発端
突然だけど、夜泣きが大変。
これ、三つ子とかどうなっちゃうんだろ。
過労死しそう。
私には魔法で疲れを吹き飛ばすことができるからいいけど、平民の人とかやばそう。
...さっきミルクあげたし、今日だけ少し寝るか。
疲れを吹き飛ばす魔法は使いすぎると、ぶっ倒れて、最悪下半身不随になる。
私が起きたのは、朝だった。
まさかさらわれたのかと思い、私のベットの隣にある子供用ベットを確認してみた。
...普通に寝てる。魔法で確認しても、『いたって健康』としか出てこないから大丈夫みたいだけど...
その理由はすぐにわかった。私の周りに....龍がいた。
...クリスがやってくれてたのね。びっくりした。
「おはよう。久しぶりに寝た感覚はどうだい?」
まばゆい笑顔でそういわれたが、私は無言を貫き通す。
「まあとりあえず今日はゆっくり休んだらどうだい?ソレイユ、疲れを無効化する魔法の許容量ギリギリなんでしょ?」
「...。」
婚約者に魔法は隠せない。
なんか、悔しい。
お言葉に甘えたいところだけれど、私には今日やらなければいけないことがある。
「私は今日用事があるから、その間お願いするわ」
「そういえばそうだったね、行ってらっしゃい」
私は魔法で儀式服に着替え、髪も魔法で結う。
「じゃあ、行ってきます」
私が向かったのは、神殿にある『浄化の泉』。
わたしは泉に手を入れ大量の魔力を流す。こうすることによって泉の温度が体温と同じ具合になるのだ。
チャポン。
そこから泉に入り、魔法陣を起動する。
カッ!!!
「っ....!」
体に激痛が走る。やはりだめだったようだ。
...やはり、母様が殺された際に食らった呪いは消せないか...。
母様が私をかばったとはいえ、すべてを防ぎきれたわけではなかったのだ。
...しかも前に戦った暗黒王のせいで呪いが進行してる。本っ当最悪。
いくら守護神でもこの呪いだけは解除できなかった。
...仕方ない。ほったらかすしかないか。
その油断が、事の発端になるとは知らずにね。




