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第43話 登校時

 お久しぶりです。しばらく毎週月曜日で分量が少ないですが再開させていただきます。


 翌日。

 結局、昨日親父と話したが解決策を見つけることができなかった。俺自身でもなんとか考えてみたが何にも思い浮かばなかった。俺にはそういう悪知恵を考える才能というものがどうにもなかったらしい。

 馬鹿正直なのだろうか。

 残念なことだ。

 しかし、どうすればいいだろうか。

 今日から俺は相崎相手にどのように逃げ回って行こうか。相崎が簡単に俺のことをあきらめるはずがないとは思っている。

 俺は朝起きてから学校へ行こうとする時間までずっと考え続けていた。

 

 「おはよー」


 俺は、考え事をしながら家を出ると外には美咲が待っていた。


 「お、おはよう」


 「んー? 雄一郎、何か文句ある?」


 「文句って何もないけど?」


 「いや、何かね、彼女がせっかく外で朝一緒に登校しようと待っていてあげたのにあまりにも興味なような表情をされてしまったから少しショックを覚えちゃったの」


 「ごめん。そんなつもりはなかったんだ。少し考え事をしていてね」


 「考え事……それって相崎さんのこと?」


 「な、何で分かった」


 「まったく、雄一郎と長年付き合っているし彼女なんだからそれぐらい分かるよ。でも、彼女の前で別の女のことを考えられているというのは少しショックだなあ」


 「ごめん。美咲の前では考えないようにするよ」


 「私の前……私の前以外では考えるということだよね?」


 「そ、それは……」


 「まあ。男の人ってどうせ彼女以外でも妄想とかしているのだろうし少しはいいけどさ、や、やっぱり彼女のことを一番に考えてほしいなって」


 美咲が顔を赤くしながら言ってきた。

 ただ、少し勘違いされていそうだ。 

 俺が悩んでいるのはそんな夜の事ではない。


 「いやいや、別に俺美咲以外で妄想しないし……って、そういうことじゃない」


 慌てて訂正した。

 危うく謎の告白を仕掛けた。いや、告白をしてしまった。

 俺の言葉を聞いて美咲の顔はものすごく赤くなった。りんごのようだった。人間の顔ってこんなに赤くなるんだな。そう思えた。


 「そ、そ、それってつ、つまり」


 朝っぱらから俺らは何ていう会話をしているのだろうと思った。

 美咲とはしばらく無言でいた。しかし、学校直前で俺は相崎についての誤解を解くため俺の過去、そして相崎とのことについて美咲についに話すことにした。


 「ねえ、美咲。実は相崎と俺とのことについて話したいことがあるんだ」


 「相崎さんとの関係? それって話していいことなの?」


 「まあ、あまり話したくはなかったのだけどやっぱり彼女である美咲に対して後ろめいた気持ちでいたくないから素直に言うことにするよ。いい?」


 「私は別にいいけど」


 美咲の許可をもらったので俺は覚悟を決めて話始めたのだった。

次回は来週月曜日です。

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