第3話 魔王の幹部、魔王を騙す
「これはこれはクロカゲさん。ずーいぶん遅かったですねえ」
クロカゲが魔王の間に入ると魔王の付き人、瓜の怪人ウーリーンが嫌みったらしく声をかけてくる。
それを無視したクロカゲだが、魔王の間にある人物がいない事を疑問に思いウーリーンに尋ねる。
「ドロローンはどうした?」
「ドロローンさんなら精霊を取り返された罰を受けて現在お仕置き中ですよ」
「取り返されたのかよ…」
「ええ、魔法少女を捕らえたあなたと違って無様にね」
ウーリーンの背後から魔王の幹部の1人、水の魔女ミズ・シズクティーヌがスカートの長い裾を翻しながら出てくる。
「お手柄じゃないクロカゲ。で? 捕まえた魔法少女はどこにいるの?」
「それなら…」
『クロカゲよ』
重々しい声が魔王ジャ=アークの間に響く。
クロカゲ、ミズ・シズクティーヌ、ウーリーンはひざまずいて忠誠を見せる。
『捕らえた魔法少女はどこにおるのだ』
腹の底にまで響く魔王ジャ=アークの重い声。
それに威圧され冷や汗をかきながらもクロカゲは答えた。
「魔法少女の1人は我が城に捕らえてあります。現在虹のカケラの居場所を吐かせるため尋問中です。しばしお待ちを」
『何?』
「クロカゲさん。なぜ魔王様の下へ連れてこないのですか? 今すぐ連れて来て下さい」
「いえ、あの少女の事は私にお任せを。こちらをご覧下さい」
クロカゲが、対話鏡の画面を壁に映し出す。
『ん、んんー!? んんー!!!』
そこにはウスグラーイ城の地下牢で、椅子に縛り付けられた上に目隠しとさるぐつわをされ影の触手で全身をまさぐられ悶えている少女の姿が映っていた。
『…』
「…」
「…」
言葉を失う魔王ジャ=アーク、ウーリーン、ミズ・シズクティーヌ。
「現在ご覧の通り拷問中です。虹のカケラの居場所を吐くのは時間の問題かと」
『…』
黙り込む魔王ジャ=アーク。
その無言の圧だけでもかなりのプレッシャーだ。クロカゲは内心ヒヤヒヤしながら次の言葉を待つ。
『………よかろう。クロカゲ、あの娘の事は貴様に任せる』
「はっ」
ジャ=アークの言葉に、クロカゲはホッとする。
「クロカゲさん…、お楽しみなのはいいですがあまり羽目を外しすぎないようにお願いしますよ。おお、かわいそうに」
言葉とは裏腹に、対話鏡の向こうの少女に下卑た笑みを浮かべながらウーリーンが笑いかける。
「あなた…、意外と鬼畜だったのね。見直したわ」
妙な評価を下すミズ・シズクティーヌにクロカゲは微妙な顔をする。
かくして、クロカゲは魔王との謁見を乗り切った。
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ウスグラーイ城の地下牢に、1人分の足音が響く。
目隠しをされているけれど、足音だけでそれが誰か分かった少女が見えないけれど顔を上げる。
檻の扉が開けられ目隠しとさるぐつわが外され、ミソラはその人物の名前を呼んだ。
「…クロカゲさん!」
「待たせてすまない。ミソラ、うまくいったぞ」
「よかったです!」
「ジャ=アークを騙すためとはいえ悪かったな。今解いて…」
「…ま、待ってください」
少女が、自分の背後に回り縄を解こうとするクロカゲを止める。
「その…、このまま昨日みたいにしてください…」
「…」
この後めちゃくちゃ(以下略)
魔法少女マジカル・ウィンディ/市ノ瀬美空
年齢:17歳(高校2年生)
身長:152cm
体重:45kg
特技:料理!
趣味:トレーニング! 読書! お友達とおしゃべり!
家族構成:父と母! チャッピー!
部活:茶道部!
得意科目:体育! 国語!
苦手科目:ありません!
好きな食べ物:焼き魚!
苦手な食べ物:酸っぱい物!
最近の悩み:ありません!