顔しながら言っていた。
しかし、これまたすんごく高い。だけど、給料で販売価格、月額通信料で払える程度だけど。学生には無理だな!
まぁ、なんやかんやあったけど、無事に当選したね。
「・・・決まりだな」
何がだって?愚問だね!有給休暇と夏休みを使っての廃人プレイだよ!
今日は7月25日だ。ゲームの正式サービスの開始が、8月5日。俺にはまだ夏休みという福音が残されている。
少しだけ夏休みが長いのと、給料が若干良くて、ほんの少しずつ業績が右肩上りの会社により、実に15日分の休みがあるし、有給を使えば25日も休める。
次の日から、俺は精力的に行動を開始したよ。心の中の悪魔付でね。これだけ一つのことに邁進するのは、受験とか、就職以来かもしれないなーと心に秘めながらも。
先ずは、会社に夏休みと有給休暇の申請だ。
うん、予想道理だけど、上司は良い顔しなかったね、苦虫をダース単位で噛み潰したような顔してたよ。でも、有休を使えとせっついてきたのは上司の方なんだよ?
正当な権利だからこそ、堂々と俺は休みを取るのだ!
後、必要なのは衣食住くらいしか残ってないしな。
衣はどうせ外に出ないんだし、ジャージを三着くらいの着回しで良いかな。まぁ臭いとかに気を付ければ良いか。
次は食だね。食に関しては、文明の宝の冷凍食品やインスタント食品、カップ麺、チルド食品類を大量に買い込もう。あとは無洗米だな。お米は日本人の魂だからね。
ああ後、サプリ類も買っておこう。廃人プレイに1番重要なのは健康だからね。体を壊したら、良き廃人プレイもお預けになってしまう。なのでサプリ類は重要だ、爆買いしておこう。
後はどうしようかな?リッターサイズのペットボトル飲料とか、インスタント系飲料でも大量に買っておこうかな。コーヒー、焙じ茶、緑茶でいいかな?おいしいし。何より好きだからね。
あぁせっかく、インスタント系飲料飲むんだったら、瞬間湯沸かし器も買おう。所謂テ◯ファールってやつ。てか買っちゃてた、体が・・・勝手にっ・・・!
今世初めての食洗器も買ってしまったよ。ハハ出費が嵩むなぁ。
まぁ洗い物に時間を取られたくないしね!でもカビには注意しよう。カビたら、洗い物の時間もなにもないしね。
最後は住だね。部屋はマンションの一室でエアコン完備だから、夏の暑さは何の問題もない。家賃や公共料金の引き落とし用口座には、多めに金を入れておこう。電気が止められでもしたら事だしな、ていうかあったら泣き叫ぶレベル。大人でも泣き叫ぶぞ此の野郎。
風呂は予約しておけば、勝手に準備が始まる所で、やはり現代機器は素晴らしいと思い直したね。これで毎日入ることが可能。ビバ風呂!
まぁ風呂は命なのでね。しかも掃除はしなくても済む、ピカピカコーティングタイプだ。選んでおいて良かったー。過去の自分を褒め倒したい。
部屋の掃除は……少なくなるのは仕方がないね、まっ元々あまり汚さないし。ゴミ屋敷にはしてないよ?一応保険として、お掃除ロボットと空気清浄機を買って設置することにしよ。ゴミは、1週間に1度は捨てようかね。背に腹は代えられないし。
ベッドは新しいのを買ってしまった。今まで買ってきた中で一番お金が掛かったが、良い買い物をしたよ。
それもその筈。なんとVR用の最新式ベッドだ!リクライニング機能のほかに、振動と微弱な電流で筋肉を刺激し、筋力の低下を防いでくれる。マッサージ機能により、床ずれを防いでくれる機能まであった。
廃人仕様マジ最高。
おっと、回線の増強工事も忘れてはいけない。電話で聞いたら、3日後に来てくれるらしい。間に合ってよかったよ。廃神様と電波神様に感謝を。・・・電波神って変な電波受信しそう。
親類知人には、暫く留守にすると伝えたね。勿論友人にもだ。でもなーどうせ、あいつやるんだろうなー。ふぅ。
まぁ異世界と言う名のゲーム世界に行くんだから、嘘じゃないですし、おすし。何かお鮨食べたい。
これで煩わしい人間付き合いもシャットアウト!完璧だな。これで約1ヶ月間、引きこもっていられる。・・・筈!
「これで今世史上最高の廃人の城が出来た!」
後はサービス開始の日まで恋い焦がれるような気持ちだね。
とか言ってたら、あっと言う間だったね。
いやはや、かなり早かったね。明日はいよいよサービスの開始日だ。も、勿論仕事はガンバッタヨ?ワタシウソツカナイ。エライコダカラネ。
ここ一週間は情報収集に努めてきた。公式サイトを読み込み。βテストの情報を入手して、イメージを膨らませてきた。おいそこ、妄想厨乙とか言わない!
まぁ別に攻略最前線で活躍しようとは思っていないが、底辺に甘んじるつもりはない。意気込みは大事、とっても大事だね。
やるからにはスタートダッシュを決めておきたい。
とは言え、あまり事前情報を知りすぎるのもつまらないからね。新鮮味は大事だし。そのさじ加減がなかなか難しいのだ。面白いから良いけどね。
なので、公式情報や自分が狙っている職業について、大まかな世界観的な物、の3つを中心に情報を集めてみた。逆に狙っていない職業や、ベータでの攻略情報についてはあまり詳しくない。全く知らない訳ではないけどね。
集めた情報の中でも特に重要なことだが、ゲーム内では4倍の速度で時間が進む、らしい。詳しいことは、脳への電気信号をどうとか難しい技術なのでよく分からないけど、とにかくゲーム内の時間は現実の3倍なのだ。実際に向こうで3日過ごしても、こちらでは1日しか進まない。素晴らしいね。研究者に感謝を!
あとは、連続ログイン時間の制限や、キャラの睡眠時間などの制限もあるが・・・そちらはまぁ、どうにかなるだろう。俺はリアルの時間制限がないからね。廃人マジ最高。
後、課金要素がかなり少ないらしい。だけど一番重要な課金があるらしい。アバターに関係することらしいのだが、情報が殆ど載っていなかったよ。残念。
「とりあえず、事前登録しとくか」
そしてサービス開始の時を迎える。待ちわびたぜ!
「5、4、3、2、1、スタート!」
スタートに合わせて速攻ログインする。まるで韋駄天のような速さだった気がする。
ユーザー情報は事前に入力済みだ。あとはキャラの名前を入力すれば、キャラメイク開始である。
《キャラクターネームを入力してください》
妖精の様な無表情サポートナビに手伝ってもらいながら、キャラメイクを進めていく。
「キャラネームは[鴉狐]で」
和風系キャラにしていきたいから、この名前にしよう。
《種族を選択してください。選択方法は二種類ありますが、説明をいたしましょうか?》
何だそれ?そんなの載ってなかったぞ?
「お願いします」
《選択方法:指定・・・基礎の四種類から、一つ選べる。〔人族〕〔獣人族〕〔長耳族〕〔鍛冶族〕
:確率・・・基礎の四種類や基礎以外の種類から確率で選べる。三回まで選べる。ストック可能。》
どうしよう。だがここは漢なら確率だと決まっている!そうだよね?
「確率でお願いします」
《分かりました》
んん?まるでおみくじ筒のようなのが、出てきたぞ?まさかこれで出せと?
まぁいいか。進まなければいけないしね。
結果
〔獣人族〕〔巨人族〕〔龍人族〕
おぉーー!一番最後の名前が和風っぽい!和風系キャラ目指しているから此にしよう。
《どれにしますか?》
「〔龍人族〕でお願いします」
《アバターの作成を行います。自動作成サポートを使用しますか?尚、ゲーム開始後に課金品【化粧箱】が購入出来ます。現在のアバター作成時よりも多彩で、豊富なアバターがありますので、是非お楽しみください》
まじか、普通は宣伝乙ってなるが、ここじゃあ爆弾発言になるかな。
ここで来たと言うことは、自動で作成してから後でじっくりと、アバターを作れると言う訳か。成る程、良くできている。
今時間掛けんじゃねーよと言うことで、自動作成で良いか。
「あっ【化粧箱】で性別変えられますか?」
《可能です》
「じゃあ自動作成サポートをお願いします」
《では、鴉狐様のモデリングデータを元に、アバターを作成します》
まぁここは、見なくてもいいか次だ次。
次は、ボーナスポイントの取得だ。ESOは最初にボーナスポイントを割り振ってキャラを作るのだがそのポイントを得る手段が、またもや指定と確率らしい。運営好きなんだなこの組み合わせ。
確率での取得は五回だけやり直せる。ストックも可能らしいね。確率は、10~120までとされているが、まあ70以上出れば上等だろう。
んで、指定は50らしい。まあ当たり前だね、多くもなく少なくもなくくらいか。
やっぱり、漢なら確率だね。
おみくじ筒と思ったら、ダイスロールの画面が出てきた。しかも10D12のものが。
では、早速。
一回目:62
駄目だな、次だ。
二回目:11
もっと駄目な奴だ、次。
三回目:70
良いのが出たがまだだ、次!
四回目:31
えぇぇ、次で最後の一回だが良いのが出ますように。
五回目:113
ヨッシャァァァ!!これだ、これにしよう。
改めて見ると落差が激しいね。当たり前だけど、最後のを選ぶんことにするよ。
《どれにしますか?》
「五回目の結果で。」
《職業の選択をしてください》
うわっ多いな、下級職で三桁越えとかないわー
このゲームでのプレイスタイルの理想は、近接戦闘もこなせるサモナーだね。んで、調べたらサモナー系の職業は術士系だったね。まぁそうだろうね。んであったのが〈召喚術士〉だ。いや、結構下の方にあったから結構時間かかったな。目つけんの。
〈召喚術士〉を選択っと。
《ボーナスポイントでステータスの割り振りと、初期装備を選択してください》
そう言えばこのゲーム、スキルっていうのがほぼ無いらしいね。基本的にはプレイヤー自身が産み出すらしいからな。
初期武具は昔にじいちゃんに剣術を習ったから、刀系にしよう。今でも扱えるかどうか分からないけど。術士には杖?知らんな。刀は浪漫です!後、防具は和風系にしようか。
後、ステータス値決めるか。ステータスは装備品でも上げられるから、筋力、体力、敏捷の前衛系は術士の初期値で良いとして、器用、知力、魔力の術士系特化型にしようか。
《所属国家を選択してください。〔和国〕〔皇国〕〔帝国〕》
へー国家選べるんだ、じゃあ和風を目指したいと思ってるから、和風っぽい名前の〔和国〕にしよう。でも何で国名じゃなくて、略称みたいなのなんだろうか?まぁ良いかいづれ分かるだろう。
「〔和国〕でお願いします」
《これで、初期設定をおわります。お疲れさまでした。》
《ESOの世界にようこそ、一人一人が主役の世界へ。今までに無い、未知の世界をお楽しみください》
え?チュートリアルとか無いの?マジで?