俺が怒鳴る(おまけ)
「ていうか、なんで駐車場にいたんだ?部屋の合い鍵持ってるんだから中に入って待ってれば良かっただろ?」
真奈の手作りオムライスを食べながら疑問に思っていたことをぶつけてみた。
まあ、真奈のことだから鍵を忘れたとか部屋で待つなんて思いつかなかったってとこなのだろう。
「んと~合い鍵はあるんだけど。勝手に部屋に入ったら不法侵入で前科者になっちゃうでしょ。
だからそうが帰ってくるのを駐車場で待ってたの」
「…お前なあ…何の為の合い鍵だと思ってるんだ…?」
「へ?そうの部屋に入る為の大切な鍵でしょ~?そんなこと分かってるよ~。だから毎日崇め奉ってるんだよ」
…分かっていない。
合い鍵を渡している以上、真奈の出入りがあることは想定内であり不法侵入にはならないと思うのだが。
まあ一報ぐらいはあった方がいいが今回のように急に訪ねてきたとしても追い返すわけがない。
そして鍵を崇め奉るな。
そんな姿不気味でしょうがない。
「はあ…。いいか真奈、今度からは部屋で待つんだぞ。俺が許可してるんだから不法侵入にはならない。分かったか?」
「んー了解でーすっ」
バンザーイと両手を上げて騒ぐ合い鍵崇拝者。
「そういやお前着替えは持ってきてるのか?泊まるつもりなんだろ」
バンザイから何やら儀式かのように正座をして両手を伸ばしたまま深くお辞儀をする崇拝者に聞く。
「さすがそう様~!私の考えなんてお見通しなんでございますね!
図々しいながらお泊まりさせていただきます。もちろん着替えはあります。下着は忘れてきました!テヘ」
…テヘじゃない。
サイズはかなり違えど服はあるが女の下着はないぞ。
「はあ…。とりあえず今日はまた「パンツ貸ーして♪」
「…」
まさか女に、しかも自分の彼女に下着を貸す日が来るとは誰が想像できただろう…。
この後、俺は下着相手に崇め奉る不気味な姿を目の当たりにするのだった。