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セトウチに灯る光  作者: Leon Black Angel


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第二十五話『選択と喪失』

痛みは、人を壊すこともあれば――

強くすることもある。

だが、その先で待つのは

必ずしも救いとは限らない。

闇。

すべてが沈んだ世界。

声も、光もない。

だが――

最初に動いたのはナンドだった。

拳を握る。

震えている。

だが、折れていない。

影の中から声が響く。

『お前は最後の一人だ』

冷たい声。

『何も守れなかった』

ナンドは顔を上げる。

ゆっくりと。

「……ああ」

認める。

だが――

笑う。

「それでもな」

一歩踏み出す。

「俺は見つけたんだよ」

光がわずかに灯る。

「希望をくれる神をな」

闇が揺れる。

「俺はもう一人じゃねぇ」

その声は強かった。

「だから――戦う」

拳を構える。

「誰かのためにな!!」

闇が砕ける。

ナンドの視界が光に包まれる。

次に。

ララ。

涙を流していた。

だが――拭う。

前を向く。

カイロスの声が響く。

『お前は失う』

低く。

冷たく。

『何度でも』

ララは首を振る。

「いいえ」

その声は静かだった。

だが揺るがない。

「後悔なんてない」

一歩前へ。

光が広がる。

「神に出会って」

微笑む。

「レオンに出会えた」

涙が落ちる。

だが、それは悲しみではない。

「それが私の選択」

強く言う。

「だから――負けない」

光が闇を押し返す。

レオン。

立っている。

闇の中で。

すべての声が響く。

『無力』

『遅い』

『守れない』

沈黙。

そして――

レオンは静かに言う。

「……知ってる」

すべてを受け入れる。

「全部は救えない」

拳を握る。

「でも」

目を上げる。

「それでもいい」

カイロスが現れる。

巨大な姿。

見下ろす。

レオンは睨み返す。

「俺の父は」

静かに。

「神のもとにいる」

その言葉。

揺るがない信念。

「俺はここで生きる」

一歩踏み出す。

「今いる人を守る」

剣を握る。

「それが俺の生き方だ」

闇が割れる。

光が広がる。

そして――

ジラ。

崩れていた。

ラガーの前で。

動かない体。

「……無理」

声が震える。

「無理……」

その時。

影が近づく。

優しく。

囁く。

『苦しいだろう』

女性の声。

甘い。

『その痛み、消してあげる』

ジラの目が揺れる。

『一緒に来ればいい』

その声に――

心が傾く。

「……ラガー……」

その瞬間。

目が開く。

黒く染まる。

完全に。

――リリス。

静かに笑う。

同時に。

レニ。

炎の中。

怒り。

憎しみ。

消えない。

その奥で。

声が響く。

深い海のような。

『いいだろう』

重い声。

『その怒り』

沈黙。

『我が使う』

レニの目が開く。

黒く染まる。

――ポセイドン。

現実。

寺。

全員が同時に目を覚ます。

「……っ!!」

荒い呼吸。

戻ってきた。

ナンド。

ララ。

レオン。

だが――

空気が違う。

ジラとレニ。

立っている。

動かない。

その目。

黒い。

完全に。

ナンドが叫ぶ。

「……おい」

ララが震える。

「ジラ……?」

レオンが前に出る。

「やめろ」

その瞬間。

二人が笑う。

同時に。

別の声で。

『……ようやく』

低く。

重く。

『まともな器だ』

空気が凍る。

『この体はいい』

リリスがジラを通して笑う。

『感情が深い』

ポセイドンがレニを通して言う。

『怒りもまた、力だ』

レオンが構える。

「返せ」

沈黙。

そして――

二人が同時に言う。

『まだだ』

空間が歪む。

『今は戦わない』

笑う。

『時が来たら』

次の瞬間。

消える。

完全に。

静寂。

残されたのは――

絶望。

ナンドが震える。

「……嘘だろ」

ララが崩れる。

「ジラ……」

レオンは何も言わない。

ただ、立っている。

その目に宿るのは――

怒りではない。

覚悟。

カイロスが低く呟く。

『……面倒なことになったな』

そして。

静かに。

『なぜ私は……』

一瞬の沈黙。

『こんな“折れない器”に入った……』

レオンの目が光る。

物語は、次の段階へ進む。

第二十五話を読んでいただき、ありがとうございます。

今回は「再生」と「喪失」を同時に描いた回となりました。

ナンド、ララ、レオンはそれぞれの痛みを乗り越え、

一つの答えに辿り着きました。

しかしその代償として――

ジラとレニが新たな敵として奪われる展開となりました。

物語はここから、さらに大きく動き出します。

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