わたしの相棒 マティア視点
母様に突然、「この中から一人選んで」と言われたのだけれど、いまいち状況理解が追い付いていません。
「マティア?」
「あっ!はい!」
母様がちょっとだけ心配そうな顔でこちらを見つめています。
「うーん...」
私はそれぞれの神獣の目を見つめます。
そこで一人だけ目をそらしていたのは、神獣の中で最も気高く優美であるとされる、『黒狼』でした。
…言ってしまえば、なつきにくいってことらしいんですけどね。
私はまるでルビーのようなその瞳に心惹かれ、その子を選ぶことにしました。
「母様、この子でお願いします」
「わかったわ」
私がそう言うと、母様は神獣の額についている『魔晶石』というものに触れ、主従契約を解除していました。
「マティア。その子の額に触れ、魔力を登録して頂戴。主従契約はどちらでもいいわ」
私はその子の魔晶石に触れ、負担がかからないよう、ゆっくりと流し込んでいきます。
「魔力登録が完了しましたよ」
「あっ!はい!」
「名前は?」
「マティアです。「マティ」と呼んでもらっても構いません」
マティと言うのは、私の弟であるフォトスが私を呼ぶ時に呼んでいる名前です。
「そうか。俺はエテロス。「エテ」って呼んでも構わん。後敬語やめろ」
「じゃあ..これからよろしくね!エテ!」
「じゃあお二人とも仲良くなったみたいだし、帰りましょうか」
「はい!」
母様の手を取り、私は「相棒」エテと城に帰るのでした。




