7剥き目・復讐の宴2
現在俺の目の前は大乱交ピストンブラザーズ状態だ。
つってもそろそろ飽きてきたし、仕上げと行くかな。
あれから紅茶を飲んだり、豚に無意味な拷問かけたりと俺も宴を楽しんだ。
神のじいさんにも言われてるから、これからはこういうの自重しないとなー。
では、ここからは全部俺のターン。
まずは魔法で全員閉じ込める。
『傀儡劇場』
以下マリス・マトリョーシカより引用。
――混沌・空間――
この魔法は仕切られた空間を術者の支配下に置くことができます。
全てはあなたの思いのまま☆
劇場の役者となる傀儡は自分で指定できます。
役者は劇場の中から出ることはできません。
ただし、役者を増やす毎に消費魔力がどんどん増えるので注意!
あまり大きな魔力を持った相手だと効かないかもしれないよ☆
魔王には効きませんでしたテヘペロ。
※生き物をこの魔法で殺すことはできません!
今回の役者はならず者達かな。ざっと100人くらい。
これ一人の役者につき対象の持ってる魔力の分だけ俺の魔力使うけど、効果は絶大!
それに俺は呆れるほど魔力があるので心配もいらない。
ガンガンいこうぜ!ってわけだ。
男達が急に動けなくなったのに気づき始めたな。では喜劇の開幕といこうか。
「はーいちゅーもーく!」
手を二度叩いて注目を集める、つっても役者のやつらは強制的にこっち向かせたけどな。
「おい餓鬼!これはいったいんもごぉむーんー!んー!」
なんか騒いだ奴に俺が軽く手を振ると、ファスナーを閉めるような音がしてそいつの口が端から閉じた。
うん、他に騒ぐやつはいないな。
「えー現在この大広間には、このミッテル領内の悪の上層部が勢ぞろいしているわけだ。つまり、ここにいる人間がいなくなれば、ミッテル領はかなり平和になるとは思わないか?思うだろう?」
皆俺の言葉を理解するのに必死なのだろう。
誰一人言葉を発しようとしない。
俺はニッコリ笑う。天使の微笑みで、
「だから皆死んでくれ」
そう告げる。
やっと事態を理解し始めた数人が怒声を俺に浴びせてくる。
うーん聞きたいのはそういう声じゃないんだよ。
俺はアイテムボックスからベレッタを取り出して、今だ怒鳴り声を上げている男に向けてぶっぱなした。
実弾てのは結構五月蝿いんだよな。
乾いた音って表現は合ってるけどなんかその言い方軽く感じるよなーといつも思う。
とにかく耳に痛いくらい大広間に銃声が響き渡ったわけで、
「おーおービビっとるビビっとる」
外見はまるで天使のような5歳児が、乱暴な口調で血濡れた悪魔と化して嗤う。
これ中々イイ絵になってないだろうか?カメラ作っとくんだった!
後でニーナに渡しておこう。
「どーせもう逃げれないから、存分に騒ぎなよ」
俺がそう言うと、今度は怒声罵声ではなく悲鳴と命乞いが大広間を覆った。
大乱交の姿勢のまま固まって悲鳴を上げてるからなんかシュールだ。
「祈れ!お前等が生きてる間にできるのはそれだけだ!」
この台詞、一度は言ってみたかった。
やっぱデジカメ作って動画も撮っておこう。
こんなファンタジー世界で黒歴史も何もないだろう、うん。
大広間に幾度となく銃声が響き続ける。
弾が切れればすぐにマガジンを取り出してリロードする。
破裂音が鳴る度に、悲鳴が一つ減り、段々と大広間に静けさが広がっていく。
嗅ぎなれた血と硝煙の匂いに、どこか懐かしさを感じるね。
しっかし良心は本当に機能してるのかねぇ?
まあ殺してる相手が前世の俺みたいな奴らだからなー。
特に罪悪感も無い。
よしっと、これで残りは豚とその家族だけだな。
「あちゃー血と色んな液体でひでーことになってんな」
豚の娘――名前はもう忘れた――は放心状態で時々痙攣しながら涙を流していた。
なんか右腕の肘から下がいつの間にか無くなってるし。
ほっていても死ぬなーこれ。まいいか。
「じゃーねー、バイバイ」
ずどーん。あれ、外したかな?やっぱこの体だと反動で狙いがずれちゃうな。
もう一発・・・はい命中!
「・・・ぁぅ・・・ぁぁ」
うーん豚嫁はまともに喋れそうにないな。だって歯が全部無いんだもの。
きっと「歯立ててんじゃねーよ!」って感じで折られたか抜かれたんだろーな。
喉も潰れてらあ。
自業自得だな。
そうだこいつは属性弾試してみよう!
でも属性弾といって、破壊属性くらいしか作ってないけどね。
リロードして、今度はしっかり狙って、殺さないように腿あたりに・・・バーンっと。
「んー?当たったよなぁ?今の」
「はい、お見事です」
属性の効果が出なかったのか?・・・・って!
おうおうおうおうおう!
腿が膨らんでってるんだけど?
うわうわうわうわ!
・・・・うん、なんか予想以上にスプラッターな弾だな、破壊弾。
パーンっていったよパーンて。人間の体がパーンて。
あまり使わないようにしよう。せめて物とかに撃てばいいのかな?
うんそうしよう。
まあもう置いといてもすぐ死ぬだろうから放置!
本音言うとあんま近寄りたくない。
きっとこれ良心の効果だな!そうに違いない!
さてフィナーレといきましょう。
「おーい、生きてるかー?」
あれぇ?こいつ泣いてるよ。豚が泣いてるのは正直気持ち悪いね。
なんか呟いてるけど唇が晴れ上がってて何言ってるのかようわからん。
まこいつから聞きたいことは聞き出したしな。
悪事の証拠とか、悪い方向に向いた人脈とか。
「まあさー、しょうがないよなー。1歳の赤ん坊に自我が確立してるなんて思わないもんな普通。お前はさー運が悪かったんだよ」
んー、無反応ですか、そうですか。
一発足に撃ってみるか。
ずきゅーん・・・うーん、ビクッと震えただけでもう虫の息だ。
しょうがない終わろうか。もう眠いし。
「じゃそろそろ俺寝るから殺すなー?お前の財産は俺が有効的に使ってやるから安心してくれ。じゃあな」
言って俺はマガジンに入った弾全てを吐き出した。
ちょうど夜が明ける頃だった。
「0530、状況終了。お疲れ様です」
ニーナの静かな声がやけに耳に響く。
「この世に悪の栄えた試し無しって言うけどよ、悪が消えた試しもねーんだよなー。世知辛いねー」
「全くです」
俺の呟きにニーナが即答した。
いや俺が悪ってわけじゃないぜ?ないよな・・・?
もう寝よう。
ニーナ、おっぱい。わーい。
次の日からそりゃもう忙しかったよ。
何せ領主一家が養子を残して全員死亡。問題にもなるわな。
まず豚がやっていた横領やら賄賂やらそういう不正の証拠を全て王都に送りつけ、事のいきさつを書いた手紙も添える。
いきさつは適当に俺が不正を見つけてニーナが協力したことにした。何でもニーナ・チェルニーの名前を出せばある程度納得される可能性があるらしい。
一体何者だニーナ?
そう聞いても俺の下僕としか答えてくれないよ。アナライズでもそう出てくるよ・・・。
まあニーナの反抗期は置いといて、領地に混乱が起きないようにしないといけない。
って無理だな、ハッハッハ。何せ兵舎を爆破したからな、クックック。
いやすいません、調子乗りました。
だってエフェクトが派手な方がいいかと思ったんだよ。
それに俺の生まれた村を襲撃した時にいた奴らも混ざってただろうしなー。
うんやはりあれは必要な事だった。
あとは大広間の処理だけど、豚家族以外の死体は全部消した。
破壊属性でね、こうちゃちゃっと消滅!みたいな?
豚家族と金になりそうな賞金首は腐敗が酷いことになりそうなので取り敢えず首だけにして、残りは他と同じように消した。
血の痕とかはね、魔法ですよ魔法!空間と時間を掛け合わせて、元の状態に戻してやった。
むしろ元より綺麗になった気すらするぜ。
領地は王様に返しちゃうつもりだ。
面倒事は押し付けるに限る。
手紙にも領地返しますってのと、このお家はどうか取り潰してくださいって旨を入れてあるからまあ大丈夫だろう。
隠してあった財産の一部――それでもかなりの額みたいだ、ニーナが珍しく目を点にしてた――を回収して、今後の足がかりにする。
幸い冒険者という職業が傭兵みたいな感じで、生活しやすそうなのでその路線で行こうと思っている。
更に幸い、寝泊りの心配が全く無い!何故なら・・・
『孤人空間』
――空間・創造――
この魔法は自分だけの部屋を亜空間上に作ることができます!
最初に部屋の内装を設定するので結構魔力を使いますが、一度設定してしまえば次からはアイテムボックス並の魔力で済むのです!
設定できるのは広さ、家具、間取り、窓など沢山☆彡
但しあくまでひと部屋の内装です。
扉は出入り口のひとつだけ、窓は最高で4ヶ所です。
俺はこれで20畳くらいのモダンなLDKを作った。
テレビは無いけどね窓から外の風景が見えるのが面白いんだ!
外から中の様子は見れないので覗き対策もバッチリだぜ!
ソファーベッドを置いて、快適に寝れるし、キッチンもかなり機能的にした。
どうやってお湯が出ているのか全く不明のシャワーと風呂もある。
まあ扉が出入り口の一つだけだから衝立で遮っただけなのが玉に瑕だが。
とにかくここでニーナとキャッキャウフフしながら暮らすんだ!
もうそれだけで俺が幸せなのは言うまでもない。
ニーナの驚く顔が早く見たいぜ!
まだ5歳でヤリたいことできないのが、まったく世知辛い。
もっと厨二臭く行きたいんですが、中々難しいもんですねw