継承の儀式
城が大騒ぎなのも知らないソレイユ。
なんかよくわからないけれど、初代シャイニー様の御力をもらえる限り継承することになってしまった。
というか強制的に。
...現在、継承の儀式の準備をしてます。
儀式服に着せ替えられ、魔法陣や継承するための手順が載っている魔導書の準備なども着々と進んでいる。
...よく初代シャイニー様だけでここまで進められるなぁ。
はっとして気がつく。感心している場合ではない。継承の儀式に関して、私の知識は乏しい。
...初代シャイニー様に教えてもらおうっと。
「あのう、初代シャイニー様?」
「何かしら?」
「私、継承の儀式に関してあまり詳しくなくて...継承の儀式のことを教えていただけませんか?」
「ええ、わかったわ」
初代シャイニー様に説明によると継承の儀式は一通りこんな感じらしい。
1.継承する者とされる側の紹介
2.継承の舞
3.継承
継承の儀式終了
客はいないけれどいいらしい。
...なんか、初代シャイニー様って大雑把?
「では始めましょうか」
「あ、はいっ!」
...本番がいざ始まるとなると緊張するなぁ...。
「継承者入場!」
ガチャリ、という扉の音に合わせ、私は壇へと向かって行く。
...誰もいないのにすっごい緊張する。
出来る限りおしとやかに見えるように歩いてみた。おしとやかに見えているかどうかは知らないけど。
壇上につくと私たちの説明が入り、私は暗記させられた言葉を述べていく。
「我、貴殿の力を継承者として受け継ぐためにここに馳せ参じました」
「継承者に相応しき舞を見せてみよ」
流れる曲に合わせて私は舞を踊る。
...うぅ、転びそうで怖いよう。
指先まで滑らかに、服の裾がうまく広がるように回る。これでも一級舞師の資格持ちだ。誰もいないとは言え、下手な舞はできない。
内心ハラハラしたが、なんとか私は舞を終えた。
...次は継承か。継承でたくさんの御力を流し込まれる(押し込まれる)のだから、少しは覚悟したほうがいいよね。
「これより継承を執り行う」
どうやらこれは、太古の形式に則り行われるようだ。
説明が終わると、いよいよ継承である。
私は心構えをしながら、御力が注ぎ込まれるのを待つ。
「これより力の継承を始める」
...うぅ、感覚が気持ち悪い。
なんか、自分の中に無理やり押し込められている感じが強くて、違和感がすごい。だが、魔力の質感があまり変わらないようで、そこまで痛いわけではなかった。
御力を流し込み終わり、閉会の言葉を述べて、継承の儀式が終わった。
...これでやっと城に帰れる!