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23剥き目

ニーハオ!ユーリだ。


只今美味しくディナーをいただいてます。

ええ、美味しいですよ?

美味しいですって。

嘘なんて言ってないです。

ただ・・・いつも食べてるニーナの料理くらい美味しいです、はい。


ニーナがおかしいんだ!

たった数年で本職の人レベルまで上達するかふつー?

しかもこの店の方が素材はいいの使ってるはずなのに・・・これ以上考えたら駄目だな。

俺以外の3人はしっかり楽しんでるみたいだし。

特にニーナが料理を一口食べるたびに百面相していて面白い。

きっと料理の研究を食べながらしてるんだろう。

勉強熱心なことで、俺も見習おう。





「・・・トイレ」


ミーナが、俺がハッキリとその意味を理解するより前に、さっさと歩いて行ってしまう。

こういう時にお花を詰みにと言ったほうがいいのだろうか?

でもわざわざ俺達の前でそういうのはやらなくてもいいと思う。

ただこの場にはこの場のマナーというのもあるしな。

うん、後でニーナに・・・あ、はい、言っといてくれるのね。

相変わらずエスパーですね、彼女は。


「何笑ってるんですかラナさん・・・」


「いえ、より一層仲睦まじくなって、ウフフ」


なんすかその怪しい笑みは・・・。

そんな仲良く見えたんだろうか?

それはそれで嬉し恥ずかしである。


「ウフフフ」


くそ、この人には勝てない!

ミーナと同い年なだけあって二人のお母さん的ポジションを持ってるからな。

頭が上がらないんだ。


「何様のつもりだ!!!」


ああ、俺じゃねーよ?

こんな古風なおとっつぁんみたいな事言わないよ俺。


いきなりグラスの割れる音みたいなのが聞こえてきたと思ったら、こんな声も一緒にお届けされて俺もビックリだ。


「なんか騒がしいなぁ」


「そうですね。・・・ミーナが少々遅いですね」


おいおいおいそれは色々とまずいぞ。

もしかしなくても巻き込まれてる?!


「っ、行くぞ!」


「はい」

「はっ」


ラナさんとニーナを伴って音のした方へ向かうと、案の定ミーナがいた。

ただなんか様子が変だ。


ミーナが店員をかばって立ってるようにしか見えない・・・・。

一体何があったんだ。

なんにせよ、無口なあの子があんなとこにいても状況がこんがらがりそうだ。

助け舟になろうじゃないか。


「ミーナ、何があった?」


「水こぼした」


うん、これはきっと今ミーナがかばっているウェイトレスが誤って水をこぼしてしまい、それがこの目の前で憤慨している豚人もどきにかかってしまった、ということだろう。

なるほど、それでウェイトレスが危害を加えられそうになっていたところを咄嗟にかばったんだな。


「なるほど、偉いぞミーナ」


ご褒美に頭を撫でてやると、目を細めて気持ち良さそうにして、可愛いなーちくしょう。


「おい貴様か?!こいつの飼い主は!」


「失礼ですが、あなたは?」


全く人がせっかく気持ちよく耳をなでなでしているというのにこの豚人ときたら。


「黙れ下民め。俺の娘に水をかけたその下等種族をしつけていたのだ。そこの糞猫に邪魔されたがな」


まーた種族主義かよ、もう飽きたっつの。

なんでこんな可愛い生き物を差別できるんだ。

信じられん!

てか俺の問にくらいまともに答えてくれよ。

気が滅入るわボケ!


「体の割に随分小さな器を持ってらっしゃるようで」


「なんだと!」


あーうるさいなもう。

なんでこう言う奴らは声とか態度とかいちいちでかいんだ?


「お父様、その猫私欲しいわ。家で飼いましょう」


「あらこの子ったら。床が汚れてしまうでしょう?駄目よあんなもの家に入れたら」


家族はまともってパターンもちょっとは期待してたんだけどな・・・。

今日はなんでこう会う奴会う奴イカれたクソッタレばっかなんだ?


「ふん、餓鬼、その猫を渡せ。それで今日は許してやる。私も家族水入らずの食事の時間なのでな」


はあぁー、こっちも食事の時間邪魔されてんだっての。

今のはイラっときたわ。

っつーか猫ってなんだよ!獣人に失礼だ!

家畜にしか見えないような体格してるくせに。

獣人より上なのは体脂肪率だけだろうが。


まさっきからムカムカしてたけどさ。



「何か勘違いしているようですが・・・」


「は?」


「頭がたけぇよ、豚」



ローキックで膝関節を逆に蹴り折った。

逆パカならぬ逆ポキ?

元々上半身が重かったからなのか、意外とあっさりポッキリいった。


「っ!っがああぁああ!!」


やっぱりこういう輩は煩いな。


「今時種族主義(レイシスト)なんて流行んねーだろ。自分の豚みてーな腹引っ込めてからそういうこと言えってんだよバーカ」


「お父様!」

「あなた!」


豚家族が寄ってきた。

うーん、そこまで酷い容姿でもないのに、勿体無い。


「失せろ。二度と来るな。料理が不味くなる」


まあ時間も無駄にしたくないからこの辺で勘弁してやろう。


「覚えていろ!必ず後悔させてやる!」


「やってみろ」


この世界にそういうのがあるかは知らないが、中指を突き立ててやった。

教育上あまりよろしくないな、自重しよう。


しかし豚は俺が足を折ったせいで立てない。

重いから妻と娘でも支えきれない。

どうすんだろう?


「ゴーリー!お客様がお帰りだ。送って差し上げろ」


何か風格ある体格のコック帽被ったおっちゃんが出てきた。

エラとヒレがある・・・魚人!

人魚じゃなくて魚人!

まあ結局同じ生き物らしいよ?


ちなみにゴーリーはムキムキマッチョのガードマン?だった。

2m軽く超えてるよ・・・人間でこの身長は珍しいわ。

ゴーリーだから安直にゴリラ人とか出てくんのかと期待したんだけどな。


「な、止めろ!離せ!私は客だぞ!」


ああゴーリーに持ち上げられて行っちゃった。

そこで離したら落ちるだろうに、全く阿呆な豚である。

ドナドナ・・・。



「悪かったなぼうず。店の問題なのに手間かけさせちまって」


「いえ、それよりよかったんですかね?かなりでしゃばっちゃいましたけど」


「ああ気にすんな。たまにあることだしな。それに、ああいう差別的な奴はやっぱり・・・な?」


うむ、この人も魚人だからな。

色々思うところもあるんだろう。


「ではお言葉に甘えさせていただきます」


「おう、そうしとけ」


ええ人やこの人。

俺がガキってのもあるんだろうけどさ。


さて、俺は席に戻るかね。


「あ、ああああの!」


む、まだ何かあるのか?


「すいませんでした!それと、有難うございました!」


振り向けば、ペコリとお辞儀、ウェイトレス。


ああ、はいはい、水かけちゃった子ね。

確かに元はといえば彼女のミスが原因だしね。

でもそれは俺じゃなくてミーナに言わないと意味なくね?


「いえ、言うなら彼女に言ってください。彼女が何もしなければ僕も何もしませんでしたよ」


いやー実際ミーナが巻き込まれてなかったらさっさと席に戻ってた可能性が高いしね。


「あ、は、はい。えと、有難うございました!」


ウェイトレスの子はミーナに再び頭を下げて、「では戻ります!」と何故か元気に報告して仕事に復帰していった。


「ユーリ、嘘つき」


「え?なんで?」


「・・・助けてた」


えーと・・・、ミーナが関わってなくても助けてたって言いたいのかな?

うーんどうでしょう?

確かにあのままいったらなんだかんだ理由つけて首を突っ込んでた気はしないでもない。


ただそうするのはやっぱりニーナやミーナの手前カッコつけたいわけで、やっぱり彼女達のおかげと言える。

うん、そういうことにしておこう。


「ありがとな」


「?」


首を傾げるミーナ。

最高です。

撫でておこう。


さあ、まだまだ食事は終わってない。

味も景色も音楽も、コックも店員も、いいとこだよここは。

来て良かったね。


でも今日はプラスマイナスゼロな1日だったな。

馬鹿な脳筋冒険者と阿呆貴族の相手をしたのはほんとに運が悪かった。

そういうことがあった上で今のいい気分を味わってるのだとしたらなんとも・・・。

いいことばかりで世は廻らぬか・・・


世知辛い。


なんつて。











そう、俺は知らなかったんだ。

あの豚野郎が最後に残した捨て台詞。

「後悔させてやる」と、あいつはそう言ったんだ。


それが思わぬ形で成就してしまうことなんて、んなの知るかバカヤロー!


えー、皆様のおかげ様様で、なんと日間1位という栄誉を賜ることができまして、感謝とか色々通り越して、大変恐縮でございます。


非常に多くの方の目に止まるようになりまして物凄く恥ずかしいですが、なるべく更新続けていけるように頑張っていきたいと思います。


今後とも応援よろしくお願いします。

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