表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/16

男は出逢う

番外編投稿してますが、どちらを先に読んでも大丈夫なようになっています。

「ギィィィィァァァァ」


ガラスを掻き毟ったような咆哮の下にその男はいた。左手には1丁のオートマチック、右手には一振りの無骨な刀を携え、上空を見つめながら・・・震えていた。


(俺は餌かよ・・・。)


心の中で毒づく。その間も悲鳴のような鳴き声と、つんざくような羽音が辺りに響き続けている。


点在する岩に身体を預け、上空を旋回する怪鳥の羽音に耳を済ませる。空には燃えるような赤。しかしその色彩もあと5分ほどで漆黒に呑まれる。


「長引くと不利だな」


決意を滲ませるか細い声が、妙に大きく響いたその刹那。


「!!」


静寂の中に混ざるノイズ。滑るような体捌きで飛び退った男は、目の前の光景に戦慄を覚える。

先ほどまで男がいた場所には、粉々に砕かれた岩・・・そして3メートルはあろうかという巨体に赤黒く化粧された鋭い嘴、灰色の翼を軋ませながら1羽の怪鳥が男を見ていた。


間一髪で避けた男は舌打ちする。酷い血の臭いに顔を顰めながら、今までの少ない戦闘経験を反芻する。


(銃はあきらめるか。)


内心では盛大に舌打ちし銃を投げ捨てる。あのサイズの獣には銃の効果は薄い。至近距離で急所を貫くか首を落とすしかない。

投げ捨てた銃に一瞥もくれず、もう一振りの刀を抜き放つ。すらりと音を立て抜き身となった白刃は茜空を写し妖艶にきらめいた。


男は覚悟を決めた。新たな相棒を両の手に怪鳥の首めがけて地を蹴る。


いつのまにか震えは止まっていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ