悩み
「マティア、少し手を放してもいいですか?」
「えっ!?嫌です!ていうかだめです!」
...やっぱかわいい。私の愛娘。
「仕方ないですね...じゃあこうしましょう」
私は指をパチンと鳴らす。そうするとマティアの足元に半透明の足場が出現する。
「ここにいてくれる?」
「ちょっと怖いですけれど…わかりました」
私は手を放し、呪文を唱える。
『ヴァンサリー』
そうすると私の手には白く輝く横笛が現れる。
これは『フリュート』と呼び、私の愛用楽器である。
フリュートをそっと口に当て、曲を奏でる。
~♪
「わぁ...」
曲を奏で終わると、七つの流れ星が此方に向かって飛んでくる。
「母様!?あれなんですか!?」
そして到着したのはもちろん、
「お呼びですか?御主人様」
「神獣?」
「マティア、突然で申し訳ないのだけれど...
この子たちの中から一人選んで」
「えっ..」
神獣を共に連れて行けば、彼女の悩みが解決すると思った私は、マティアに選択を迫った。
どの神獣にしろ、魔力操作に長けている。それに彼らと契約を交わせば、かなりの強化が得られる。
それに、きっとマティアはこれから先様々な人と出会うだろう。そこで傷つくかもしれない。新たな仲間を得るかもしれない。その時に最も信頼できる「相棒」がそばにいること、それがいかに大切か、私はよく分かっている。
それに、彼女には自分と周りを大切に出来る子になって欲しいから。




