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2剥き目

よう、ユーリだ。

誰かって?俺だよ俺、転生したてのベイビーだよ。


ユーリってのがこの世界での俺の名前らしい。前の世界のは忘れたことにした。もう必要ないしな。


この世界の言葉は地球のヨーロッパ圏の言葉をごっちゃごちゃに混ぜた感じだな。英語系が根幹になっいて、理解するだけならかなり前からできるようになった。一応仕事は英語を使ってたしな。

でも舌が発達してないせいか意味のある言葉を話すのは難しそうだ。


俺が生まれたのは普通の農民の家で、親父は普通の青年。どっちかつうとイケメン。母さんも普通の女性。こちらもどっちかつうと美人。でも巨乳補正で美人度アップだな。

かく言う俺は、可愛い可愛いとちやほやされている。鏡が無いので実際のところどうかはわからないが、上手く親から遺伝されてれば悲観することは無いはずだ。


親父も前世の様に屑ではないので助かっている。今生でケツを掘られるのは御免だ。

我が不浄の穴は死守してみせる。


最近の俺はと言えば、合法的におっぱいしゃぶれる今この時を存分に楽しんでいる。

魔力があるのはなんとなくわかったし、それがアフォみたいに多いってのもわかるんだが、魔法を覚える機会がないわけで、農家にはそもそも魔法も必要無さそうだし。

俺は平和に、生まれたこの地で生きて行ければいい。

正直前世は色々犯りすぎて疲れてたし、こういう平穏な生活もいいものだ。

飽きたらその時考える。


一時期魔力が多いだなんだと噂になりもしたが、人の噂もなんとやらで今は落ち着いている。

今生は人の生き死になんかとは無縁に生きたい。











そう思っていた時期が俺にもありました。





俺が生まれて1年が経とうかという時だった。

夕食の後――と言っても俺は暖炉の火を見てボーっとしているだけだったが、突然玄関のドアが開いた。

と思ったらぞろぞろと鎧を着込んだ兵士が軽く10人ほどなだれ込んできた。


「な、なんだあんたらは?!」


親父も母さんも驚いている。そりゃそうだ。俺も驚いた。

泣かなかったけどな。


兵士達は親父達なんか無視して部屋をキョロキョロ見回している。

ふとその中の一人と目があった。


「タメラン様、どうやらあの赤子で間違いないようです」


その兵士が後ろの方へ声をかけると、一人の豚と見紛うほどの成金デブが家に入ってきた。


「た、タメラン様?!この度はどういったご用件でしょうか?」


んーどうやらあのデブはお偉いさんらしい。貴族というやつか。

しかし豚に真珠を地で行くような男だ。


「いや魔力の多い赤子が生まれたと聞いたものでな、貰い受けに来たのだ」


は?今あの豚野郎はなんて抜かしやがった?


「し、しかしユーリはうちの一人息子でして・・・」


いいぞ親父。俺は豚の子供になんてなりたくないからな。


「ほうユーリというのか。薄汚い農民にしてはいい名前をつけたな」


こいつ殺したくなってきたぞ。

親父の方がお前の贅肉だらけの顔よりよっぽど綺麗じゃボケ!


「あ、ありがとうございます。ですが貰い受けるというのは・・・?」


「貴様らのような愚鈍な農民にこれほど魔力を持った子供は勿体ないからな。私が養子にしてやると言っているのだ」


こいつ馬鹿か?

まったくもって魔法を練習していなかったのが悔やまれる。今魔法が使えたら迷わずあの腹の肉を吹き飛ばしているだろう。


「タメラン様、それだけはどうかご勘弁を。私はこの子を産んだ時にこれ以上子供を産めない身になってしまいました。ユーリは大切な跡取りなのです」


母さん・・・そんなこと俺聞いてないよ。無意味におっぱい要求してごめんなさい。

というかこの豚に俺が持って行かれたら母さんのおっぱいが!おっぱいが!


「ほぅ・・・なるほどなるほど」


ん?豚とその周りの兵士がニヤニヤし始めたぞ。ってまずいな。

俺はあの顔を知ってる。何せそういう商売もしたことがあったからな。

待て待て待て、くっそ俺なんもできねーぞ。

ここで親父が元勇者とかなら話は簡単なんだが生憎そんな世界は優しくない。


「なんとしてもユーリを私に渡す気は無いのだな?」


「はい」


まずい。


「私がいくら払っても?」


「ユーリを差し上げることはできません」


いや駄目だ母さん。親父も見てないで止めろ!

何自分も同じ気持ちですみたいな顔してんだよ!

俺は大丈夫だからさっさと差し出すと言え!


「なら仕方ないな」


豚が兵士たちに目配せをしたかと思うと、親父と母さんの腹に思い切り兵士の拳が埋まった。

声も上げれずに倒れる二人。終わった。

こいつら手馴れてやがる。初めてじゃねーな。

今も即効で猿轡みたいのを噛ませてるのを見ると、恐らく最初からこのつもりで来てやがる。

赤子の無力さたるや、子犬以下だクソッタレ。



そっからは本当に、本当に心底つまらない見慣れた光景だった。


母さんは延々と犯され続け、親父は泣きながら必死に抵抗していたけど途中で殺された。


母さんも何周か輪姦されてから殺された。



「ふぅ・・・意外といい女だったな」


豚が汚い一物をしまいながら立ち上がる。


「さて金の成る木を回収して、村人を全員殺せ」


このくそったれがまだやる気かよ。しかも俺は金の為か!母さんも親父もこの糞豚の私腹を肥やす為だけに殺されたってのかよ!


「この村は今夜盗賊に襲われたのだ。そう見えるようにしろ」


後半はニヤついてやがった。どうやらまだまだやる気満々のようだ。

万年発情期の豚とはこれ珍しい。

兵士達は意気揚々と外へ繰り出していった。

すぐに外が騒がしくなる。と言っても銃を使うわけじゃないから、前世よりは幾分静かだ。

人の悲鳴がやけに大きく聞こえてくる。



しばらくして馬車に積まれた。

豚が顔を近づけて俺の顔を覗いてきた。


「フフ、あの騒ぎの中で泣かぬとはな。やはり屑の農民には惜しい逸材だったな」


屑はてめぇだろうが!

俺が泣かねーのは怒り狂ってるからだ!

赤子の体に引きずられて泣くかとも思ったが、本気の本気で切れてる時はどうも大丈夫のようだ。


「さっさと帰るぞ。馬車を出せ!」


馬車が揺れ始める。


俺から全てを奪った豚は満足気に笑ってやがる。


いいさ。今はそうやってきたねー顔で笑ってろ。

利用して利用しまくって、最後は真っ赤な血濡れの化粧をお見舞いしてやるからよ。

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