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暗空の首狩り公  作者: バルト
主人公編 帝国の首狩り公
1/13

プロローグ 暗い宙(そら)

書きたいものを書こう、というコンセプトで始めました。お付き合い頂けると幸いです。

そこは無音の世界。どこよりも高く、暗く、美しい、()()()()。瞬く星々以外に明かりの無い暗黒の世界に、閃光が走る。それを契機に、無数の光がその世界を飛び交い始めた。彼方より訪れる金属の塊。光を放ちながら進む、流線型の金属。それは軍艦だった。赤い布に金色で剣と盾が描かれた旗を掲げた艦隊と、青い布に黒色で翼を広げる鳥の描かれた旗を掲げた艦隊が、その砲火を交える。そして、一隻、また一隻と、互いに砲撃を受け、その装甲を撒き散らして沈んでいった。だが、その後ろからさらに軍艦が、()()()を通り現れる。減るどころか増え続ける軍艦。その戦いは永遠に続くように思われた。だが、それは唐突に終わりを告げた。赤い旗を掲げた艦隊の環から、巨大な軍艦が現れた。人々はそれを()()と呼んだ。空母は、その身に付いた沢山の()を開き、その中から()()を射出した。それは、《人》だった。いや、人のような見た目の金属塊と言った方が良いだろう。それは各々、手に武器を持っていた。そして、それらは敵対する艦隊を、次々と駆逐していった。慌てふためき、背を向け、その場から逃げようとする軍艦達。それを、()()は許さない。逃げるための環には、すでに敵が回り込んでいた。赤く輝く線の入った黒い装甲。そして、これも赤く輝く剣。敵は一人だ、突破してしまえ。哀れな艦隊は、唯一の希望に向かって邁進する。その背後で、追っていた艦隊は足を止めていた。艦隊の長は、さらに希望を見いだした。しかしそれは、絶望へ一直線に進んでいるだけだったのだ。黒い敵機は、先程までの機体とは段違いの速度で接近してきた。接近された艦は、なす術なく()()され、爆散した。長は目を見開いた。その機体が、それの何倍も大きく、堅牢な艦を両断したという事実も驚きに値するが、彼が驚いたのはそこではない。両断する。それが特徴の、敵の切り札とも言える存在を、彼は知っていた。たった一機で、例え劣勢であったとしても優勢にしてしまう、『ゲームチェンジャー』。そして、敵軍として現れる、黒と赤の機体。その二つ名は……


「……………【首狩り公】」


それが、天を舞う大鳥の紋章を掲げた艦隊、『バーディア連邦』軍、艦隊長()()()彼が残せた、最期の言葉だった。




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― 新着の感想 ―
[良い点] あなたの小説も宇宙に関するものです!これは私を興奮させます [気になる点] 破壊の行進! [一言] あ今後の展開も楽しみです
2024/02/27 22:55 退会済み
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