8剥き目
オラ!ユーリだ。
ああ、言っとくがオラってのはスペイン語だぜ?
俺は誰に言ってるんだろうな?ってテンプレは置いといて、
王からの使者が来て王都に呼ばれちまったよ。
そして俺は屋敷の管理とか正直どうでもよかったのもあって、無責任にも二つ返事でおkした。
まぁ休暇中の使用人たちが帰ってくればなんとかなるだろうし、俺はもうここには住む気は無いからな!
というわけで、謁見の間なう・・・。
謁見てやーねー。周りはなんか欲丸出しの貴族に囲まれ、騎士たちには威圧され、緊張で胃が痛い。
それにさすが国王、威圧感がパネェ。魔力もニーナより多いし、王になるべくしてなったって感じがひしひしと伝わってくる。
前世で俺も犯罪王とか言われてたけど、あんなの餓鬼のゴッコ遊びだな。
と、そう思わせるくらいには威厳ある王様だ。
「ふむ、そなたがユーリか。書に記されたことに偽りは無いか?」
王が座る玉座――この椅子もまたなんか威圧感すごい。多分魔法使われてる――の横に控える、多分宰相さんがそう聞いてきた。
「はい、全て真実です」
はい嘘つきました俺ー。
いや厳密に言えばついてないかな?とにかく隠し財産は頂いたけどそれは書いてませんてことだ。
「しかし、そなたが摘発したタメランの罪と照らし合わせると、いささか押収した財が少なく感じるのだが?心当たりはないか?」
「いえ全く。タメランが全てを管理しておりましたゆえ」
ぶっちゃけると、「お前金目のものちょろまかしてね?」、「いや俺知らねーし」という会話である。
うんうん、俺はこういう言い合いの方が好きなんだ。
前世のおかげで面の皮は厚い。嘘をついたところで表情に変化なんて出さない自信がある。
ただ魔法で見破られると厄介だけど、魔力が多いと魔法に対する抵抗も強くなるってニーナが言ってたから勝手に安心した。慢心とも言うのかもな。
俺が豚を呼び捨てにしたので少し表情に変化があったが、それも一瞬のことで、すぐに何事もなかったかのように続けてきた。
てか屋敷調べてその結果が送られてくるのが俺たちより早いって、これ完全にはめられてたなー。
馬車がのんびりで平和やなーとか思ってた俺が恥ずかしいわ!
俺の魔法がなかったら絶対詰んでるコンボじゃん。
「ならそちらのメイドは何か知らぬのか?」
「いいえ。私にも心当たりはございません」
ニーナから崩しに行ったのかもしれないが、そこは鉄仮面メイドですよ!
表情に感情すら見えない完璧な無。流石だ俺のメイド。
「しかし、隠し倉庫の様な者が見つかっているが、そこはもぬけの殻だったのだ。それも何も知らぬのか?」
「それこそ我々にも隠されていたのではないでしょうか?その様なものがあったことは私も初めて聞きました」
俺が真面目にそう答えると、これ以上は不毛と判断したのか追求は止んだ。
「そろそろよいか?ブルータス。我はこの童と少しばかり話がしたい」
「ハッ!」
深みのある渋いイケメンボイスで王がそう言うと、宰相ブルータスが一歩下がる。
もちろん俺はギョッとしてブルータスをアナライズしたよ。
なんとブルータス、王への絶対忠誠持ちでした。
ひとまずこの世界であの名言が生まれることは無さそうだな。
何故か一安心だ。
でもこの王もかなりのスキモノである。
なにせさっきっから周りでこちらを見てくる貴族の目が痛いのなんの。
一体俺になんの恨みがあるのやら、豚とつるんでたのなら自業自得でしょうに。
そんな中で5歳のガキンチョと話がしたいとかいう国王はやっぱりスキモノである。
「ユーリよ、お前の手紙には少々気になる点があるのだが、それについて尋ねたい」
「なんなりと」
自然と頭が下がるよね。俺も将来はこんなイケメンボイスに!と夢見ておこう。
「今回の騒動、全ては復讐の為というのはどういうことか?」
ああ、あれか。俺が王都へ送った手紙の最後に俺はこう書いた。
『今回の騒ぎは全部俺の復讐のためにやりました。紙面上の義父であるタメランは豚にも劣るど畜生で、ムカついたので領内の悪党ともども地獄送りにしてやったぜ!』
と、これはかなり要約したが、そういうことを仰々しく書き綴ったわけだ。
ここは、嘘ではない事を言っておけばまず大丈夫だろう。
「私がタメランの養子として迎えられたのが1歳の頃ですが、既にその時から意識はあり、記憶もまた鮮明です。私はこの目で両親と村の民が殺されるのを見ているのです」
皆絶句、王様だけは真偽を見極めようとしてる感じかな。
「そして復讐を決意し、準備を万全にし、それを成したのです。この話を信じるかどうかは陛下にお委ね致します」
「我がそれを信じぬと言えば、どうするつもりか?」
「采配にもよりますが、国から出ることになるかと」
「逃げきれると?」
「立ちはだかる障害は全て無き者にするでしょう」
まあ半分はハッタリ。
何人かはそれにも気づいているだろう。
下手すれば謀反ともとれる発言だが、今後の事を考えてこれくらい釘を刺しておいたほうがいいはずだ。
『孤人空間』のおかげで暗殺系の心配は殆どしなくていいと思う。少なくとも寝首をかかれるようなことは無いだろう。
ここで俺の素質的なものを見極めれるならそれで良し、俺の邪魔になるならその程度の相手ということでいくらでも潰す方法はあると踏んだ。
てか国王・・・5歳児にその眼力はないんじゃないでしょうか?
俺もここは譲れないところなんで頑張るけどね?
ニーナが今にも飛び出しそうで内心ビクビクなんだが・・・むしろそっちの方が怖いかもしれない。
なんとか交渉の場を保とうとして耐えてくれてるようだけど、これ以上王が粘るようなら死人が出るぞー。
「・・・まこと・・・童らしからぬことよな・・・」
俺がそんな忠告も込めてテレパシーよろしく念じていたのが通じたのか、王がそう囁いた。
「クックック、フフフ、フハハハハハハ!よかろう!そなたの言、信じるとしよう」
びっくりしたー。いやだっていきなり笑い始めるんだから気でも触れたのかと・・・。
なんいせよ信じてくれるってんだからいいか。
周りの貴族連中、恐らくロイヤリスト的な奴らが少々ざわついたが、王の権力が強いこの国では表立って反論てのは難しいだろうな。
というか立ちはだからないなら敵対しないって言ってんだから少しは理解しろよ!と思わなくもない。ああいう貴族の頭の中はろくでもないことで埋まってるからそこまで考えが及ばないのかもしれない。
とりあえずここは無難に頭下げとこう。
「恐悦至極」
あとは領地を王がもらってくれれば万々歳だな。
「クククク、しかし、領地は本当にいらぬのか?なんなら増やしても良いほどの働きなのだぞ?」
「いりませぬ。元はただの農民の息子。そして腐った豚の性など名乗りたくもありませぬ。これからはただのユーリとして生きて行きたいと思っております」
「それでいいのか?領地でなくとも将来安泰なだけの待遇はしてやれるはずだが?名など他の貴族の養子にでもなればいくらでも変えられよう。引く手数多なはずだ」
「誠に有り難き事ですが、5歳の童には身に余ること目に見えておりますし、何よりも私は自由を望みます」
詭弁だし茶番だが、言質というのはかなり怖いものだ。特にこの辺の時代で録音とか無いだろうし・・・いや魔法であるかもしれないから尚更だ。
「そうか、ならば仕方がないな」
乗り切った・・・かな?
王が心なしか残念そう、宰相はどこかホッとしてる気がしないでもない。
頭の悪そうな貴族連中は俺がなんで褒美を断ったのかもわかってないようだけど、気にしないでおこう。かわいそうだ。
まあそんなこんなで謁見終わりましたよ。
疲れた・・・もうこんなんやだ。
やっぱ平民に戻って正解だな。
冒険者やってればひと財産築くのは、今の俺の能力ならそう難しいことではないしな。
今日は新居にニーナを招待するのだ。
え?王城に泊まらないのかって?
いや部屋は用意するって言われたけど断ったんよ。
なんかこの城の中は危なそうだしね。
というわけで、安全な方にしたんだ。
案の定忍者系の人がくっついてきちゃったけど、撒く方法はいくらでもある。
それに色々あって今日までニーナをあそこへ連れて行ってあげれなかったけど、見たらどういう反応をするのか今から楽しみだ。
さあ行こうか
『孤人空間』へ!
ストック切れたので更新不定期になるか、貯まるまで更新されないと思います。
アクセスが順調に来ているのを見てニヤニヤしている今日この頃w
これからもよろしくお願いします




