フォレスト目線 目覚めてくれない
フォレスト目線で書かせていただきました。
ある日突然、ソレイユが目覚めなくなったと聞いた私は、あの闇のかけらの爆発が影響してしまったのではないかと考えた。
心配のあまり、仕事をいち早く終わらせたため、明日は槍の雨が降るかもしれないと執事たちの間で囁かれるほどソレイユのことを心配していた。
...もし闇のかけらが影響していたら?
もし、影響しているとしたら、ソレイユはもう目覚めない可能性だってある。
光は闇に弱く、闇は光に弱い。
故に力を奪われ、植物状態になってしまうのだ。
今すぐソレイユの近くに行って状態を確認したいが、何故かソレイユの半径2メートルほどのところまで結界のようなものが張られていた。
...ソレイユの魔力じゃない。いったい誰がこんなこと..
長年の戦いで培った感覚で、この結界に害意がないことはわかっていた。けど。
私は悔しくてたまらなかった。
親友を助けられないもどかしさ、悔しさ、敗北感。
そんな負の感情はすべて魔力と化し、私の拳とともに結界とぶつかり合った。
「開けてよ!!」
ゴンッ!!!バヂッ!!
鈍い音と魔力がぶつかり合う火花を散らしただけで結界には傷一つつかない。
私の負の感情は膨れ上がった。
親友は目の前にいるというのに、助けられない。
私は、王族としての威厳を忘れ、まるで子供のようにわんわん泣いた。
一生のうちに、こんな悔しい思いをするとは思わなかった。
最悪の場合、ソレイユは目覚めない。
永遠の眠りにつかされてしまった場合だってあるのだ。
もしもそうだったとすれば、オリジン王国は総崩れする。
しかも、ソレイユが守護していた宇宙も危険にさらされることになる。
...そんな事態になったら私はどうしたらいいの...?
ソレイユの部屋には私の泣きじゃくる声だけだ響いていた。