妖霊山
妖霊山。
その山には妖が住んでいて、人間が入ると妖たちに、魂までひとつ残らず食われるという伝承のある山である。
極夜の国ドルヴィアは、その山がすごく近い。
...ある意味ラッキーだったのかも。
実は、妖霊山には妖がいる。その妖の一族は『狐竜』。私の友達たちである。
...狐のままで勘違いされないかな?
薬の副作用はどうしようもないので、勘違いされないことを願いながら山に降りた。
山の中は濃い霧で満ちていて、魔力登録がないと霧を抜けられない仕組みになっている。
...魔力登録をした木はどーこだっけ。
この濃い霧は特殊な霧であり、魔力感知や魔力展開ができなくなっている。
...あ、みっけ。
私はその木に触れ、魔力を少量流す。
そうすると霧が晴れる。だが、霧が晴れたように見えただけであって、ほかの人には霧がかかっているように見える。
「ん?誰だこの九尾」
あ、ついでに友達のレインも見つかった。
「私よ私」
「なんかまた呪いでも受けたのか?」
「薬の副作用」
「何の薬飲んだんだよ」
と、腹を抱えて言われた。許さん。覚えてろよ。
「それ以上笑ったら、後でどうなっても知らないぞ?」
「スミマセンデシタ」
「よろしい」
獣人の姿に戻ってそのまま彼らの里へと向かう。
彼らの里は結構立派で、かなり繁栄している。
「あっ!シャイニー陛下だ!」
「久しぶりに遊びに来てくれたんだー!」
...いつ見ても狐竜の子供たちはかわいい。
「ええ、久しぶりに遊びに来たわ」
「耳としっぽ、陛下とおそろいだ!」
「陛下のしっぽフワフワー!」
その時である。遠くのほうに闇を感じ取ったのだ。
「敵襲...?」
私がそうつぶやくと、レインには聞こえていたらしく、
「確認してくる」
と言って飛んで行ってしまった。




