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入学、出会い①

初めまして、オールオールです。

この度小説を投稿させてもらいました。

主人公最強ハーレム系のラノベ的展開の作品です。

ややグロテスクな表現があると思います。

暇な時間に読んでいただければ幸いです。

一年の始まりであり、多くの人達が新天地へと赴く季節。

そんな、誰もが新たな希望を胸にしている中、秋白あきしろきょうは憂鬱な気持ちで朝を迎えた。


理由は二つあった。


一つは、今朝の夢。自分が死体に囲まれている夢を見たら誰だって陰鬱な気分になるだろう。


しかもあの夢は初めてではなく、何回も悪夢として京の睡眠を妨害してくるのだ。

その上段々鮮明に、そして長くなっていくから、いつも新鮮な気持ちで不快な思いをさせている。京以外にも生きている人があの夢に出てきたのは初めてだった。


ちなみに、幼少の頃にそんな事があったなんてことは無い、そう京は思っている。


曖昧なのは、京に小さい頃の記憶が殆ど無いからである。事故で記憶が吹っ飛んで行ったと知人から聞いた。


「愉快な話だな……」


記憶が無くて平気なのは今がそれなりに幸せだから。


そんな訳で最近久しく見ていなかった夢を見たせいで若干の憂鬱指数が上がってしまった京。


しかし、それよりも不安な事があった。むしろこれのせいで悪夢を見てしまったといっても過言はない。


それは


「入学式……」


言葉に出してさらに気が滅入る。

そう、今日は高校の入学式なのだ。


別に入学式が嫌な訳じゃない。

勉強が苦手な訳でもない。


「べ、勉強は大丈夫……だと思う」


ただ


「友達出来るかな……」


切実な願いである。

別に自分のコミュニケーション能力に異常は見られない。それなりに色々な人達と接して仲良くして来たつもりである。自分自身に問題は無い。


問題は友達側、つまり高校の同級生である。別に見下しているのではない。


京がこれから通おうとしている高校はSH特区第一高等学校という高校だ。

そもそも京が今暮らしているのは日本にあるSH特区と呼ばれる地域である。


世界には聖痕保持者(英語名はスティグマホルダー)と呼ばれる人間がいる。京もその一人である。

彼らは、もとい京達はみなそれぞれ体の何処かに聖痕と呼ばれる印が刻まれいて、様々な能力を保有している。


聖痕保持者の数は少なく、普通の人達よりも色々な待遇を受けることが出来る。これは国によって色々違いはあるが、日本では結構な良待遇である。その代わりとして、聖痕保持者はSH特区での居住を義務として課せられるのだ。こう言えば少し、強制されているような感じが出てしまうが実際の所、今住んでいるアパートだって国から無料で提供してもらってるし、食料など、生活必需品は申請すればこれまた無料で支給される。

そのお陰で京は今までずっと悠々自適に暮らす事が出来ている。


また別に聖痕保持者への義務として高校適応年齢までに聖痕を持つ者、適応年齢の途中に聖痕が現れた者は、SH特区にある高等学校に入学、または編入しなければならない(高校は第一から第四まであり、どの高校へ行くのかは国からの通知が来る)。そんな決まりがある為、京は晴れて高校生になると言う訳だ。


中学へ京は行っていない。

記憶がある前から既に聖痕は左手の甲にあったらしく、SH特区の中学校に行かないといけなかったのだが、ある知り合いが権力を振りかざしてくれたので、特例として中学へは行かなくても良かったのだ。数年前は色々あったのだ。


要はその高校に通う同級生達はみな聖痕保持者なのである。

そして京が今まで接してきた聖痕保持者はみな癖のある人物ばかりだった。悪い人というより変な人ばかりなのだ。つまり変態。

今から京はそんな場所に行こうとしている。

友達を作るどころか自分も変態になっているかもしれない。そう考えると京の心は震える、良くない意味で。


そんな事を思いながら、数日前に送られて来た高校の制服を着る。

ブレザー、ズボン共に紺色を基調とし、ブレザーの胸元に楓をモチーフにした校章があしらわれている。


初めての制服に少々気分が高揚しながら、京は鏡の前に立った。


「相変わらず普通だな俺って」


身長177㎝、痩せ型でも、肥満型でも無い体型。焦げ茶色の瞳はそれなりにくっきりとして、鼻筋もそれなりに通っている。自分で言うのもなんだが中の上くらいの容姿は持っている、が、それも普通の域を出ない。

唯一の加点ポイントとしてサラサラの黒髪が挙げられる位だ。

とはいえ、制服姿は中々様になっているではないか。


そんなこんなで身支度を済ませた京は高校バックを持ち、扉を開けた。


「行ってきます」


新たな物語が始まる。


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