遊びましょ
トイレの花子さんとある少女の怪談物語…
「花ー子さーん遊びましょー」
(また来た、もうそろそろ学校変えようかしら…)
私は花子。トイレの花子さんと言えば分かるだろう。私の仕事はトイレに来て私を呼び出す子供達を脅かしたり、呪って怪我をさせたり、そんな感じ。
何故そんな事をするかって?私たち怪談は人の感情から生まれた存在だ。人は忘れられた時に本当に死ぬと言うけれど、私たち怪談も忘れられた時に消えてしまう。
ここまで来るのに酷いこともしたものだ。副業で
「赤と青どっちがいい?」
って聞いて、答えによって傷つけたり血を抜いたりした時もあった。馬鹿な後輩が真似をして人を殺しだした時は結構な騒ぎになったものだ…
という話をしているうちに着いた。ここが最後の学校だ。有名になってもう驚かさなくて良くなったが、どうせなら最後までやってみたかった。
ーーー
「花ー子さーん遊びましょー」
(もうそろそろ潮時かな…)
私が1度驚かすだけで噂はあっという間に広がる、この学校にもトイレの花子さんの怪談が加わった。
ーーー
ある日私が目を覚ますと女の子がいた。
(あと数日で最後だし、直接驚かしてやろ)
「ねぇ、遊んでくれるの?」
私は急に後ろから話しかける。これくらいで叫んで出ていくだろう…
しかしその子は叫びも出ていきもしなかった。ただブルブル震えてその場にうずくまっていた。
(何故?)
そう思って外に出てみるとつっかえ棒がしてあった。
(ああ、しょうもない)
私はつっかえ棒を外してやり、
「棒は外してやったからさっさと出て行ってくれない?それともずっと遊ぶ?嬉しいなぁ〜ずっと一緒に居ようね」
そう言うとその子は走って出ていった。
ーーー
その子はまたやって来た、お弁当を持って。
「ずっと一緒に遊ぶって言ったら、ここじゃない何処かに行けるんですか?大丈夫です、連れて行ってください」
(ああ面倒くさい、今日の夜にでも出ていってやろう)
私はそう思ったが、その子が少し気になってあと数日様子を見ることにした。その子は毎日いるかも分からない私に話をしていた。
時には閉じ込められていたが、頑張れば開けられるようにつっかえ棒を少しだけずらしてやった。
するとその子はまた自信に満ちた顔でいるかも分からない私に話に来る。
ああそう、あれは好きだったタコの形のウインナーあの子には悪いが、いじめっ子グループがトイレに弁当を流してくれて少し感謝だ。
ーーー
今日その子は、変な筒を握りしめ悲しそうな顔で現れた。
「今日が最後だから…今までありがとう。」
その子はそう言って二度と来ることはなかった。
ーーー
今日はおばぁちゃんのお葬式だ。
みんなはトイレで亡くなったおばあちゃんを可哀想と言うけれど、私だけは知っている。
皆が慌ただしく救急車を呼んでいる中美味しそうな匂いがして、楽しそうな2人の声が微かに聞こえたことを…




