19剥き目・awake
よお、ユーリだ。
猫耳親子を雇ってから早くも3年が経った。
3年経っても変わったことはそこまで無い。
ギルドのランクが3になったのと、ミーナを呼び捨てにするようになったくらいだ。
ランクが1つしか上がってないのは、かなりのんびり仕事をやっていたから。
そしてミーナの胸は膨らみかけという貴重な時期に来ている。
日々の成長を見逃さないようにしていたらいつの間にか3年も経っていたわけだ。
まあ重要なのはそこじゃない。
今俺はニーナに後ろから抱きついて、夢と希望を両手いっぱいに掴んだ状態なんだが・・・ついにだよ。
ついに!
マララが!マララが勃った!!
どっかの足の悪い少女が立ち上がった時並みに喜んだよ。
男ユーリ、11歳、封印されしセクスカリバーがついにエレクトした!
喜びのあまりニーナに「勃った!勃ったよ!ニーナ!」とパンツずり下ろしたまま抱きついて、それをラナミーナ親子に見られた。
ラナさんは苦笑しただけだったが、ミーナは何故か好奇心で目をきらっきらに輝かせていた。
この親子、ニーナの特訓のせいでメイド仕事は完璧にこなす。
更にミーナは筋がいいとかで普通に戦える、バトルキャッツになってしまった。
胴体視力が強化した俺と同等ってちょっとおかしい。
ただ人見知りと引っ込み思案は治ってないし、治させる気もないので安心である。
しかしだ、勃ったはいいがミーナの手前いきなりおっぱじめるというのもどうかと思う。
そりゃどこかのお貴族様なんかはミーナくらいの少女――幼女?――と縁談組んじゃうのもあるだろうけどさ、そういうのはウラヤマ・・・けしからんと思うのよ。
11歳て前世で言ったら小学生よ俺ら。
せめて中学生の歳になるまで待とう。
うん、それがいい、そうしよう。
それ以上は俺の我慢が持たないだろう。
それまでの間はニーナを研究する。それはもう全身全霊をかけて研究し尽くす!
あとラナさんにも娘をくださいって許可を貰わないとな。
そういうとこはしっかりしてるんだぞ、俺は。
さて部屋はどうしよう・・・。
『孤独空間』は広いし便利で快適だけど、あくまで「ひと部屋」って括りに入れないといけないから扉を新設できないんだよなー。
キッチンとかシャワーとか風呂とかトイレとか全部あるけど、ほぼ筒抜けだもんな、ここ。
流石にトイレには魔法をいくつか使って改良したよ?
空間を歪めて見えない様にしたのが我ながら上手いんだ!
他の魔法、例えば結界とか幻術とかだと、俺に効かないから全部丸見え。
でも空間をちょいと歪めたら俺にも見えなくなる。
そしてトイレの穴は掃除を減らすために亜空間の穴になっている。
排泄物が音もなく消えていくさまはどこか儚げでシュールだ。
更に匂いも出ないから防臭も消臭もしなくていい。
究極のトイレに行き着いたと自負している。
閑話休題。
それはともかくとして、うーん、部屋か・・・。
結界とか使って見えなくしてもいいんだけど、なんか家の中でまで気を使いたくないっていうか、なんか隠れてこそこそしてるみたいで嫌っていうか。
むしろ俺の家なんだし俺の好きにすればいいじゃないか!
そうだな、そうしよう!
「ニーナ!」
「はい」
「今夜・・・ヤルぞ!」
「メイド冥利に尽きます」
「いや待て、今すぐヤロウ!」
「恐悦至極」
なんか会話が狂ってる気がしないでもないが、今はそれどころではない。
この11年のムラムラを発散させる時が来たのである。
「ラナさん!」
「なんでしょう?」
「今からニーナとヤリます」
「わかりました。では私達はどうすればいいでしょうか?外に出ていましょうか?」
「いや、将来に備えてミーナに色々教えてあげて。見学って感じで」
「承りました」
あっさり承っちゃったよ。
ラナさんも大分俺の異常に慣れてきたね。最初はずっとオロオロしてたのに今じゃメイドスキルで言えばニーナと並ぶ腕前。
元々主婦だったのもあるんだろうけど、それにしても飲み込みがいいとニーナも言っていた。
ミーナにもそれは受け継がれているので、優秀な親子である。
「ニーナは見られたままヤルのは平気なん?」
「この2人なら全く問題ありません」
「そうか、じゃ早速始めよう」
というわけで、ニーナも俺も全裸になりました。
脱がせるのがいいんだよって意見もあるだろう。
俺もそういうのがいい時もある。
だがしかし!溜まりに溜まった物を出したい欲求が全てのフェチズムに勝ったのだ。
「ミーナ」
「・・・ん」
「よく見ておけ!いずれお前も経験する道だ!」
「・・・ん」
っく!今手を出したいが、抑えろ!抑えるんだ俺!
顔真っ赤にして俺の股間凝視してるミーナを断腸の思いで振り切って、ニーナと向かい合う。
自分で言い出しといてなんだが、見られながらって結構恥ずかしい。
これが乱交とかになるとまた気持ちに余裕も出るんだけど、ただの見学ってなんだ?!
新ジャンル過ぎて逆にハイテンションになってる俺がいる。
「ニーナ、始めにやっとかないといけないことがある」
「はい、なんでしょ・・・・・ん・・・」
喋ってる途中だったけど、黙らせた。
もちろん口で、マウストゥマウスで、キスで。
更に言えば深い方ね。
「・・・っはぁ、これは誓いだ。今まではまだ仲睦まじい主従で済ませてたけど、ここから先は違う。もっと蜜で近い関係だ。お前を嫁にって言ったの、あれ冗談じゃないからな?」
最後の方は小っ恥ずかしくていい加減にしちゃったけど、俺こういうの大事にしたいんですプライスレス。
「はぁ、ユーリ様ぁ」
・・・既に声が甘いんですけどこの子。
可愛いなぁもう!
ニーナの荒い息を耳元に感じながら、その透き通るような柔肌を堪能していく。
綺麗な形の耳、うなじから首筋、鎖骨へと下りてドリームマウンテンの頂へ。
そこから薄く割れた腹筋、ふともも、ふくらはぎ、足へと行ってから魔性の三角地帯へ。
感動だ。
これはヤバイ。バミューダトライアングルなんて目じゃないくらいにヤバイ。
俺は絶対この海域から帰って来れない自信がある!
「綺麗だな」
そう思わず言ってしまう程の美しさ。既に芸術品の領域である。
「行くぞ?」
「はい・・・あの、初めてなので優しくお願いします」
恥ずかしさに目をそらし、頬を赤らめて言うその姿に、全俺が悶えたのは言うまでもない。
嗚呼、何故俺は生まれたのか?
その答え、今なら言える。そんな気がする。
まあ実際は魂がどうのこうのって話だが、今はそんな夢のないことは頭のゴミ箱に捨てておけ。
苦節11年、遂にチェリーを脱した。
俺は今日この日の為に、魂に異常を持ってまで生まれ直した。
そう断言できる。
ちょい身長差的に俺が埋もれる感じが否めなかったが、それはこれから挽回していけばいい。
ついでに強いて言えば、隣でラナさんがミーナに色々性教育してたのもなんかシュールだったけど、これから大事になることだから目を瞑ろう。
それよりも、いつもは事務的な口調のニーナが、快感に悶える姿が目に焼きついて離れない。
理性を軽く吹き飛ばすような嬌声が耳に残って忘れられない。
神よ、今初めてあんたに感謝しよう。
俺を転生させてくれて、ありがとう。
「ユーリ」
「ん?ミーナか。どした?」
ニーナは生まれたての子鹿のようになってしまったので、ラナさんに介抱されつつシャワー。
俺はぼんやり行為の余韻に浸っていたところ、俺とニーナの行為をずっと見てたミーナがモジモジしながら俺の指を掴んてきた。
「・・・ぁの、ゎたしも・・・」
あっるぇー?そうきたか!
「待てミーナ。お前はまだ早いと思うんだ」
「でも、ユーリと同い年だよ?」
うぐっ、確かにそうだ。痛いところをついてくるな!
前世の記憶があるとこういう感覚がズレるのが玉にキズだよなぁ。
耐えろ俺!今は賢者タイムだと言い聞かせるんだ!
「・・・ゎたしの、こと、き、嫌い?」
「いやいやいや、待て待て待てどうしてそうなる?!好きですけど?初めて見た時からドツボにはまってますけど?!」
すごい涙目で見てきたので慌てて告白してしまったではないか!
これが誘導尋問というやつか!
「ほんと?ならいい」
すげぇ嬉しそうだな。
うん、萌えた。
「ああホントだ。そうだな、今日は疲れちゃったから、明日ラナさんに相談して決めよう、な?それまでは待てるか?」
「・・・ぅん、頑張る」
この条件で頑張るのか・・・もしかして猫さん発情期?
獣人はそういうのあるのかな?
でも兎のニーナは無さそうなのにどうなってんだろ?
まいいか。
ラナさんに聞けば大丈夫だろ。ミーナの実の母だしね。
今日は寝る。お休みなさい。