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魔法少女、嫁になる。  作者: アブラゼミ


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15/50

第15話 魔法少女、プールに行く

「プールに行きましょう!」




ミソラの呼びかけに、ウスグラーイ城に集まったクロカゲ・早苗・すみれが顔を上げる。

クロカゲは何やら書類仕事、早苗とすみれは夏休みの宿題をしていた。


「プール? なんで?」

「夏だからです!」

「夏だからか」

「何よその理由」

「アハハ…」


ミソラの返答にクロカゲは無表情で復唱し、すみれは呆れ、早苗は苦笑する。


「プールねえ… まあ毎日泳いでるから別に構わないけど」

「え? もしかしてすみれちゃん家、プールがあるの…?」

「ないわよ」

「えっ?」

「ウチにプールなんてないわよ。プールは専ら近くの市民プールに行ってるわ」

「そ、そうなんだ…」


お金持ちの家にはプールがあるものだと思っていた早苗が小さくなる。

それを見てフンと鼻を鳴らしたすみれがミソラに向き直る。


「で? いつ行くの?」

「今日です!」

「だと思ったわ」

「でもミソラちゃん……私水着、学校の水着しか持ってないんだけど」

「私もです! クロカゲさん! 水着を買いに行くのでお金出して下さい!」

「いいぞ」

「いいんですか!?」

「相変わらずミソラに甘いわね…。お金大丈夫なの?」


クロカゲの返答に早苗は驚き、すみれは顔をしかめる。


「ちゃんとまっとうなやり方で稼いだ金だ」

「うさんくさいわね…」

「まあまあいいじゃないですか! 水着買いに行きましょう! その後、プールです!」

「俺は行かない」

「えー!? どうしてですか!?」

「やっておかないといけない事があるんだ。それにリアル・ワールドは日差しがキツい」

「そりゃこんな薄暗い所で暮らしてたらあっちの夏はしんどいでしょうね」

「えー、行きましょうよクロカゲさーん」

「行かない」

「行きましょうよー」

「行かない」

「行きましょうよー。私の水着姿、見たくないんですか?」

「見たいけど行かない。水着姿は二人きりの時にここで見せてくれ」

「どさくさに紛れて何言ってんのよ」

「…むう。まあいいでしょう! 早苗さん! すみれさん! いきましょう!」




*************************************




「暑いわね…」


プールサイドの日陰に座り込んだすみれが、誰にも聞こえない声で愚痴る。

プールに入ってもいいのだが、今日は人が多すぎる。泳ぐというより歩くしかできないプールに入る気はしなかった。

それでもプールに入っている2人、ミソラと早苗は楽しそうだ。


「ミソラのああいう所って、何なのかしらね」


年上だというのに子どものように何でも楽しむミソラを見て、すみれは違和感を感じる。

17歳というけど、本当に年上なんだろうか?

でもウソを吐く理由がないし、ミソラはウソが吐けない性格だ。


「それにしても…」


新しい水着を買ったミソラと比べ、結局スク水の上にTシャツを着て泳いでいる早苗を見てすみれが目を細める。

お金はクロカゲが出してくれるというのに、遠慮した早苗は新しい水着を買うのをやめた。

無駄なお金を使う必要は無いというのが早苗の弁だが、ただ単にケチなだけじゃないだろうか。

それとも……新しい水着が買えない可哀想な自分という立場を手放したくないだけだろうか。


「…フン」


早苗が自分の事をあまりよく思ってない事は知っている。

けれどもお金持ちの家に生まれたくて生まれたわけじゃないし、環境の違いを嘆いたって何も変わらないんだからと思うのは自分の傲慢だろうか。

それに…


「すみれさんすみれさん! すみれさんも泳ぎましょう!」

「え? ちょ、ちょっと!?」


ミソラに強引に手を引かれ、すみれがたたらを踏んでプールへ引きずり込まれる。

引きずり込まれた仕返しに、すみれがミソラに水鉄砲を浴びせる。

顔面に水鉄砲を浴びせられたミソラがキャアキャア言いながら反撃してくる。

水を掛け合う2人を遠巻きに見ている早苗も、ミソラに強引に引き込まれる。

思えば魔法少女になった時もそうだった。

乗り気じゃない早苗の腕を引っ張るミソラを見ながら、すみれは思う。

ミソラに巻き込まれ、早苗とすみれは魔法少女になった。

そしてこれまでの生活は、一変させられた。

その事がどこか心地よく思っている、すみれなのであった。

彼女が水着に着替えたら


ミソラ 布面積が多いトップスとセパレートのズボン型の水着

すみれ 黒のビキニにパーカー

早苗 スク水の上にTシャツ

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