1話 踊れ!オドーレス
「はい!アーン!」
天音が僕の口に唐揚げを押し込む
「そんなに詰め込むなよ、噛み切れないだろ?」
「あははwごめんごめん!w」
何気ない昼休み
そんな何気ない日常が続き僕たちは3年生になった
「唯人!アーン!」
「もう!噛みきれないよぉ、」
「あははw」
今日もそんな何気ない日常のはずだった
パリンッ!
ダダダダダダダダダ!!!
「ひゃっはぁぁぁあー!!!今日のターゲットはここかぁ?」
「きゃーー!!」
教室に悲鳴と銃声が鳴り響く
「天音!」
天音を机の下隠し辺りを見渡す
「なんだあいつ、テロリストか?」
よく見てみるとそいつの腕には切り傷のような跡がある
「あの傷!聞いたことがある学校に乗り込んだ際ガラスでできた傷が炎のように見える男!腹踊りのオドーレス!」
「ターゲットはどこだぁ?ひゃっはぁぁぁぁ!」
教室の窓ガラスが割れ人々の血飛沫が舞う
「ターゲット?何か目的があって来た?一体誰がターゲットなんだ、」
しばらく銃声が続いた跡
悲鳴と銃声が同時に止まった
「全員死んじまったか?ターゲットなんていなぁじゃねえかよ
なぁ?サイレントさんよぉ?」
「そんなことはないわ、ターゲットはいる」
「二人?!もう一人来たのか!」
「ターゲットは、その机よ」
ドシン!ドシン!と足音がだんだん近づいてくる
「ターゲットは俺なことだったのか?どうする、こっちに近づいてくるぞ、天音はショックで気絶している、一か八か!!」
「ターゲットは、俺のことか?」
俺は天音を守るため一か八か飛び出した
ターゲットが俺だとすれば天音は殺されずに済むかもしれない
「お前はぁ、ターゲットじゃねえな?お前から狂者の匂いを感じねぇ、死んどけ」
「ぐはぁ、ターゲットは俺じゃなかったのか、」
「やっぱこの教室にはいねえんじゃねぇか?この教室ごと爆破しちまおうぜぇ!」
そんなの嫌だ
絶対に嫌だ
天音が殺されるのだけは絶対に嫌だ
「はい!アーン!」
「もう!唯人!店員さんにデレデレしない!」
「唯人ったら!もう!」
天音との思い出が俺の脳内に蘇る
天音だけは殺させない!
「まてよ、」
「なに?お前蜂の巣にされて死んでねえのか、それにさっきまでしなかった狂者の匂いがぷんぷんしやがる、なにした?」
「なにもしてねぇよ、ただ天音は殺させない」
男が機関銃を撃とうとした瞬間
全身がビリビリするような感覚に襲われた
「なんだこの感覚、」
機関銃の弾が当たるのとほぼ同時に俺の体が左に逸れる
弾は空を切った
「あれ、今絶対当たったと思ったのに傷ひとつない、どころかさっきの銃撃の傷がなくなってる?」
蜂の巣にされた傷は消え
機関銃の弾は咄嗟に回避した
「お前、まさか、感覚の狂者かぁー?まさかあの一瞬で覚醒しやがったなぁー!ひゃっはあぁあぁぁー!」
「オドーレスさがれ、」
さっきまで静かだった女がこちらに飛んできた
女は目に見えない速度で唯人を倒した
「オドーレス、あのままじゃお前は負けていたぞ
それほどに感覚の狂者は強い」
「すみませんサイレント、少し油断しました」
「まあいい、次こそ踊れオドーレス」
「まさか今回ターゲットが感覚の狂者だったとは、」
「いや、今回のターゲットはあいつではない、
ターゲットはあの女の方だ、」
「女ぁ?あの男が守ろうとしてた天音とかいう女の事ですか?」
「そうだあの男は偶然感覚の狂者に覚醒したにすぎない
あの女こそ私たちが追い求めていたsevensの一人
味覚の狂者だ」