第40話:聖剣の裁定――絆が紡ぐ奇跡
カイロスに頼らず、自らの意志で立ち上がったレオン。その手に握られたのは、神話の時代にすら伝説とされた「天の聖剣」でした。クラトスが驚愕し、神々が戦慄する中、瀬戸内の地は人間と神々の最終決戦場と化します。ララ、ナンド、リュウ、ジュンの四人はポセイドンとリリスへ挑み、レオンは単身で戦神クラトスを迎え撃ちます。
崩壊した瀬戸内の街に、これまでとは質の異なる「純白の輝き」が満ち溢れた。
レオンが右手を天に掲げると、虚空からまばゆい光の粒子が集束し、一本の美しい長剣が姿を現した。
「天上の聖剣――セレスティアル・エッジ」
その剣身からは、邪悪を退け、混沌を浄化する神聖な波動が放たれている。対峙するクラトスは、その剣を一目見た瞬間、雷に打たれたかのように立ち尽くした。
「……バカな。なぜだ……! なぜ『主』は、私にすら触れさせなかったその剣を、ただの人間である貴様に託したのだ!」
クラトスの咆哮には、深い困惑と嫉妬が混じっていた。レオンは聖剣を静かに構え、真っ直ぐに戦神を見据える。
「理由は簡単だよ、クラトス。……『従順』こそが、すべての力の鍵だったんだ。あんたたちが捨てた愛と信頼を、僕は選んだだけだ」
「笑わせるなッ! 力こそが真理だ!」
クラトスが双刃の剣を激しく振り下ろす。激突の瞬間、瀬戸内の海が割れ、衝撃波が周囲の廃墟を粉々に砕いた。しかし、レオンは一歩も引かない。五行の魔力と聖剣の輝きが混ざり合い、クラトスの神殺しの力を正面から受け止めていた。
一方、別の路地では激しい乱戦が繰り広げられていた。
ポセイドン(レニ)とリリス(ジラ)の前に立ちはだかったのは、ララ、ナンド、リュウ、そしてジュンの四人だ。
「どきなさい、小蝿ども!」
リリスが影の触手を放つが、それを地面から突き上げた緑色の鎖が絡め取った。
「そうはいかないぜ。俺たちの仲間を返してもらう!」
リュウが叫ぶ。彼の能力は、壁や地面、あらゆる物体から強力な緑の鎖を生成し、自在に操ること。鎖はリリスの影を縛り上げ、その動きを封じる。
間髪入れず、ジュンが猛獣のような勢いでポセイドンへ突進した。
「ハアアッ!」
彼女の能力は**「万獣の王」**。ライオンの筋力、鷹の視力、チーターの瞬発力……あらゆる生物の身体能力を千倍に跳ね上げ、その一撃は神の防御壁すらも叩き割る。
「おのれ、人間風情が……!」
ポセイドンが激昂し、大津波を呼び起こそうとするが、そこへナンドの青い雷光が突き刺さる。
「よそ見してんじゃねえよ! 神速・迅雷破!」
音速を超えたナンドの連撃がポセイドンの姿勢を崩し、その隙を突いてララが黄金の光を収束させた。
「今よ……! 二人を繋ぎ止める!」
ララは戦いの最中、密かに精神を研ぎ澄ませていた。彼女の目的は倒すことではない。依代となっているレニとジラの魂を救い出すことだ。
黄金のエネルギーが巨大な光の輪となり、レニとジラの頭上を囲む。
「レオン、お願い……時間を稼いで!」
レオンは聖剣を振るい、クラトスの苛烈な猛攻を凌ぎ続けていた。一撃ごとに骨が軋み、聖剣が火花を散らす。
「やらせるか……! 僕たちの絆は、神様の理屈なんかじゃ壊せない!」
ララは全神経を集中し、自身の意識を強引に深淵へとダイブさせた。
ポセイドンの冷徹な水の檻、そしてリリスの底なしの影の迷宮。
その二つの異なる精神世界を、ララの光が無理やり一本の線で結びつける。
(レニ! ジラ! 聞こえる!? 戻ってきて!)
漆黒の闇の中で、二人の本当の意識が微かに揺れた。
しかし、それに気づいたポセイドンとリリスが、最後の抵抗として凄まじい神気を放出し始める。
戦場は、精神と肉体の境界が消え去るほどの激戦へと突入していく。
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ついにレオンが聖剣を手にし、クラトスと互角の死闘を演じます。さらにリュウの「緑の鎖」とジュンの「万獣の力」という新戦力も加わり、ポセイドンたちを追い詰めていきます。
そして、ララが決死の覚悟で試みた「精神連結」。レニとジラの魂を呼び覚ますことはできるのでしょうか?
神話の力と、人間の絆が真っ向からぶつかり合う次回の展開。
ついにレニとジラの意識が覚醒するのか……!?
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次回、第41話「共鳴する魂――深淵からの帰還」。
運命の光が、闇を照らします!お楽しみに!




