第11話 魔王の幹部、カレーを作る。
「ありえません! カレーは混ぜずに食べるのが1番です!」
「そっちこそありえないわよ。カレーは混ぜて食べるものでしょ」
いつものように下らない事で言い争い始めたミソラとすみれを、クロカゲと早苗がちらっと見た後ため息を吐く。
「混ぜずに食べるのが1番です! 全部混ぜちゃうと全部同じ味になっちゃうじゃないですか!」
「混ぜて食べるのが1番よ。本場インドじゃカレーは混ぜて食べるじゃない」
「ここは日本です!」
「…いや、ここはウスグラーイ領なんだが」
ミソラの発言に、クロカゲがぼそっとツッコむ。
早苗は宿題を黙々とこなしていた。
ここは、マジカル・ワールドの王国マジカル・ランドのウスグラーイ領ウスグラーイ城。
最近は魔法少女達が入り浸っている場所だ。
「どうでしょう。ここは1つお互いのカレーライスの食べ方をそれぞれ試してみるというのは」
「ええ、どっちがおいしいか試してみましょう」
「はい! ではクロカゲさん! お昼はカレーでお願いします!」
「何でだよ」
いきなり巻き込まれたクロカゲがツッコミを入れる。
「辛口のビーフカレーでお願いね」
「何を言っているのですか! 甘口のチキンカレーです!」
「どっちだよ…」
「辛口のビーフカレー!」
「甘口のチキンカレー!」
「あ、間を取って中辛のポークカレーでいいんじゃないかな?」
「…仕方有りません。今回は中間択を取りましょう」
「…ええ、仕方ないわね」
早苗の提案に、ミソラとすみれが折れる。
「クロカゲさん! 中辛のポークカレーお願いします!」
「だから何でだよ」
しかし結局断りきれず、クロカゲはキッチンでカレーライスを作るのだった。
………
……
…
「…混ぜるのもアリですね!」
「混ぜないのも意外とイケるわね」
よく混ぜたカレーと混ぜなかったカレーを食べながら、ミソラとすみれが声を上げる。
「「…」」
この2人の言い争いはいつもこんな感じで終わるのだ。最終的にどっちもありという決着で終わり仲直りする2人をクロカゲと早苗が疲れた目で見る。
「クロカゲさんと早苗ちゃんはカレーは混ぜる派ですか?」
ミソラが妙な気を利かせてクロカゲと早苗にも話を振る。
「俺は混ぜる派だが」
「私も混ぜる派に転向します!」
「いや、もうどっちもありでいいだろ」
これ以上話をこじらせたくなくて、クロカゲがミソラをなだめにかかる。
「早苗は? カレーは混ぜる派なの?」
そんなクロカゲとミソラを見てフンと鼻を鳴らしたすみれが、早苗に問いかける。
「…え? どっちも同じ味じゃない?」
「「…」」
早苗の発言に、ミソラとすみれが静かにいきり立つ。
クロカゲは、ひそかにため息を吐いた。
カレーは何味派?
ミソラ 甘口
すみれ 辛口
早苗 中辛
クロカゲ どれでもいい




