表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

五月雨

私の身体は 水でできているらしい。


五月雨を見上げて 口をひらいた。


口に入る五月雨たちは 私の一部となるのだろうか



なら、私は五月雨。


私の身体は 五月雨でできている。



あれから、いくつもの季節が過ぎた。

私の中の五月雨は、どこかへ流れていった。

今は どこかの牛の一部が私になっている。

私はどこへいくんだろう。


私の身体は季節を巡る。

乗り物を変えて、形だけはそのままに。

牛や、草、魚に鳥、海や山。そして五月雨。


私の形は季節になって どこかの空気の一部になって

呼吸とともに入れ替わる。



大好きなあの人とも つながっているのかな。

五月雨に祈りを込めて あの日の記憶に帰り着く。


あのひとの姿は 今も五月雨に消えたまま。


私の中の五月雨の向こうに いつか溶けていこう


私は五月雨に口を開く。

あの人と見る予定の アジサイの花は

もうすぐそこまで来ている


季節ぐるぐる 五月雨に

私は目を閉じ 溶けていく

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ