現世
私は今まで自分でも知らなかったほどのスピードで駆け抜けていく。
私の本能が、このままではまずい、嫌な予感がする、と感じ取ったのだ。
...どうか間に合って...
私が今の状態で現世に戻るには、未完熟の神の秘薬を飲み、城の塔にあるであろう私の身体に入り込むしかない。
だが、それを行うには、少々時間がかかってしまう。
闇の軍勢がクリスたちと交戦状態になって、そのクリスたちが持つまでに私が復活できるかどうかだ。
...こんな大きな賭けをしたのいつぶりだろ。
この賭けは国の未来と国民の未来がかかった賭けだ。
そんなこんな考えているうちに、私は現世への降下ポイントに着いた。
...今、助けに行くからね。
そう思いながら私は天界から飛び降りた。
ものすごい勢いで風が私の頬を通り抜けていく。
私は降下しながら神の秘薬を飲む。
...まっっっっっっず!!!けどこれ飲まないと!
未完熟なせいでかなりまずい。完熟していたらもっとましな味だったんだろうが、仕方あるまい。
私の身体があるはずの城の塔に着き、私は中に入っていく。
...早く昇らなきゃ、完全にこの体が具現化してしまう前に!
魂の状態でしか、身体には入れない。
私は階段を駆け上りながら、身体に入るための準備を進める。
やっとついた!急いで入らなくちゃ。
私が体に入り込もうとすると、少し強い力で弾かれる。
神の秘薬で魔力の変化が起きたんだ。そのせいでお守りが反発してるんだ。
私はお守りの結界を貫通できるだけの魔力を注ぎ、結界を破る。
...絶対助けるから。
そう思ったのを最後に、私の視界はまばゆい光によって奪われていった。




