さらなる力...?
私は、初代シャイニーに導かれるまま、あるきらびやかな空間にたどり着いた。
「ここは、『継承の間』。選ばれし者であるあなたに、私の持つ力の一部を与えましょう」
...はい??
私は戸惑った。すっっっっごく。
出てきた疑問が多すぎる。
まず、「選ばれしもの」についてだ。普通、選ばれしものは平民の中から選ばれるはずだ。
平民の中から力を与えられて、500年に一度現れるとされる厄災を討伐するのが役目とかなんとか聞いたことあるけど、まさか実在していたとは。
とにかくディオ様が何を考えているのか知らないが、とにかく私は平民ではない!
...え?さすがに私を平民だと勘違いしてるわけないよね??さすがにそれはまずいよ??
まぁディオ様に限ってそんなことあるわけ...、と思っていたら、
「あなた、もしかして平民じゃないですね...?」
....今!?!?!?
いや確かに、昨日帰るときにフォレストが用事あるとか言ってたから上空で待ってたけど!だけどね???
服装が明らかに平民としてはおかしいと思うんだ????
こんな最高級の絹のネグリジェなんて着ないからね??
え、もしかしてだけどディオ様適当に選んでる???
私がいろいろな思考を張り巡らせていると、ディオ様が
「ごめんなさいね、私は選ばれしものを平民の町の中魔力を増やしても大丈夫そうな方を選んでいるので...」
...えぇ...。でもさ! 魔力量ぐらい見てるよね??
「えっと…魔力量は見てたんですか?」
「平民にも魔力持ちはごく稀に生まれるので、その方かと…今見たらあなたの魔力量は私よりも多いですし、私の子孫のようですね..。」
…なんかもう、いいや。
私はもうディオ様が勘違いしすぎて嫌になってきたので、これ以上の追及を諦めた。
「私が王族だということが分かったので、元の世界に帰してもらってもいいですか?」
「いえ、あなたには私の力を与えます。呼び出してしまった以上、力を与えぬまま元の世界に帰すことはできません」
...都合悪!
「ですが私は、魔力が分不相応に多くなってしまい、苦しむのは嫌なのです」
私は魔力を受け取りたくない旨を初代シャイニー様に伝える。
「そうですね...確かに魔力が多すぎると、体中に激痛が走るなど、生活に支障が出てしまいます。ですが、あなたのマジックサックはまだまだ隙間があるのです」
....確かに言われてみればそうかもしれないけど、だからといって初代シャイニー様の御力が収まるっていうわけではないじゃん???
「あなたのマジックサックに収まるだけ、私の力を注ぎこみます」
...待って待って、え?ディオ様の御力を、私のマジックサックに押し込むってこと???
「では継承の儀式を始めますね」
「え、あ、ま、待ってくださいませ!?」
まるで、私の声など耳に入っていないかのように、ディオ様はルンルンで準備を進めている。
...お願いだから私の話を聞いて!!