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6剥き目・復讐の宴1

プリヴェット!ユーリだ。

5歳になったぜ。


そして、祝!悪意の入れ子マリス・マトリョーシカ読破!

いやー長かった。


うん、正直途中で創造魔法にはまって中々進まなかったのは内緒だ。

この時代にベレッタM92Fを拝めるとは思わねーだろ?

他にも記憶にある奴で有名どころを片っ端から作ってったらもうはしぃじゃってはしゃいじゃって。


リロードは浪曼だから捨てられないとしても、弾は俺の魔力依存で属性までつけれるし、創造でマガジンストックしておけるから弾切れの心配ない。

問題は俺の体が銃を打てるほど大きくないってところか。アサルトライフルなんか反動で狙いが定まらないから扱えたもんじゃない。

まあいくら単発と言ってもハンドガンを一応撃ててる時点で体のスペックは相当高いんだろう。


そうそうニーナは認識阻害とかいう魔法を使ってたらしくて、それで耳の話はしてはいけなかったらしい。

俺がいつも見ているのが本当のニーナで、周りの人間にはかなり地味な影の薄い女だと思われてるらしい。種族も兎人じゃなくて普通の人間に見えるとかなんとか。

何でも豚に狙われないための措置だったとか。ニーナぐっじょぶ!


なんでこの話をしたかというと、俺がアナライズの事をニーナに自慢したからだ。

というかニーナのスペックは相当に高い。

あの後、この家にいる人は一通りアナライズしてみたのだが、魔力は高くても500くらいだ。この家では豚の嫁はんが500ちょっとで、豚と娘が400くらいで、使用人たちは多くて300、100以下の人も多い。


ニーナに聞いたら「私は規格外で、ユーリ様は反則です」、と言われた。

まあチートソウルだからな。魔力百万超って何のギャグだ。まあ俺なんだけども。

俺の解析結果とかただの犯罪履歴にしか見えなかったしな。

あれは流石の俺も泣いた。もちろんニーナの胸の中で。

何はともあれニーナとはかなり仲良くなれたと思う。

この家で唯一信頼しているのがニーナだ。

俺の意識が、生まれてすぐの時からある事と、復讐の話をしても俺への忠誠は全く変わらなかった。むしろすぐさま豚を殺しに行きそうな勢いだった。

まあこれで俺から離れるようなら殺そうと思ってたから安心だったな。

なんかこの思考は良心的にまずい気がするが今は気にしない。

なんたって俺は復讐の鬼である。



さてそれはいいとして、魔法も結構使えるようになったし、そろそろ復讐を実行しようかと思う。いつまでも豚の家にいると匂いがつきそうだし。

というわけで、今俺はニーナの報告を待っている。


そろそろ来るはずなのだが・・・おぉ来た来た。

ニーナは昔隠密系のお仕事をしてたらしくて、ちょっとお仕事を頼んでいたのだ。


「ユーリ様、首尾よく整いました」


「そうか。後は使用人達の方はどうなっている?」


「はい、指定された者を除いては、皆有給休暇という形で里帰りさせております」


「よしよし。それじゃ予定通り今夜決行で」


「御意」


ニーナが頭を垂れる。

最近はニーナといる時は喋り方を戻している。餓鬼のフリ――実際ガキだけど――は疲れるのだ。なんか精神的に。


指定した使用人達ってのは、豚から甘い汁吸っていい気になってるやつらなので一緒にぶっ殺すことにした。

豚に関わったやつらは全て俺の敵である。

まあどこまでこの復讐の輪を広げるかはまだ決めかねているけど、適当にやって終わらすだろうと思っている。

元々平穏に暮らしたかったのだし。

ただ明日以降は領地経営の見直しでかなり多忙になる気はする。

まいいか。それも俺が選んだことだな。

ある程度目処が立ったら王に領地返上する感じでいこう。


「それで、作戦はちゃんと伝わっているか?」


「はい、全てが大広間に集まるように」


「よし、じゃ俺リミットまで寝るから。作戦開始の1時間前くらいで起こして」


「御意」







夜、食事時も終わり、皆が就寝の準備を始める頃。




ミッテル領軍兵舎から・・・




復讐の狼煙が上がる。




喧しい爆発音が轟き、窓が揺れる。

俺はそれを自室の中で紅茶を優雅に飲みながらニーナと眺めていた。


「2200作戦開始。予定通りです」


「みたいだな」


あ、この世界は1日24時間で、1年が360日でひと月30日の12ヶ月。

あんま地球と変わらんね。


で、兵舎にはM4爆弾とクレイモア地雷を大量に仕掛けた。M4とはC4をもじっただけで、気分的にマジックフォー(奇声)!の略だ。威力はC4位だからC4と捉えてもらえればいい。

時間的にもこれで殆どの兵士は星になって飛んでいっただろう。

もし敷地から出ようとしてもクレイモアで逃げ場はない。

後先全く考えないくらい置きまくったから。


おっと階下が騒がしくなった。

裏町のならず者共が侵入してきたんだろうな。

奴らはこの仕事が終われば屋敷の財宝を好きにしていいと言ってある。

きっと張り切って仕事してくれるだろう。

ニーナの仕事は奴らを雇うことだったのだよ、ククク。


「2203屋敷侵入。その後2210までに制圧を終えるかと予想されます」


「まあ焦らずのんびりいこう。どうせ誰も(・・)逃げれやしないんだし」


「そうですね。おかわりは?」


「もらおうか」









たっぷりと時間をおいてから大広間に行くと、身なりの汚い男達が懸命に腰を振っているところだった。ざっと100人いるかもしれない。すごいなニーナ。

懐かしい匂いだねー、このむせ返るような獣の匂い!

男たちが囲っているのは頭に袋をかぶせられた豚の妻と娘。

更には屋敷に残されていたメイド達。

娘の方を囲ってるのはあれだな。紳士の服を脱いだロリコンだ。

まあそう言う奴らを集めさせたからあんなに集まってるんだろうが、酷いもんだな。

愉快痛快。

豚は猿轡をかまされて手足を縛って転がしてあった。


「ああメイドさんよぉ!あんたがくれたこの魔道具すげーな!ホントに魔法を弾いちまうんだからよ!」


この男がならず者のまとめ役だろう。アナライズでもそう出たので間違いない。


「当然です。ユーリ様の作ったものはすごいのです」


こんな状況でも平然としてるニーナはすごいね。処女のくせに。

あ、睨まれた。最近ニーナのエスパー化が進行してる気がするぜ。


「ユーリ様って・・・この坊ちゃんか?」


「いかにも、俺がユーリだな。あんたらいい仕事するじゃないか。期待以上だ」


「ユーリ、様ってここの息子じゃなかったか?」


「そうだが?」


まとめ役の男はポカンとしている。

そりゃそうだよな。いきなり5歳の餓鬼が出てきて家族が犯されてるの見ていい仕事と言うんだから、混乱するのもしょうがない。


お、豚が俺に気がついたな。

何か言いたそうにしているから喋れるようにしてやろう。


「おっさん、あの豚を喋れるようにしてやってくれ」


「っけ!態度のでかい餓鬼だな!まあ雇い主だし、言うこと聞いてやるよ」


まとめ役の男にやらせたのは自分でも触りたくないし、ニーナにも触らせたくないからだ。俺ってなんて優しんだろ。


「ゆ、ユーリ!これは、これは一体何なんだ?!」


うっさい豚だなー。喋れるようになった途端にギャーギャー喚きやがる。

妻と娘を見習えよ・・・ってあいつらは咥えてるもんがあるから喋れねーか。


「何ってなあ?復讐だよ、ふ・く・しゅ・う」


「な、ふざけるな!私がお前に何をしたというのだ!これまで育ててやった恩を仇で返しおゴハァ!」


なんか壊れたラジオみたいに喋りやがるので腹を蹴ってやりました。

あー贅肉の感触が気持ち悪いぜ。


「うるせーなー。人の親犯して殺して村まで潰したクソがよく言うぜまったく。俺あなぁ、あの時の事全部覚えてるんだぜ?・・・おいおっさんちょっとそこのブス二人持ってきて」


「あいよ。おいお前ら!いったん止めろ。挿したまんまでいいからその二人こっち持って来い!」


豚はまだ悶絶してる。てかどんだけ弱いんだ?身体強化使ったけど5歳児の蹴りですが?

男達が二人を連れてきて袋を取った。

おお、少しはいい顔になったじゃねーか。まだ醜いけどな!


「ゆ、ユーリ!こ、これは何なの!早く止めさせて!!」


うん豚の嫁に来ただけあった中々いい根性してるな。

娘の方は・・・駄目だな。もう目が死んでるよ。


「それは無理だ糞アマ。お前らにはこの豚が犯した罪を一緒に償ってもらう」


「つ、罪って何なの?!あの人が何をしたって言うの?」


なんだ知らんのか?全くあの豚は・・・・。


「俺はなー攫われたんだよ。そこの豚にな。村にいきなり来て、俺をよこせと言いやがった。もちろん俺の親は拒否った。そしたらどうしたと思うよ?こいつ俺の母親輪姦して、村一つ潰したんだぜ?盗賊に襲われたことにしてよ。その上、帰ってきたら俺を盗賊から助けたとか抜かしやがる。どうだ?笑っちまうだろ?だから復讐するためにこうやってこの場を用意したんだよ。理解したか?」


「そんな・・・」


おーいい感じにショック受けたみたいだな。

しかも豚の方を睨んでる。いいねいいね!


「さておっさん、俺はそこで見てるからしばらくは好きにしていいよ。ニーナ、お茶飲もう」


「はい、喜んでお供します」


「お、おう。よっしゃ野郎ども!今日は徹夜で行くぜ!!」



―――ヒャッホーーーーウ!!!―――




復讐の宴はまだ終わらない。

2つに分けました。

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