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22剥き目

ハイサーイ!ユーリさー。


これから種族主義者(レイシスト)をとっちめます!


いやまあ万歩譲って空腹の俺を邪魔したのを許したとしよう。

そこから10万歩譲って種族差別を許したとしよう。


だがニーナ達を悪く言うのは絶対に許しませんよ、ええ。

後悔先に立たずってね。

職を失う位は覚悟してもらおうか、ククク。


「オラガキぃ、てめぇ何ニヤニヤ笑ってんだ?あ゛ぁ?」


「お前は人を差別できるほどできた人間じゃねーだろーがバーカ」


俺の言葉に静まり返ったのは相手の冒険者だけじゃなかった。

屋台のおっちゃんもおばちゃんも、並んでいる客達も、遠巻きに見ていた野次馬もみんな間抜けに口を開けて固まった。


わかるぜ、その気持ち。


天使の様な子供(オレ)がまさか屈強な冒険者を挑発するなんて誰も思わないもんな。

平然としてるのはミーナ、困ったような笑いを浮かべてるのはラナさん、呆れているニーナ。


「っこんのクソガキが!」


頭に血が上った男の1人が腰の入ったいいパンチを撃ってくる。

流石に子供相手に武器を抜かないくらいの分別はあったようだ。


対する俺はって、まあ余裕だ。

身体強化を使うまでもないな。

止まって見えるぜ!


まずは向かって来てる男の右腕に蹴りを入れて骨を砕く。

すぐに懐に潜り込んで脛と大腿骨を折る。

落ちてきた男の首に地獄突きで喉も潰した。


「ァ゛~~~~~~~」


男は動物の鳴き声みたいな声を上げてのたうち回る。

一丁上がりだ。


「ってか弱すぎ」


そして蔑みの目を向けてやる。

こんな実力でよくあんなでかい態度を取れたものだ。

逆に感心するわ!


「な、何が起こった・・・?!」


お仲間のもう一人の男が大層困惑してる。

あちらさんにしてみれば、いきなり仲間がボロボロになったようにしか見えなかっただろう。

それくらいの早業で落としたからな。


「人間なんぞ繁殖力が優れているくらいだろうがよぉ。大した才も無いくせに出しゃばるな三下」


倒れふした男は恨めしげに俺を見てくるが、その視線のなんと心地いいことか。

さっきから頬が緩みっぱなしだよ。

これは全治6ヶ月くらいはいきそうだなぁ、かわいそうに。

仕事無しにどうやって生きていくのか知らないが、頑張ってとしか言えない。

野垂れ死にしてくれても結構だ。


「何しやがったてめぇ!」


「安心しろ、お前にも体験させてやる」


詰め寄ってきたもう1人にドロップキックをかます。

身体強化が無いと流石に少し重い。

それでも2mくらい飛んだけどね。


「・・・っちぃ、舐めやがって、クソガキが」


あら立ち上がるとは、意外とタフガイね。

褒めちゃうよ俺。

まあどう見ても満身創痍だけどさ。

ギャラリーがいなかったら銃で撃っておしまいなんだけどなぁ。

無関係の人達を巻き込むわけにもいかないよなぁ。


「寝とけ、めんどくせーな」


ヴァーストのいい匂いが漂ってきたので本来の目的を思い出したよ。

ってことですかさず顎にハイキック。

今度は横に数m飛んでぐったり動かなくなりましたとさ。


「おっちゃん焼けた?」


「あ、ああ。ちょうど焼けたとこだ」


ナイスタイミング俺。

ギャラリーが完全に引いてるけどしょうがないよね。


彼らは暫く仕事受けれないだろう。

まあどうにか生きてくれ。

死んでも何も感じないけどさ。


「はい、これであってる?」


「ぅおう、ま、毎度有り・・・」


さあ帰ろう。

柄にもなく目立ってしまった。


「はーい、通してね、はいはい、通して通してー」


おっと、ギルド職員ですか。

少々騒ぎすぎたかな?

トンズラしよう。


「ニーナ、行くよ」


「はい」


小声で促してニーナに先行させる。

その後を俺、ミーナ、ラナさんと続いて人混みに紛れた。

後ろで事情聴取の声が聞こえるし、周りの人の視線は俺に集まっちゃってるけど、ここは退散させてもらおう。


なにせ今捕まったらこの空腹が埋まるのがまた伸びるからな。


あー腹減った。












さあさあやってまいりました、高級レストラン!

「人魚の涙」っていう金持ちとか貴族様の間では結構有名なとこらしいです。

ってかほんとに人魚族が運営してるとかなんとか・・・イッツァファンタジー。

ギルドで聞いた情報だからまず間違いない。


外観だけでも金かかってるなーってのはわかるからね。

味はともかく"高級"なんだろうな。

町の郊外にあるんだけど、平屋造りで相当広い。

その上作りは意匠が凝ってて高級感を出してるし、楽団まで常駐してる徹底ぶり。

きっと俺みたいなイケメンがプロポーズしたら百発百中だろう。

冗談だ。

でもそんくらい雰囲気もいいってことだ。


「いいところですね」


そうだろうそうだろう。


「高そう・・・」


ミーナ・・・今更そんな心配するんじゃありません。


「値段は気にしないで好きに食べろよな」


「わかった」


マナーとかの問題は、一応貴族の教育を受けてたこともあって、無いと言っていい。

ラナさんとミーナも、ニーナが教育したから問題ない。

そんな彼女達は、どこからどう見ても貴族様に見える。


ニーナは黒のシンプルなホールターネックのマーメイドドレス、おしゃれは耳からということか?チラチラ覗く胸元とか足とか眩しすぎる!背中も大胆に開いて布の部分少ない。絶対俺のこと誘ってる。

ラナさんは落ち着いたこげ茶のVネックスレンダードレス、一児の母とは思えないふつくしさ。というかカッコイイ大人の女性な雰囲気。

ミーナはツワブキ色のボートネックAラインドレス、もっと暗い色にするかと思ってたけど、琥珀色の目と相まってすごくいい。今夜はニナミナ丼だな。


「いらっしゃい、ませ・・・」


店に入ってすぐに従業員が出てきたが、俺達を見て一瞬目を見開いた。

まあこの反応もわからんでもない。

獣人がこういう服装でこういう場所に来ることがまず珍しいのだ。


表立ってないとは言っても獣人を差別している奴らはいるわけで、貴族社会が未だ根強いこの国は中々獣人が前に出ることは少ないのだ。


単純に美形軍団|(もちろん俺も含む)にビックリしただけかもしれないけどな。


「御予約のお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」


「ユーリです」


「・・・はい、畏まりました。ではお席へ御案内いたします」


「お願いします」


従業員について席へ向かう。

今回は頑張っていいとこ予約したんだ。


この店「人魚の涙」は丘のようになっている場所の上に建てられていて、町を少し見下ろすような形になる。

つまり窓際に座ると、街魔灯に照らされてボンヤリ明るい町が一望できるというわけだ。


「こちらになります」


「・・・ほぉ」


「綺麗ですね」


思わず感嘆の声を上げてしまった。

と言っても、そこまで綺麗と思ったわけではないんだけどな。

何せこちとら100万ドルの夜景を見てきた男ですよ!

いや、まあそれも関係ないんだけどさ。

ギルドがね、やっぱりこの町でも大きい建物なんだけどさ、それがライトアップされてて、なんか監獄みたいに見えるっていう。

あと貴族街も少し明るいかな?

こうして見るとなんかのテーマパークみたいだ。

千葉県にある"東京"の冠つけた夢の国とかあんなん思い出すわ。

一度も行ったことないけどさ。


「おかけになってお待ちください」


従業員が離れて、少し他の席とは離れたここには俺達4人だけの静かな空間になる。

店内はクラシックがくどくない音量で響いて非常に落ち着いた雰囲気だ。

異世界の音楽なので初めて聴く曲だが、うん、悪くない。

ハードロックばっか聞いてた前世とは違ってこっちじゃクラシックしか無いからな。

それなりに耳もそっち仕様になっているのだ。


「今日は好きなもの頼んでいいからね。遠慮するなよ」


うん、みんな笑顔だ。

やはり食は世界を救う。


お気に入りが170件!

ユニークが10000超え!


これを起爆剤にスランプさっさと抜け出したいですね!w


いつもありがとうございます。

これからもよろしくです。

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