第2話:山ねこその1
オオカミ少年?
【※山ねこ】
僕はアノヒトが憎くて憎くてしかたがないんです・・・
アノヒトは僕を殺そうとした
死にたくなかった僕を殺そうとした・・
だから嫌いなんです
だからアノヒトが戦争に行ったとき心の底から喜びがこみあげてきました
アノヒトの大好きな人殺しができるんですよ
アノヒトは要領のイイ秀才だから殺しに夢中になって・・・
きっと・・きっと生きて帰る事でしょう・・
だから僕は毎日、神様にツバをはくんです
アノヒトが
死にます様にって・・・
僕はアノヒトを憎んでいます
些細な感情なので
きっとすぐに忘れてしまう事でしょう。
だから時々、星に呪いをこめ神様にツバをはきます。
だから僕は戦争が好きです・・・
・・
・
自分の性別まで偽るほど嘘つきな彼女のいじらしくて悲しいある愛の話・・・
つづく↓
シュバァイツァー博士の考察
オオカミ少年病、対義語病、または皮肉をこめ、サトラレ症候群とも呼ばれる奇病・・・・・。
今のところ発症したのは彼女だけ。
私は最初、彼女の狂言だと思っていた。
なぜならば、脳の言語中枢になんの欠陥もみられないからだ、医学的には彼女は正常、まったくの健康体以外のなにものでもない
試しに嘘発見機で彼女の言動をテストしてみた。
それて分かった事は彼女は嘘をつく時に一般的な人と同じ正常な反応をしめす事だった、つまり彼女にとって嘘こそが真実
私はこう思ったもしや
幼いころに意味を騙されて言葉を教わったのでないか?と
それならば納得がいく
しかし現実は彼女の両親は立派で厳格な教師であり
なによりも、幼い彼女は普通に言語を操れたとの証言が信憑性があるほど得られた。
彼女いわく(解読した)、真実の言葉を頭の中で思ったとしても
口から出る言葉は嘘に変換されてしまい、ならばあえて嘘を言おうとしてもその場合はそのままだと涙ながらに言う。
つまり本当に憎い相手には賛辞を
愛しい相手には暴言を
悪魔の呪い・・・
しかし、彼女を理解さえしていれば彼女ほどの正直者は居ないだろう。
だから彼女は皮肉めいたトゥルーの愛称で呼ばれる・・
実は私はほんの少しだけ彼女が羨ましい・・・
私は嘘と真実の曖昧な世界の住人だから・・
終わり




