ボクを助けてください
皆さん始めまして。初投稿ですが、暇つぶし程度に読んでもらえたらうれしいです。
「えっと、忘れ物はねぇよな……」
ガサゴソと肩掛けバッグの中身を物色しながら持参物の確認をしていく。初日から忘れ物しましたなんて笑い話にもならないからな、こういうのは何度もチェックしないといけない。
持参物のチェックが終わったら次は身嗜みのチェックだ。第一印象というのはその後の人間関係に大きく関わるターニングポイントだ。これもしっかりチェックしていく。
そして度重なるチェックが終われば、すぐさま靴を履いてドアを開ける。そう、今日は大学の入学式だ。決して成績がいいわけでもないしなにか目標があるわけでもない、かと言って勉強が好きかといわれればそうでもない。ただ、親元を離れて一人暮らしをしたかったというのは言うまでもなく、さらに言えば大学生生活というのは自由に遊べる最後の期間だからである。大学生の中でそんな理由で進学するやつは意外と多いはずだ。
「よし、じゃあ行ってきます」
誰もいない部屋に向かってそう口にしてしまうのは、つい先日まで実家で暮らしていたからか一人暮らしを始めたばかりのそれであった。
赤坂 哲哉。どこにでもいるような一般人だし何か秀でた特技があるわけでもない。けれど平凡な生活を淡々と過ごす毎日に不平不満を言うでもない。そりゃあ、勉強が極端にできるとかバリバリのスポーツマンだとか憧れはするさ。かといってそれを嘆いたところで何も変わりはしない。ましてやガキの頃に憧れたどっかの国の勇者やトレジャーハンターなんてとっくに卒業している。
世の中そんなもんさ、そういう秩序のなかに社会があるんだ。だからこそ、一度きりの人生精一杯楽しまなきゃ損ってもんだろ?
ガタゴトとゆれる電車の中で、これから待ち受けるであろう楽しい大学ライフに想いを馳せるのであった。
「っと……。ちょっと入学式まで時間あるな」
携帯のディスプレイに表示された時間を見れば集合時間の1時間前、周りを見てもまだ新入生の姿もほとんとないようだった。仕方ない、歩くか。
幸いなことに駅からすぐのところに少し小さめの商店街があった。のちのち利用することも多いだろうとその商店街を歩くことにする。しばらく歩いてみるとどうやら比較的新しいようで、○×商店街と書かれた電柱も立ち並ぶお店も汚れがほとんどないようだった。
これなら、帰りにもう一度寄ってみるのも悪くないな。どうせ入学式なんてそんなに長い時間かかるわけでもないだろうし。等と考えながら適当に時間を潰し、集合の10分前には大学へ向かった。
まだ執筆途中です。