探し物
マオウトツってゲームが面白すぎて文章が書けない
ノアールは王都なだけあって店が沢山ある。装備を扱っている店も俺が知っているだけでも6店舗はあるほどだ。
広い王都に散らばっているを1日で回れるかどうか分らないけれど、行くだけ行ってみる事にしよう。
「まずは近場の店から行ってみるか。」
外には仕事をしている人達や買い物をしている人で溢れている。
俺はその中を掻き分けるようにして進んでいった。
・・・
昼飯も食べずに走り回ったおかげで知っている店は全て回る事ができた。
4店舗目辺りから流れ作業になっていた気もするけれど、一応6店舗は回ることができた。
回った感想としては武器に比べて中古の防具の数がとても少なかったという所だろうか?
鎧とかはそれなりにあったんだけど、ガントレットみたいな部分防具が全然見つからない。
鎧を買えば結果的にガントレットも付いてくるけど、それだと性能が低いのしか買えないんだよな。盾の方ならあるにはあったんだけど、重すぎたり大きすぎて持ち運びに苦労しそうな物ばかりだったので買う気が起きなかった。
店主の方に聞いてみても俺が欲しいと思うような盾やガントレットは大体みんなも欲しいと思う物なので買う人はいても売りに出す人はいないみたいだ。
やっぱり使いやすい装備はみんな手放さないよなぁ。
しかしこういう買い物で妥協はできない。防具ってやつは自分の命を守る道具なんだから。
新品でなら良さそうな盾もガントレットも売っているんだけど、総じて金額が高いので俺には買えそうもなかった。やっぱり中古を探すしかないのか。
足が痛くなろうとも、店の店主に嫌な目で見られようとも俺は止まらないぞ。一番いい装備を見つけ出してやる。
そう思いながら今度は露店で探してみるけれど、それでも中々ピンとくる防具が見つからなかった。重かったり軽すぎたりしてどうにも合いそうにない。
中古で買おうとしているのに何を贅沢言っているのかと思われるかもしれないけど、自分が納得できる防具が見当たらないんだからしょうがない。
どうにも見当たらなくて、露店の店主に相談してみたりもした。
その相談された店主は俺に向かってこう言った。
「お前さんが欲しいと思っている小盾やガントレットなんかは攻撃を避けるスタイルの人が買う事が多い。そういう人は動きを阻害されないように自分に合った防具を使うんだ。
そういう防具はオーダーメイドするしかない。まぁ、愛着が湧いて最後まで使ってしまうんだろうな。」
露店の店主に言われて俺の頭の中は真っ白になった。
薄々分っていた事だったけど、やっぱりか。
俺もオーダーメイドすれば良いのかもしれないけど、そんな金は無い。
俺に防具はまだ早かったのか。孤児は防具を装備するなって事なのか。
やっぱり世界は貧乏に優しくない。ハッキリわかんだね。
「あ、あの……」
「どうしようかな。もう防具とか買わずに普段着でも買って帰ろうかな。」
「あのー。」
悩んでいたら後ろから声が掛けられた。
振り向くとそこには昨日ホブゴブリンから助けた少女が立っている。
少女のボサボサで手入れをされていない髪は特徴的で、直ぐに昨日助けた少女だと分かった。
少女の服は小奇麗になっていて、冒険者というよりは普通の少女にしか見えない感じになっていたけど間違いない。
「……ん? あぁ、あんたは昨日ホブゴブリンに追われていた。」
「はい。私はシーアっていいます。昨日は本当にすいませんでした!」
「いや別にいいよ。何とかなったし。シーアさんにケガがなくてよかった。」
「私の事は呼び捨てでいいですよ。えーっと、あなたは……」
「それなら俺の事も呼び捨てで良いよ。俺はカウルだ。」
シーアは髪で目が隠れており表情があまり読めないが、嬉しそうな感じにみえた。
彼女は冒険者以外にも薬剤師をやっていて、昨日はクエストじゃなくて自分で使うミイホ草を採りに来ていたんだそうだ。
「カウルは何か探してたんすか?」
「えっと、ちょっと防具をね。ガントレットが欲しいんだ。でも金が足りなくてさ。」
「あ、それだったら私に任せてくださいっす! 下宿先のおじさんが鍛冶屋なので私から安くお願いしてみますよ!」
嬉しそうに手を叩くシーア。申し出は嬉しいのだけど、中古を買う程度の金しかないのにオーダーメイドはいくらなんでも無理だろう。
そう断ったんだけど、シーアが昨日のお礼だと言って聞いてくれない。
「大丈夫っすよ! なんだったらローンも組めますし。」
「借金は嫌だよ。」
「まぁまぁ、行くだけでも行きましょうよ。」
俺は半ば強引にシーラに引きずられるようにして歩き出した。




