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ロムの雲  作者: かえで
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雲に乗りたいと思った子猫のお話。

子猫のロムのほのぼのとした日常です。

ある良く晴れた暖かい日のこと、子猫のロムはいつものように、お気に入りの籠に入ってお昼寝をしていました。ロムは黒のマーブル模様に青い目のとてもかわいい女の子の子猫です。ロムが寝ていると、まだふわふわの産毛が寝息でかすかに揺れてとてもかわいいのです。


ふと、窓から空を見上げると雲が風にふかれてゆっくり前に進んでいました。ロムは、あの雲に乗れば、眠っている間に旅ができるかなぁ。と思いました。それに、あの雲はきっとフワフワのクッションのように気持ちが良いでしょう。そう思うと、ロムはどうしても雲に乗って旅がしたくなりました。どうすれば、雲に乗れるだろう?どこに雲への階段があるのかなぁ?ロムは、とりあえず高いとこに登ってみることにしました。ロムはゆっくりと起き上がると、前足をのばして大きく伸びをしました。そして、外に出て高いとこを探してみることにしました。あたりを見渡すと、


「あ、あの山が一番高い!」


と言ってお家から見えるお城山に,元気よくかけだしました。お城山と言っても、お城があるわけでなく、昔はお城があったのですが、今はお城の台の石垣だけが残っていて、公園になっています。。ロムは、小さな子でも上がれるようになっている階段を転んでしまわないように、気をつけながら登りました。


やっと山頂にたどり着くと、ちょうど正面に海が見えました。ロムは、ちょっとだけ、ボートに乗って海を行くのもステキだなぁと考えましたが、ボートをこぐのが大変だぁ、と思いました。それに、猫にとって水に濡れるかもしれないという気分が悪くなることを連想してブルブルと体を軽く震わせました。


「やっぱり雲の旅が一番よ。」


そして、空を見上げました。しかし雲には乗れそうにありませんし、雲への階段も見当たりません。困ってしまったロムは、どうしようかとそのまま空を見上げていると、


「やぁ、ロムちゃんお散歩かね?」


という声が聞こえました。ロムが声が聞こえた方をむくと、お家の近くに住む犬のおじいさんが散歩にやって来ていました。ロムはお外に出るのにリボンも着けずに出てきたことを思い出して、少し恥ずかしくなりました。だってロムは、それはとてもかわいい子猫だったので、リボンがとてもよく似合ったのです。少し大きめのリボンを着けたロムはますます可愛くてまるでお人形のように見えました。実際、ぐっすりお昼寝しているロムがお人形売り場に並んでいても誰も気がつかないに違いありません。ですから、ロムは外に出掛けるときにはいつもリボンをするようにしていたのです。

雲に登る階段を見つけたら、リボンを取りに帰らなくちゃ、それにおやつもいるわね、と頭の中で思いながら、


「こんにちは。」


と犬のおじいさんにきちんと挨拶をしました。そして、


「雲に乗って旅をしようと思うの。雲なら寝ていても勝手に遠くに行けるでしょ。それにゆっくりフワフワととても気持ちよくお昼寝できるわ。」と自分のアイデアをロム自身がフワフワの雲のような産毛をかろやかに揺らしながら、嬉しそうに話しました。犬のおじいさんはロムの話をニコニコしながら聞いて、言いました。


「ロムちゃん、雲に乗って旅をするなんて、ステキなアイデアだね。」


それから少し心配そうに、


「でも、お昼寝をしていたらうっかり寝返りをうって、雲から落ちてしまったら大変じゃないかな。」


とやさしく言いました。ロムはそれもそうだなぁと思い、雲から落ちないようにずっと起きていないといけないのなら、雲の旅はあまりステキじゃないなぁと考えました。ロムはお昼寝が大好きな子猫ですから。お昼寝のコンテストがあったなら、絶対に優勝できる自身があるくらいお昼寝については自身があります。それにまだ小さな子猫なので、大きくなるにはお昼寝が必要です。

ロムは、犬のおじいさんにお話しをしてよかったと思いました。そして、犬のおじいさんに、


「ありがとう。本当に落ちたら大変だわ。雲の旅はお昼寝をしなくても大丈夫なくらい大きくなってからにするわ。」と言いました。


ロムは、お家に帰っておやつを食べて、雲への道を探して疲れたので、また、ぐっすりお昼寝をしました。




子猫のロムは周りに助けられて少しずつ成長しています。

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