わたしの告白
「...マティア?」
...天空城からもう帰ってきたのかな?まだちょっと危ないんだけど...
「母様...お話がございます」
「わかったわ。どこで話すの?」
「母様の部屋のバルコニーでお願いします」
「こちらにおいで」
私は突然話がしたいと言い出したマティアを心配しつつ、バルコニーへと案内した。
「それで?お話って?」
私はフィルスが用意してくれたはちみつ入りのハーブティを飲みながら聞く。
「私は....魔法がうまくできないのです。母様の膨大な魔力を受け継いでおきながら、魔法が...」
マティアはそういうと、ぽろぽろと涙を流して泣き始めてしまったのだ。
...シャイニー家屈指の魔力持ちのもとに生まれておきながら魔法ができないなんて...って私が呪いの反動で眠っているときに言われ続けていたのかもしれない。言ったやつぶっ飛ばそう。多分クリスなら調べ上げてるはず。
「マティア。あなたは一つ勘違いをしているようね」
「え?」
「シャイニー家屈指の魔力というだけであって、魔法技術ではないのよ?人には誰にも得手不得手はあるもの」
「分かっています。でも...」
…わたし自身がそれを許せない、って言いたいんだろうね。本当にマティアは私に似てる。
「…自分自身を信頼できないのはとても辛いことよね。私も昔そうだったから」
「えっ?母様も?」
「話せば長くなるけれど、昔はひどい完璧主義者だったわ」
肉親を全て失った後、私は最年少で守護神に就任した。歴代最強の魔力量に目を輝かせる民たちのことを裏切らぬように、とあの時は狂ったように鍛錬と勉学をしていた。
私が似たような気持ちを抱えたことがある人だと分かり安心したのか、マティアは「意外です」とにこにこしており、緊張が少しほぐれたようだ。
…できないなら練習あるのみ。でもその練習に苦痛が伴うのはあまり良くないからね。
そう考えた私はマティアにある提案をする。
「マティア。一緒に空を飛びましょう?」
「無理です。私は魔法の中で一番使えないのが浮遊魔法と飛行魔法なのです」
...やっぱりね。そうだと思った。
私も幼少期に一番使えなかったのが浮遊魔法と飛行魔法だったから、きっとマティアもそうなんじゃないかと思ったが、ビンゴだった。
「大丈夫よ。それに、やってみないとわからないのだから、無理と決めつけるのはよくないわ」
マティアは少し考えた後、私が差し伸べた手を取ってくれた。
「きゃっ!?」
私が少し強めに手を引っ張っちゃったからかわからないが、マティアは少し驚いたようだ。
「わぁ..」
マティアがとても楽しそうに周りを見渡している。
「少し高度を上げる?」
「えっ!?いいのですか?」
「遠慮しないで。大丈夫よ」
私はマティアに負担がかからぬよう、少しゆっくり目に高度を上げる。
そうしてたどり着いたのは、私の秘密基地ともいえる、雲の上である。




