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第4話 魔法少女、仲間の元に帰る。

『クロカゲよ。1週間経ったぞ。虹の欠片と王女の在処の事はどうなっておる』

「ジャ=アーク様、あの魔法少女は知らないと言っています」


魔王ジャ=アークの問いかけに、かしずいているクロカゲが答える。

その答えが気に入らなかったジャ=アークが、クロカゲに雷を落とす。


『知らぬで済む話か! もうよい! あの少女をここに…』

「…魔王様! ご提案がございます!」


雷を食らい慣れているクロカゲが、すぐに立ち直り声を上げる。


『何?』

「あの少女と引き換えに精霊を渡すよう魔法少女達と交渉するのです」

『フム…』

「魔法少女達は虹の欠片の在処を知らされていない模様。ですがあの精霊であれば何か知っているはずです。ですので人質の交換を要求しましょう」


立て板に水とばかりに用意していた台詞をすらすら言うクロカゲ。


『…』


黙り込む魔王ジャ=アーク。

クロカゲの背中に一筋の汗が流れる。

この提案が受け入れられなかったら…


『クロカゲよ』

「はっ」

『そなたの案を採用しよう。あの魔法少女と引き換えに、精霊を連れてくるのだ』

「はっ!」

『クロカゲよ』

「はっ」

『しくじるでないぞ?』

「…はっ!!!」


クロカゲの背中に、また一筋の汗が流れる。

なぜなら彼は、しくじる気満々だからだ。




*************************************




『人払いの魔法』がかけられたリアル・ワールドの公園に、クロカゲが降り立つ。

その傍らには手だけを後ろ手に縛られたミソラがいた。

時間ピッタリ、15時に現れた彼らの前に赤髪の魔法少女と金髪の魔法少女が現れる。


「早苗さん! すみれさん!」

「ミソラ! 今助けるわ!」

「ミソラちゃんになんて事を…!」


ミソラが2人に呼びかけると、魔法少女の2人がクロカゲを睨んだ。


「よく来たな。さあ、精霊とこの娘を交換…」

「するわけないでしょ! ミソラちゃんを返しなさい!」

「アンタ……ミソラに何してるのかしら? ギッタンギッタンにしてあげるわ!」

「…」


仲間が1週間帰ってこなくてやきもきしていた2人が、殺意満面の視線でクロカゲを睨む。

2人の迫力にたじろぐクロカゲ、その耳にミソラが小声で話しかける。


「(クロカゲさん、これからどうするんですか?)」

「(…考えてなかった)」

「(ちょっと!?)」

「(冗談だ。適当に戦ってやられたフリをして放すから2人の所に行け)」

「(だ、大丈夫なんですか? しくじったら魔王にお仕置きされるんでしょう?)

「(魔王の雷には慣れているから大丈夫だ)」

「(…それは慣れてはいけない奴なのでは?)」

「ミソラ! 今助けるわ! ヤアアアッ!」


金髪の方の魔法少女、マジカル・シャイニングがいきなり飛び蹴りをかましてくる。


「スカーレット・アロー!!!」


かろうじて躱したクロカゲを、赤髪の魔法少女マジカル・スカーレットが放った炎の矢が襲う。


「クロカゲさん! 危ない!」


クロカゲを庇おうと、ミソラが炎の矢の前に出る。


「危ないのは君だ!!!」


縄を引っ張り、ミソラを抱き留めてクロカゲが炎の矢を躱す。

クロカゲがミソラを抱きしめたまま地面に転がる。


「(何やってんだ!? 危ないだろ!)」

「(でもあのままだとあなたが!)」

「(君は今魔法少女じゃないんだぞ! 自分の身体を大事にしろ!)」

「(えっ… それって『もうお前1人の身体じゃないんだから』って事ですか!?)」

「(そんな意味じゃねえ!?)」

「あなた… 今ミソラを盾にしようとしたわね?」

「卑怯者! 恥を知りなさい!」


魔法少女2人がクロカゲに向けて怒鳴る。

更に怒らせてしまったようだ。

まったく言うことを聞いてくれないミソラと、まったく手加減してくれそうにない魔法少女2人にクロカゲは内心頭を抱える。

ここからどうすれば…




「ドロローン!」




そんなクロカゲの隣に魔王の幹部の1人、泥の怪人ドロローンが地面から飛び出してきた。


「ドロローン!?」

「クロカゲー! 加勢に来たよーん!」

「いらねえ! ホンットにいらねえ!」


余計に話がややこしくなりそうな奴の登場に、クロカゲが声を荒らげる。


「そんな事言わずにさー。こいつが捕まえた魔法少女? ボクが預かるからクロカゲは存分に戦いなよー」

「オイ! こいつは俺のだぞ!」

「えっ(キュン)」


ミソラにつながっている縄をドロローンとクロカゲの取り合いを始め、クロカゲの言葉にミソラが頬を染める。


「何だかよく分からないけどチャンスだよ! シャイニング!」

「ええ! シューティング・スター!!!」

「「ギャー!!?」」


超光速の体当たり、マジカル・シャイニングの攻撃にクロカゲとドロローンが2人まとめて吹っ飛ばされる。


「クロカゲさん!?」

「ミソラ! もう大丈夫よ!」

「ミソラちゃん! 怖かったよね! ごめんね!」


金髪の魔法少女がクロカゲとドロローンを警戒するように前に立ち、赤髪の魔法少女がミソラの縄を解く。


「クロカゲさん! クロカゲさーん!!!」

「ちょっと!? 何であいつらの方に行こうとしてんのよ!」

「早苗さん放してください! クロカゲさんが!」

「ミソラちゃん! もう大丈夫だからね!」


クロカゲの元に行こうとするミソラを、赤髪の魔法少女と金髪の魔法少女が2人がかりで止める。


「くっ…! よくもやってくれたな! 次はこうはいかんぞ! 覚えてろ!」

「あー! 待ってよクロカゲー! ……ドロン!」


捨て台詞を吐いて姿を消すクロカゲとドロローン。


「ああ… クロカゲさん…」


ミソラが名残惜しそうにクロカゲが姿を消した場所に手を伸ばす。

こうして、

終始色々噛み合わないグダグダな展開で魔法少女ミソラは仲間の元へ戻ったのだった。

魔法少女マジカル・スカーレット/赤城早苗

年齢:13歳(中学2年生)

身長:156cm

体重:47kg

特技:マルチタスクで物事をこなす事

趣味:アニメを見る事

家族構成:父・母・妹(小6)・弟(小3)・妹(5歳)

部活:帰宅部

得意科目:理科・数学

苦手科目:英語・体育

好きな食べ物:カレーライス

苦手な食べ物:給食のレーズンパン

最近の悩み:ミソラちゃんとすみれちゃんが言う事を聞いてくれない

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