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魔法少女、嫁になる。  作者: アブラゼミ


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第46話 大臣の乱

「大臣よ、申し開きはあるか」

「こ、国王様…。これは何かの間違いで…」

「間違い? これだけの証拠が揃っているのに何が間違いなのだ?」

「こ、これは! 私をおとしめるための罠でございます!」

「ほう? では罠だと言い張れる証拠があるのだな?」

「そ、それは…」


本来ウスグラーイ領に配分されるべき交付金を着服し、私腹を肥やしていた大臣が自らの罪を暴かれ脂汗を流す。

国王が掲げている裏帳簿は紛れもなくウスグラーイ領の金を着服した証拠だ。

それ故わざわざ自分の館に隠しておいたのに…

一体誰が、考えるまでもなく1人しかいない。

ウスグラーイ領の領主で、この国を救ったとか言うあの若造だ。


「(若造め、余計な事を…!)」

「大臣よ。罪を認めるか?」

「い、いえ! 私は何の罪も犯しておりませぬ! これは私をおとしめるための罠なのです!」

「ならば罠だという証拠を出せるのだな?」

「そ、それは……ひと月ほど頂ければ…」

「3日だ」

「はっ…?」


ひと月もあれば色々ねじ曲げたり圧力をかけたりしてこの状況を覆せると考えていた大臣が、王の言葉に愕然とする。


「3日以内にそなたの潔白を示す証拠を示せ、できなければそなたを処罰いたす」

「そ、そんな…」

「よいな?」

「はっ…!」




王の間から下げられ、大臣が怒り心頭の足取りで廊下を歩く。


「あの若造領主め…! 余計な事を…!」


自分のした事は棚に上げ、大臣が禿げ上がった頭に汗を浮かべながらウスグラーイ領主への呪詛を述べる。

マジカル・ランドに死刑はないが、死よりも恐ろしい刑がある。

城の地下で一生強制労働させられるか、頭に魔力を吸い取る装置をかぶせられ一生何も考える事ができない魔力を吸い取られ続けるだけの廃人にされてしまうという刑だ。


「冗談じゃない…! どちらもゴメンだ…!」


汗と怒りを禿頭に浮かべながら、大臣が自分の領土へ急ぐ。

この状況をひっくり返す方法はただ一つ。

反乱を起こし王女とこの国を手に入れるだけだ。




*************************************




「よいな、狙いはミソラ様だぞ。ミソラ様を絶対に逃がすなよ」

「分かってるさパパン。それから先は、好きにしていいんだよね?」


キザったらしい前髪をなでつけながら、大臣の息子がいやらしい笑みを浮かべる。

以前見合いをした際に、「生理的に無理」という理由で断られてしまった大臣の息子は自己中心的な性格のクズ野郎だった。

大臣の領土でも気に入った女性を自分の物にしては捨てたり、暴行したりを繰り返しており、それをもみ消すため大臣は苦労させられた。

しかしそんなクズ息子でもかわいい息子だ。それにそのクズな性格が役に立つ時が来た。

ウスグラーイ領に入り浸っているとかいう王女を捕らえ、人質にすれば王といえども手を出せなくなる。

そして自らが王になり、この国を手に入れる。それが大臣が考えた起死回生の一手だった。

私兵団と共にウスグラーイ領に向けて進みながら、大臣は薄暗い笑みを浮かべる。

余計な真似をされたせいで窮地に陥りかけたが、これはこれで好機かもしれない。

考えようによっては、自分が全てを手に入れる好機だ。

王女を手に入れ、王の座も手に入れ、金も、地位も、名誉も権力も手に入れる。

この国が自分の物になるのだ。

そんな事を考える大臣の前に。




『ウオオオオオオン!!!』




天を衝くほど大きな闇の巨人と、




「ウスグラーイ領のお金を横領しクロカゲさん達を困らせていた悪い大臣さん! 来ましたね! 成敗いたします!」




久しぶりに変身でき、気合い十分でやる気満々でノッリノリのマジカル・プリンセスが現れた。




………大臣と息子と私兵団はコテンパンにされ、全員捕らえられ牢獄行きとなった。

ミソラ「クロカゲさん、闇の巨人使いこなせるようになったんですか?」

クロカゲ「ああ、3分だけな」

ミソラ「3分!」

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